概要
本来の議論しなければならない問題、もしくはその答えを、全く別の問題の議論に持っていき、話をすり替えようとすることを指す。
ちなみに相手の主張や助言に対し、発言者にもそれができていないことを指摘して、発言者を貶めるような文言を用いりを行うこと(「おまえだって論法」と呼ばれる)も論点のすり替えの一つに当たり、政治討論などで人身攻撃(個人の言動、思想、信念に対する攻撃)として使用される。
例
夫「何で不倫したんだ」
妻「貴方がかまってくれなくて寂しかったから」
この例は妻の不貞行為と理由を問い詰めているが、妻の一言で夫の行動の方に論点が変わっている。
同時に夫が妻を疎かにしていたのが悪い、という夫に対する「人身攻撃」も同時に行われている。
余談
かつて古代ギリシアの哲学者であるアリストテレス(ριστοτέλης)は、論点のすり替えは相手の主張に対して反論する際に犯してしまう酷い間違いであり、論理を知らないことに等しいと説いたが、現代では彼ほど広い意味で使われているわけではないという。
上述した「おまえだって論法」についても、二重規範(いわゆるダブルスタンダード)を諌めるためのものなら妥当と言える。
例えば無免許の運転を批判した際に、「他の奴もしてるから自分の無免許運転も許される」というのは詭弁であり悪い例である。しかし「自分も悪いけど、自分だけじゃなく他の奴もきちんと検挙してほしい」というのなら妥当な反論となる。