概要
キッドフラッシュとはフラッシュのサイドキックヒーローのことである。初登場時はただの小さなフラッシュのコスチュームであったが後にお馴染みの黄色のコスチュームに変わった。
ウォリー・ウェスト
初代キッドフラッシュ/三代目フラッシュ
髪の色はレッド、グリーンの瞳を持つ。
ルドルフ・ウェストとマリー・ウェストの息子であり、2代目フラッシュ/バリー・アレンの妻アイリス・ウェスト・アレンの甥。
後にリンダ・パークと結婚し、双子のアイリスとジェイを儲ける。
落ち着きがなく調子の良い性格。
少年時代はブルーバレーに住んでおり、セントラルシティで活躍する二代目フラッシュ/バリー・アレンの大ファンであった。自身に対してあまり理解のなかった両親とは良好と言える関係ではなく、一方で最大の理解者であったアイリスとバリーを親のように愛している。バリーとアイリスの子どもに会ったときは嫉妬する一面を見せた。
師であると同時に父のような存在であったバリーを誰よりも敬愛しており、バリーの死後間もなくは唯一彼の死を信じていなかったり、バリーの顔に泥を塗るような行為は相手が誰であろうと許せないといった面がある。このせいで三代目フラッシュを継いで間もない頃はバリーを超えることを恐れ無意識に能力を押さえ込んでいた。
食べることが大好きでスピードフォースの恩恵で大食を必要としなくなった後も好んでよく食べている。
「キッドフラッシュとしての活躍」
初登場は1960年に刊行されたThe Flash vol.1 #110 ”Meet Kid Flash!”。
アイリスを通じてバリーと出会った。バリーと同様に雷に打たれ薬品を被ったことによりスピードスターに覚醒、キッドフラッシュとなった。
その後彼のオリジンはThe Flash vol.2 #62-65 "Born to Run"にて語り直された。
初期はバリーから贈られた小さなフラッシュのようなコスチュームを纏っていたが、1963年The Flash vol.1 #135 ”Secret of The Three Super-Weapons!”にてコスチュームが変異しお馴染みの黄色のコスチュームとなった。
1964年The Brave and the Bold #54にて初代ロビン、アクアラッドと共にティーンタイタンズを結成した。その後すぐにワンダーガール、スピーディが加入し、これらのメンバーはオリジナルティーンタイタンズと呼ばれる。
「三代目フラッシュとしての活躍」
1985年に刊行されたDCコミックス50周年記念イベントCrisis on Infinite Earthsにてバリーは自身を犠牲にしてアンチモニターの反物質砲を破壊した。彼の尊い犠牲と功績を人々の記憶から忘れ去られないようにするため、ウォリーは三代目フラッシュとしてバリーと同じ真紅のコスチュームを纏うことになった。同時にシークレットアイデンティティも公開した。
1987年に彼の個人誌であるThe Flash vol.2シリーズが刊行さた。このシリーズは四代目フラッシュ/バート・アレンによるThe Flash: The Fastest Man Aliveの開始で2006年から2007年で一旦間が空いたものの2009年まで続いた。
最初の拠点はニューヨークだったが、初代フラッシュの妻ジョアン・ギャリックの勧めでキーストーンシティへと引っ越している。
バリーを超えることへの恐れによって無意識に能力を最大限に引き出せず当初はバリーより遅く能力も不安定であった。この弱点はイオバード・ソーンとの闘いの中で克服した。(The Flash vol.2 #74-79 "Return of Barry Allen")
スピードフォースと一時的に一体化し密接に繋がったことでよりスピードフォースの恩恵を得られるようになった。スピードが上がった他、エネルギー補給のための大食を必要としなくなった。(The Flash vol.2 #95-100 "Terminal velocity")
スピードフォースによるコスチューム生成の技を編み出す。このコスチュームには足を負傷しても走れるといったメリットがある。(The Falsh vol.2 #131)
The Flash vol.2 #159ではリンダ・パークと遂に結婚を果たした。
その後妻リンダがウォリーとの子を身篭るがズームに襲われ流産してしまう。
ウォリーの前に当時スペクターであったハル・ジョーダンが現れ人々から「フラッシュの正体」に関する記憶を消し去ってもらった。これによってウォリーは再びシークレットアイデンティを持つようになった。(The Flash vol.2 #197-200 "Blitz")
