概要
1人の打者が1試合で単打(一塁打)、二塁打、三塁打、本塁打のすべてを打つ事である。
意味を書いてみると一見簡単そうに見えるが、実はかなり達成が難しいとされる記録で、達成人数的に言えば、ノーヒットノーランに匹敵する難しさで、1試合で3本塁打した選手の方が遙かに多い位である。
単純に言っても、1試合4安打しなければならないわけで、プロ野球などでは1試合で3安打すれば「猛打賞」として記録されるくらいなので、1試合で4安打する事だけでも大したものである。このうち三塁打は安打の中でも達成が困難と言われる記録で、「三塁打だけ打てずに未達成に終わる」というパターンは数多い。
日本プロ野球で初めて達成したのは1948年の大阪タイガース(現・阪神)の藤村富美男だが、実は日本では長い間記録として知られる事がなく、それから17年後の1965年に阪急ブレーブスのダリル・スペンサーがNPBで24度目の達成した際に、報道陣がサイクル安打の記録達成について誰も言わなかったので、自ら説明し、日本で広く知られるようになった。
仮に3安打してあと1打席で達成できそうな状況でも、打順にもよるが味方が貧打で9回までに打順が回ってこない、というケースもあり得る。極端の場合だと、自身が本塁打で1点挙げてそのまま1-0で試合には勝ったけど、第4打席が回ってこない事も可能性としてはある。
1試合4本塁打して、そのうち3本塁打でそれぞれ、本塁、三塁、二塁でベース踏み忘れをすれば、記録上はサイクル安打達成になる。ここまで極端でなくても、二塁打を打てば達成の状況で本塁打を打って、味方選手から「三塁踏み忘れれば達成ですよ」と言われた選手もいる(無論この選手は踏み忘れはしてないし、ジョ-クではあったが)