開発
1963年に初飛行したボーイング727は、中距離路線におけるベストセラー旅客機となっていたが、2人乗務が可能なボーイング737やDC-9が登場すると製造数が頭打ちとなってきた。ボーイング社は当初、727の改良型を開発する方針でいたが、この改良型も一時しのぎにしかならないと判断されたため、いちから新しいモデル、7N7を開発することとなった。これがのちに757となる。また、この時、ボーイング社は次世代のワイドボディ旅客機として7X7(のちのボーイング767)の開発を進めており、両機の開発が進むうち、設計や操縦の共通化がすすめられることとなった。このため、ナローボディとセミワイドボディという違いこそあれど、757と767は実質的には兄弟機に近いものとして完成することとなった。
就航から生産終了へ
757は1983年に就航した。
低燃費の双発エンジンという経済性や優れた航続距離(当初は中距離用として開発されたがエンジンの信頼性が認められ、ある程度なら長距離洋上飛行も可能となった)、グラスコクピットの搭載、さらに767との共通性などによって757はベストセラーとなり、世界中の航空会社が導入した。しかし、2000年ごろになると、短距離用だったボーイング737が改良を重ねて長距離飛行が可能となり、さらに収容力も757にせまるモデルが開発された。加えて、757よりもさらに進化したグラスコクピットを備えていながら旧式の737と操縦資格の共通性も保たれていたため、757を導入する意味が次第に薄れてしまった。これらの要因もあって、757は2005年に生産終了となった。
派生型
757-200
標準型。座席数は200~230程度。
757-300
胴体を延長したタイプ。座席数は240~300程度。
日本では超レアな757
世界的ベストセラーでありながら、日本の航空会社は757を導入しなかった。これは、JALもANAも757と収容力がほぼ同じ767に興味を示したためである。また、日本からの長距離路線にはそれほど向いていないこともあり、海外の航空会社も日本路線に投入することがあまりないため、日本に757がやってくるとそれなりの騒ぎとなる。
関連
ボーイング767:兄弟機