【概要】
ホラー映画に於ける“ゾンビ”像を確立すると共に世界中にゾンビブームを巻き起こしたジョージ・A・ロメロの『ゾンビ(Dawn of the Dead)』から続く、世界的なゾンビ&スプラッターホラームーヴメントの中で制作された傑作の1つ。
監督・脚本は『エイリアン』や『スペースバンパイア』の脚本担当として知られるダン・オバノン。
大量に出現したゾンビによりパニックに陥った人々の姿を描くという構図はロメロ版ゾンビと同じであるが、こちらは妙に明るいBGM(70年代~80年代ロック)に乗ったスピーディーな展開等、シリアスかつ閉塞感漂う黙示的な世界を描いたロメロ版とも違うポップな雰囲気を持つのも本作独自の特徴。
本作のヒットを受け、後に『バタリアン』を冠する続編が制作されている。
あらすじ
片田舎の医療品保管庫で働く青年フレディは、興味本位で地下室にある死体の容器を開ける。
すると突然ガスが吹き出し、倉庫内の死体達が激しく動き出した。
事の発覚を恐れたフレディと上司は、何とか死体たちを捕えて火葬場で燃やすことに成功。
一件落着かと思われたが、死体から出た煙は、雨にのって町の墓地へと降り注いでいた。
そうとは知らず、遊びに来たフレディの友人たちが墓場で酒盛りを始め……。
バタリアン
本作におけるゾンビの名称。
「トライオキシン245」という薬品で蘇生した死体であり、死の痛みから逃れるため脳を食したい欲求を持ち人を襲う。
一般的なゾンビと違って知能が高く喋ることもでき、対話も可能であるが、脳を破壊しても切り刻んでも動き続ける。死体の状態によっては非常に活動的なため厄介な存在である。
日本公開の際にタール漬けになったタールマン(メイン画像)や、上半身のみの老女ゾンビオバンバなど独自の名前が付けられ宣伝された。
※英語で『大隊』や『大群』を意味するバタリオン(Battalion)を元にした造語(邦題)である。
シリーズ一覧
タイトル | 公開 | 監督 | |
---|---|---|---|
1 | バタリアン | 1985年 | ダン・オバノン |
2 | バタリアン2 | 1987年 | ケン・ウィーダーホーン |
3 | バタリアン リターンズ | 1993年 | ブライアン・ユズナ |
4 | バタリアン4 | 2005年 | エロリー・エルカイェム |
5 | バタリアン5 | 2006年 | エロリー・エルカイェム |
- 2はスリラーのパロディなど、コメディ色が強い子供向け作品である。
- リターンズはシリアスな作品で、事故死した恋人を蘇生させようとした結果誕生した女バタリアンジュリー・ウォーカーが悲しくも人気である。
- 4,5はルーマニアとウクライナで撮影されたバタリアンの兵器化を描いたバイオホラー。
関連動画
関連タグ
オバタリアン:厚かましいおばさんをテーマにした4コマギャグ漫画。この言葉は流行語にもなった。
銃夢:トライオキシンが過去のテラフォーミング戦争で用いられたという裏設定がある。
相原コージ:氏が描いたゾンビ漫画『Z~ゼット~』のゾンビは脳を破壊しても動き回るバタリアンタイプである。