再び起きたズームとの闘いの中で過去に遡り、ズームに襲われる直前のリンダを守ったことで歴史が変わる。これにより流産したはずの子どもは無事出産された。(The Flash vol.2 #1/2 #220-225 "Rogue War")
男女の双子の子どもはアイリス(Iris)とジェイ(Jai)と名付けられた。
2005年Infinite Crisisではスーパーボーイプライムとの戦闘中でスピードフォースに呑まれリンダと子どもと共に失踪した。
Justice League of AmericaとJustice Society of AmericaのクロスオーバーLightning Sagaにて妻子と共に帰還。その間歴代フラッシュと親交のある星に飛ばされており、赤子だった子どもはスピードフォースによってアイリスは10歳、ジェイは8歳に成長してしまっていた。(The Flash vol.2 #231)
バリー復活後は主役を譲り、The Flash vol.3はバリーが主役を務めている。
New52
2011年Flashpoint後に開始されたthe New 52!シリーズ以降長らく彼の存在は無かったこととされていた。(New52にて登場する同姓同名のキャラについては後述)
DCリバース
しかし2016年に刊行されたDC Universe: Rebirthにてスピードフォースの中からキッドフラッシュのコスチュームを纏った姿で現れる。
長い間スピードフォースの中に閉じ込められており、new52の世界にウォリー・ウェストという存在が居なかったのではなくnew52における歴史が改変されたことで彼の存在がバリーやアイリスを含めた人々の記憶から消されていたことが判明する。
バリーによってスピードフォースから脱出。更にバリーに認められる形で「フラッシュの一人」となった。新しい彼のフラッシュのコスチュームは頭を露出しておりフラッシュポイント以前の姿と比べて非常に見分け易くなった。
尚スピードフォースの中に居た際にFlashpoint以前の世界の歴史を見ており、数少ないnew52以前の世界を知る者でもある。
バート・アレン
初代インパルス/二代目キッドフラッシュ/四代目フラッシュ
髪の色はブラウン、イエローの瞳を持つ。
2代目フラッシュ/バリー・アレンとアイリス・ウェスト・アレンの孫。
ドン・アレンとメローニ・ソーンの息子。
初登場は1994年The Flash vol.2 #92 “Reckless Youth, Chapter One: Speed Kills”。
バリーとアイリスが30世紀の未来で隠居していた際に儲けた孫。
ウォリー以上に落ち着きがなく、カートゥーンやコミックを好んでいたりと非常に子どもっぽい性格。出会って間もない頃はウォリーに同属嫌悪に似た苦手意識を持たれていた。
生まれたときから純粋なスピードフォースとアクセス出来るが、これによる異常な新陳代謝によって急成長する体質を持つ。(具体的には一年で二歳、二年で十二歳の外見に成長する)
その他この体質の恩恵で本来経験といったものが必要な「すり抜け」の技を難なく習得していたり、速読で得た知識を無尽蔵に吸収することができる。
乳児の頃に政府に誘拐されており、政府に実験体として軟禁されていた頃はバーチャルリアリティの中で過ごした。バーチャルリアリティの中で過ごしたことで空想と現実の区別を持たず、能力制限が無いなかで育ったため落ち着きのない性格となった。
刻々と加速する彼の成長スピードから余命僅かと判断したアイリスによって政府から救出され、アイリスと共に現代にいるウォリーの元へと現れる。ウォリーのお陰で新陳代謝が安定した後も上記の彼の性格矯正のため現代に残ることになり、マックスマーキュリーに師事することとなった。
余談だが当時バリーは死亡しており、更にバリーの子である彼の父や叔母も既に死亡していたため彼の住んでいた未来では彼を師事できる人物が居なかった。
マックスマーキュリー失踪後は初代フラッシュの家に引き取られている。
三代目ロビン、スーパーボーイと並ぶヤングジャスティスの創設メンバーの一人。後に二代目ワンダーガール、シークレット、アロウェットが追加で参加している。
