概要
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜に存在する、設定上の人物。
作中での直接登場どころか名前の登場も一切なく、会話の中で以下のように触れられている程度。
- 5章「運命の扉」の村人「亡くなられたお妃様」
- 5章「運命の扉」のノイッシュとラケシスの会話「両親をなくしたアレス王子」
- 7章「砂漠を越えて」アレスとセリスの会話「俺の母上はシグルドをうらみ続けて死んだ」
- 8章「トラキアの竜騎士」 アレスとナンナの会話「病弱の母」「戦火の中で母上は死んだ」
設定資料集『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 TREASURE』で幼少時の息子と共に描かれ、ここで初めて名前や設定が判明した。また、TCG『サイファ』のアレスのカードにも登場している。
人物
アグストリア諸公連合の一国「ノディオン王国」の王妃。元々、病弱な身であったという。
茶色の瞳にウェーブがかった茶色の長髪を後ろでまとめている。身長はラケシスよりやや高い程度。
レンスター王国の貴族の家に生まれ、政略結婚に近い形でノディオンに嫁ぎ、エルトシャンとの間に嫡男アレスをもうけた。
シグルドがヴェルダンの戦乱を終えてエバンス城に駐留している頃(グラン暦757~8年)、アグストリアの戦乱を予期した夫の計らいで、戦を避けるために幼いアレスを連れて帰郷する。
その後、アグストリアの盟主「アグスティ王国」の王位を簒奪した王子シャガールがグランベル侵攻を企て、アグストリア動乱が勃発。シャガールの短慮は結果的にグランベルの逆侵攻を招き、ノディオン含むアグストリア全土をグランベル軍が制圧。
この動乱の最中、エルトシャンは主君たるシャガール王を諌めようとして怒りを買い、処刑されてしまった。
グラーニェは事実を知らず、愛する夫が侵略者シグルドに殺されたと思い込み、最期まで恨み続けていたという。アレスとセリスの会話から、ふたりが友であることすら教えていなかった可能性がある。
最期と異説
アレスの述懐によれば、グラーニェはグランベル帝国軍のレンスター侵略(グラン暦762年)により、戦火の中で命を落としたという。
一方、ドズル軍のリューベック侵攻時(グラン暦760年)には死亡しているとの話(上記概要を参照)もある。
遠方故に情報がねじ曲がっていたか、トラキア軍のレンスター急襲(グラン暦760年)をアレスが帝国の侵略と誤認していたか、エルトシャンが妻と子の身を案じて偽情報を流していたか、あるいは別の事実があるのか。
真相は不明である。
余談
- エルトシャンをラケシスで説得しない場合、シグルドが本当に仇になってしまうが、そこはそれ。セリスもナンナも「ふたりは真に信頼し合っていたのだから、たとえ相手を手にかける結末になっても遺恨はない」という理屈でアレスを説得するので、矛盾が出るわけではない。
- エルトシャンは序盤に登場する敵なのでスキルがないが、息子のアレスは後半に登場する固定キャラなので充実したスキルを持つ。本作の子世代はスキルを両親から引き継ぐ為、「実はグラーニェのスキルはすごい充実してたのでは」と冗談めかして話題に登る事がある。
- 設定資料集のキャラクター紹介のページでは、息子と夫と義妹と3騎士と一緒に描かれており、本人と夫が若干離れて描ているのに対し、夫と義妹はくっついて描かれている。これに対し、エルトシャンとグラーニェの微妙な距離感を匂わせるという意見もある。
- 名前の元ネタはケルト神話「フィニアンサイクル」より、フィン・マックールを捨ててディルムッド・オディナと愛の逃避行に走ったグラーニャ姫から。なお、本作においてディルムッドは義理の甥デルムッドの名の元ネタになっている。
コミカライズでの扱い
設定集より先に刊行された大沢美月版の漫画におけるノディオン王妃は「イリア」という別の女性である。原作と違い息子と共にノディオンに留まっており、本編にも関わる。