概要
岩手県弁慶高校の野球部員。
左投両打(岩手県大会では右打席、甲子園では左打席に立っている)。ポジションは右翼手。
顔の右側に大きな傷を持つ屈強な体格の大男で、厳かで神秘的な雰囲気の持ち主。
チームでは四番打者として活躍しているが、それ以上に信じられない強肩を誇っており、何と外野の最深部への犠牲フライでも三塁走者のタッチアップを許さないほどである。
洞察力も大変優れており、外野からでも相手チームの打者が何をしようとしているか見抜くことが出来る。
野球の実力もさることながら、山伏としての修行を重ねた賜物か、その左腕に一種の神通力のような不思議な力を宿しており、拳を固く握りしめた左腕から念を送ることで相手の怪我や病気を快方に向かわせることが出来る。この不思議な力は野球でも発揮されているようで、自分の頭上を越えそうになったホームラン性の打球をグラウンド内に引き戻して捕球したり、自分を敬遠しようとして投手が大きく外したボールをバットが届く距離まで引き寄せて打ったりしている(さすがに自分から離れ過ぎている場合は効果がないようだ)。
初登場は高2の夏。
岩手県大会優勝後、エースの義経光と共に徒歩で甲子園に向かう途中、栃木県で左肩の故障に悩む中二美夫をその神通力で救い、神奈川県で山田太郎ら明訓高校の優勝を見届けると、病院で危篤状態に陥っていた岩鬼の母親を中と同じく神通力で救う。その後も義経と共に甲子園を目指しつつ、修行で全国に散っていたチームメイトと合流する。
甲子園大会では1回戦で明訓の宿敵である土佐丸高校を破り、2回戦で明訓と対戦。同点で迎えた9回裏、二塁からの送球を額で受けて併殺を阻止。その間に前を走っていた義経が三塁を蹴ってホームへ突入し、山田の頭上を大きく飛び越える八艘飛びでホームを陥れてサヨナラ勝ち。弁慶高校は山田たちが入学して以降、一度も負けなかった明訓高校に初めて黒星をつけたチームとなった。
チームがサヨナラ勝ちするまでの間、弁慶の立ち往生のごとく一二塁間に仁王立ちしていた武蔵坊はスコアボードを確認すると同時に崩れ落ち、そのまま意識を失った。
武蔵坊を欠いた弁慶高校はその後あっさり甲子園から姿を消すのだが、岩手に戻ってもなお武蔵坊は意識が戻らず、中からそのことを聞いた岩鬼と山田はすぐに岩手へと急行。岩鬼の必死の呼びかけにより、奇跡的に意識を取り戻した。
その後は野球から離れたようで、3年の春・3年の夏に弁慶高校が甲子園に出てくることはなかった。弁慶高校に敗れた後の山田たちは再び連勝街道を歩み続け、春夏連覇を達成。終わってみれば高校時代の山田たちに勝ったチームは武蔵坊率いる弁慶高校が最初で最後だった。
高校卒業後は陶芸家となっており、プロ野球編以降も何度か登場している。