ネタバレ注意
トミカハイパーレスキュードライブヘッド~機動救急警察~の世界で蔓延る違法チップ。黒い小型CPUの形を取っているが、起動すると本体部分に単眼が閉じた状態からプログラム数字である0と1が無数に浮かび上がった一ツ目が見開く。セーフティーやセキュリティが万全かつ健全なAIの認識を誤認させ、能力の効率化が図れるものの、正常に機能させる働きとの狭間で揺れ動き、誤作動を断続的に誘発させて暴走、終いには大事故に直結する。
韋駄天弐型を盗み出したマイコも此れと同じCPUを使い、韋駄天のAIを誤認、箍が外れ暴走させ、美術品を盗もうとした際にも警備用ロボットに(既に内蔵されていて)使用する筈だった。
消耗品からか、接続部分以外は設計図から簡単に量産が可能で、暴走後は自身を回収、解析させまいと回路自体を自らの意思で焼き切れさせ、二度と使い物に成らなくさせる。
だが、其とは別に酷似するウイルスらしきものが誰も気付かない間に操作画面から一瞬姿を現し、間接的ながら天の浮大橋の倒壊、江古山の地熱発電システムの暴走、ツインドラゴンホテル爆破解体の爆薬誤作動など不特定多数の人命を奪いかねない事件に機動救急警察を嘲笑うかの如く暗躍し、原因をコンピューターによるシステム異常の事故扱いで済まされている。まるでドライブヘッドを試すかの様に…
しかし、その存在は機動救急警察に遺恨がある刈狩が自身の製作したプログラムを乗っ取られた時に現し、AKTVのパラボラアンテナからの誘導電波を増幅、帰還中の宇宙貨物船を制御不能に陥らせた。S.I.B.メガマックスの活躍でベイフロントシティへの墜落は免れたが、己の英知をも遥かに凌駕した事から『人類を狙うとする得体の知れない邪悪な存在』と察知し、敵対する西園寺やジョーに警告を促した。
これ等の大元も出所も不明であるが、19話で大きなターニングポイントとなって以降もオオグマダムの水力発電システムを停電、過剰発電からくる電磁波によって周辺地域の通信、電子機器障害やハイブリット自動車を広範囲に停止、一部が出火、下流域に被害を被る寸前にさせ、かすみが乗車した自家発電型電車の速度を徐々に上昇、先頭車両のコントロールパネルも手動制御も届かせず大破、終着駅まで暴走させ、積載量オーバーにコンテナ船の荷を積めての転覆、満員にしたビルのエレベーターを指定フロアに停止させず通過させるなど被害が各地で相次いだ。
処が、機動強襲警察ハイパーアタックも牛頭長官からの要請を受けて出所を捜査しはじめ、重機レンタル会社に強制捜査して検挙したが、何者かに大量受注され味をしめて量産したらしく、押収したパソコンをジョーが解析中、例の単眼が現れて記録をデリートし消え去った。これにより同一の存在が暗躍している事実が確定した。
此れは氷山の一角かも知れず、各所に同様の手口を行う者はいると推測する。同様に世界中に蔓延している可能性も否定できない。警察でもそれ以前から注意喚起を促しているものの、安全基準を満たして要るにも関わらず、それらに満足せず文明の力を信じすぎた人間の悪い癖が招いた人災にも等しい。
それを象徴するかの様に石油精製プラント『リーガルクラウン』で働く作業用管理ロボにも侵入し、施設を暴走させ大火災に発展、ロボ自体も三原則を振り払い人間を襲っている。