始めはインパルスだったが2003年Teen Titans vol.3 #1-7 "A Kid's Game"にて、将来から目を背けいつまでも子どものように振舞い続けるバートは周りから期待されず「せっかちなマヌケ」と見做されることに辟易していた。その後デスストローク(ジェリコ)によって膝蓋を撃たれ重傷を負う。この敗北を機に将来から目を背くことを止め、サンフランシスコ公共図書館のあらゆる蔵書を読破。いずれフラッシュの名を継ぐに相応しくなるべく二代目キッドフラッシュとなった。
Infinite Crisisではスーパーボーイプライムとの戦闘でスピードフォースに突入した際に大人の姿になる。
Infinite Crisis後はスピードフォースが消滅したことで一時はヒーローを辞め日常生活を送るが、One Year LaterのThe Flash: The Fastest Man Aliveで当時失踪していたウォリーの跡を継ぎ四代目フラッシュとなった。しかし自身のクローンであるイナーシャの罠によりローグスの総攻撃を受け死亡。四代目フラッシュとしての活動は約一年であった。
後にFinal Crisis: Legion of Three Worldsにてキッドフラッシュのコスチュームを纏った少年の姿で復活を果たした。
バリー復活後はバリーのサイドキックとして行動することが増えるが、バリー自身はバートを深く知らないため孫であるバートとの接し方が分からないでいた。このことをバートは「バリーは自分のことが嫌いだから距離を置いている」と捉えてしまい両者には溝が生まれていた。
Flashpoint: Kid Flash Lostでバリーの真意を知ったことで和解し、バリーが時間を遡る手助けをして消滅。new52以降2017年3月現在今だ登場しておらず、行方不明となっている。
DCリバース
DCリバース以降のシリーズであるThe Flash vol.5 #24でイオバード・ソーンによって婉曲ではあるが言及される。このため現在復活兆しが見えつつある。
もう一人のウォリー・ウェスト
ウォリー・ウェスト二世(黒人)
髪の色はブラック、ブラウンの瞳を持つ。
白人と黒人のハーフ。
初登場は2014年The Flash vol.4 annual #3 “Slip”。
New52以降に登場する。最初の設定ではウォリーが乳児の頃に父ルドルフ・ウェストが去り、母親(名前不明)はForever Evil事件でクライムシンジケートが街を襲った際に行方不明、慕っていた叔父ダニエル・ウェスト/三代目リバースフラッシュはフラッシュによって逮捕され、叔母のアイリスが後見人として彼を引き取っていた。
このため始めはフラッシュを敵視し、バリーに対しても生意気な態度を取っていた。しかし次第にわだかまりは解消し彼を慕うようになった。
DCリバース
父親の名前がルドルフ・ウェストであることなど当初は前述したウォリー・ウェスト(以後オリジナルウォリー)と類似点が多く、彼がnew52版ウォリー・ウェストとして扱われていた。しかし2016年のDC Universe: Rebirthにて実はダニエルの息子であり、オリジナルのウォリーとは同じ祖父の名を受け継いだ同姓同名の従兄弟関係という設定になった。
キッドフラッシュ襲名
The Flash vol.4 #44にてスピードフォースエネルギーによる爆発に巻き込まれたのをきっかけに不安定ながらもスピードフォースにアクセス出来るようになる。しかしその後に来るDCリバースのため、彼の覚醒は約一年待たせられることになった。
DCリバース後に開始したThe Flash vol.5の最初のアーク”Lightning Strikes Twice”にてセントラルシティに巨大な嵐が襲いかかる。この際に打たれた稲妻によりウォリーの能力は安定した。そしてゴッドスピードの攻撃で窮地に陥っていたバリーを危機から救い、キッドフラッシュへと覚醒する。
その後スピードフォースの扱いを学ぶためバリーに師事することとなる。
因みに此方のウォリーが2014年版テレビドラマ「The Flash/フラッシュ」に登場するウォリー・ウェストの元になった。尚ドラマ登場当時はDCリバース前だったため彼の設定はDCリバース前の設定がベースとなっている。
その他
ウォリー・ウェストの娘アイリス・ウェストが近未来の世界で活躍するキッドフラッシュ(Earth-22)。
Sins of Youthで若返り少年となったジェイ・ギャリックによるゴールデンエイジキッドフラッシュ。
new52では当初バー・トルがバート・アレンと名乗りキッドフラッシュとして活動していた。
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