概要
「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」の、いわゆる子世代に登場するキャラクター。世界観と時代を共有する「トラキア776」にも登場する。
ユニットとして
聖戦の系譜
第6章「光をつぐもの」にて登場。クラスはフリーナイト→フォレストナイト。
母・ラケシスから黒騎士ヘズルの血を継いでいる為、下級職でも武器レベルAの剣を扱うことが可能であり、父親から★以外の全ての剣とリング系を継承できる。
確定個人スキルは母から受け継ぐ「カリスマ」で、支援役として活躍する。「追撃」など攻撃的なスキルを持っていないため、父親によって使い勝手が大きく左右される。父から「追撃」を継承できない場合でもクラスチェンジさえしてしまえば兵種スキル「連続」を習得できるが、そこまでが大変。逆に「追撃」を継承できれば、フォレストナイトのCCボーナスも相まって一気に主力になり得る。
女性とはどうも縁に乏しく、本城帰還時(恋人との「おかえり」会話)とEDを除けば、妹以外の女性とはイベント…どころか会話すら一切ない。
ラケシスが独身または死亡していた場合は登場せず、代替ユニットのトリスタンが登場する。
トラキア776
第20章「光の公子」のクリアイベントで登場。妹のナンナが生存していれば、第21章「解放戦争」からユニットとしてリーフ軍に加入する。クラスはフォレストナイト。
個人スキルは聖戦同様、母から受け継ぐ「カリスマ」。ナンナとは相互に支援効果がある。
初期状態で通常のフォレストナイトから移動力が1上昇しており、成長率合計も全ユニット中3番めに高い。専用剣として「ベオの剣」を持っている他、聖戦士の血を受け継ぐもの専用の「ブラギの剣」も使用可能。隠された特徴として再攻撃時の必殺率が5倍になるという特性も持っており、参入は遅いがかなり強力なユニットになっている。騎兵ながら下馬時にも使用武器が変わらないため、城内戦も苦にならないという点も大きい。ネックは初期上級職ゆえの最大HPの低さ。
ちなみに、やはりこちらの作品でも妹以外の女性との会話に縁がない。
人物
ノディオン王国の王女ラケシスの第一子で、ナンナの生き別れの兄。ノディオン王エルトシャンの遺児・アレス王子の従弟にあたる。
「聖戦の系譜」ではくすんだ金髪のリーゼントヘアで、黒い瞳。但し、公式設定資料集「TREASURE」や「トラキア776」では母や妹と同じ鮮やかな金髪で、青い瞳をしている。
「トラキア776」で語られる二つ名は「カリスマの騎士」。母譲りの気品に溢れ、他のものを惹きつける魅力を持つ。
生まれた時期はシアルフィ公子シグルドのリューベック“侵攻”より前。セリスらとともに、オイフェやシャナンに預けられてイザーク王国に落ち延びた。同じくイザークに落ち延びていた母ラケシスは幼い頃にレンスターに行ったまま戻ってこなかったため、デルムッドも他の子供同様、隠れ里ティルナノグでエーディンが生存している場合は彼女を母代わりとして育った。「聖戦の系譜」では、親世代終了の頃に産まれたばかり(レンスターで産まれたという記述もある)の妹・ナンナとは一切面識がなく、「妹がいて、幼い時に別れた」以上のことは何も知らない。
イザーク王ダナンの軍がティルナノグを襲撃した際にはオイフェ、レスター(ディムナ)と共に諸国の偵察に出ていたが、急遽戻って武装蜂起したセリスと合流し、イザーク解放軍の中核メンバーとして戦った。レヴィンから「妹のナンナがフィンの元で生きている」と知らされたのは、リボー城を制圧した時期と思われる。
「トラキア776」では、北トラキアでの戦いでイザーク解放軍がアルスター城を陥落寸前まで追い込むと、デルムッドは帝国側の大兵力に囲まれていたレンスター城に、セリスからの使者として派遣された。帝国軍はアルスター救援のために撤退。デルムッドはリーフ王子にセリスの親書を手渡すと、初めて妹との対面を果たした。その後はセリスの許しを得て北トラキア解放軍に帯同し、マンスター城攻略に奮闘する。
ナンナとの初めての会話から「母がデルムッドを迎えに行ってイード砂漠で消息を絶った」ことが明かされる。「聖戦の系譜」ではデルムッドは母の失踪を知らなかったと語るが、一方で「トラキア776」ではレヴィンから失踪の事実を聞かされているだけではなく、母の生存も知っており、戦後に2人でラケシスを探しに行こうと約束している。
マンスター解放後は2つの解放軍が合流し、以降セリスの下でロプトウス打倒まで戦い抜いた。そして終戦後、「トラキア776」のデルムッドはアレスに付き従ってアグストリア解放の戦いに挑み、統一アグストリアの重臣としてアレスを支えた。
デルムッドとナンナの父親について
トラキア776におけるデルムッドの父親については、かなりの議論を呼んだ。妹のナンナがフィンを「お父様」と呼び、フィンもナンナを娘として接しているにもかかわらず、デルムッドが専用剣「ベオの剣」を持って登場したからである。
この「ベオの剣」はかつてベオウルフが使用したとされる剣であり、さらに彼の“隠し子”説が語られるフェルグスも使用できてしまう。また、デルムッドは劇中でフィンと一切言葉を交わすことがなく、フィンとの間の支援効果もない。加えて、実はナンナもフィンからの支援効果を受けることはない。
こうしたことから、『トラキア776の設定ではデルムッドの父親はベオウルフで、彼の隠し子疑惑があるフェルグスとは異母兄弟ではないか』『実は妹のナンナとは異父兄妹ではないか』など様々な憶測を呼んでいるが、真相は不明。作中では状況証拠のみの提示にとどめており、「それぞれのユーザーがそう思ったのなら、それが正しい」という好例になっている。
ちなみに、IS公式WEBサイトではナンナの最初期のキャラクター紹介で「フィンの娘として、素性を隠し…」などと記述されていた。また、発売後の同サイトのキャラクター紹介に「父親欄」が追加された際、ナンナとフェルグスの父親欄には「ベオウルフ」と書かれていた。その後、「リーフ以外の年齢・父親はゲームのイメージ作りのため暫定的に設定したもので、必ずしも事実とは一致しない」旨が追記されると、更にしばらくしてナンナとフェルグスの父親表記が削除され、注意書きも「年齢については~」と、父親についての注書きまで削除された、という経緯がある。
こうした経緯から「少なくともトラキア776制作時は、デルムッドとナンナの父親はベオウルフをイメージして作っていた」ということは推察される。