概要
東方Projectに登場する藤原妹紅のラストワード(怪ラストワード)の一つ。
妹紅が『東方深秘録』に登場した際に使用する。
『深秘録』では当時流行していた都市伝説の力をそれぞれが得る現象を使った様々な弾幕の様式が展開された。
妹紅についても「人体発火現象」の都市伝説と関連した様子であるが、妹紅が元々妖術としての火炎を扱う術を身につけていたこともあって、その境目ははっきりしない。
オカルトアタックの名称としての「人体自然発火」などはあるものの、河城にとりなどは妹紅の戦い方を見て「 都市伝説を使っていないように見える 」としており、妹紅自身も「 都市伝説って言われてもよく判らん 」と、当時の都市伝説騒動の中心アイテムでもあったオカルトボールに興味を持って以降も戦い方に大きな影響をもたらさなかった様子である。
「 流行り 」には乗ったが、不易な存在でもある妹紅自身のスタイルは変わらない。
妹紅は肉体的にも精神的にも自身のダメージを顧みていないともとれるスペルカードや戦術を採ることがあるが、『深秘録』での妹紅もまた自身を酷使する。
本怪ラストワードもまた、そういった妹紅ならではの心が反映されたものとなっている。
「 生れてこの方手加減が必要ない生活してきたから 」 (妹紅、『深秘録』)
自身が火炎に包まれたりそのまま突撃したりする妹紅の戦法は、『深秘録』に近い作品では『弾幕アマノジャク』でも見られている。
加えて本人もまた都市伝説に興味がない様子であるため、知らず知らず都市伝説の影響下にあっても本人が自身のものと都市伝説のものを意識して区別していない可能性もある。
「 一切オカルトの影響を一番受けない一番の方法 」はオカルトを「 知り尽くすこと 」(宇佐見菫子の研究、『東方香霖堂』)とされており、単にそれを「 信じない 」だけではにとりのように知らず知らずのうちにとりつかれることとなる。
都市伝説を知り、己の特性を知ればこそ、その影響から抜けられるものである様子である。
一方で妹紅は元々相性の良かった都市伝説に知らずのうちに接触し、そうとは知らないままその相性の良い都市伝説を自然と自分のものとしていたのかもしれない。
演出・性能
背中を丸め拳を胸の前で合わせたモーションをとった後画面が遷移し、笑顔の妹紅の全身カットが入る。
カットでは胸の前で両手を広げ、その間に青白い光の球のようなものが形成される。
直後、その球が勢いよく広がり、画面全体に広がると再び元の戦闘画面に戻り、同時に妹紅を中心に戦闘画面全体にも光が広がっていく。
その光の中心で妹紅は<「リザレクション」>の際と同様に髪を天にして燃え上がっている。
この光が全体に広がっている間に多段ヒットする。光が最も厚いタイミングでは、妹紅のシルエットすら見えなくなる。
この間の妹紅の体力は現存する範囲全てが白色(この場合は『深秘録』における通常の妹紅特有のシステムである<「リザレクション」>で回復可能な範囲)へと変化している。
つまり、妹紅は即死同等のダメージを追っていることになる。
光の拡散が収まり元の画面に戻ると同時期のタイミングで妹紅が<「リザレクション」>と同様に光の中から復活を遂げる。胎児の様な丸まった姿勢からモーションが始まるのも同様。
本怪ラストワードで変化した体力ゲージの白色部分もこの<「リザレクション」>で回復(再生)する。
『深秘録』時点の、「 浮世の興味 」も枯れているという妹紅が思う「 こんな世 」がどのようなものであるかは不明であるが、一方でこのラストワードで真っ先に燃え上がるのは自分であり、周辺悉皆を燃え尽くした後、爆心地中心部から再生してしまうのもまた妹紅である。
仮にこの世のすべてを燃やし尽くしても自分だけは元の様に再生することが避けられないという不死の宿命もまた表現されている。
本怪ラストワードからも、ポケットに手を突っ込んでときにぶっきらぼうに話す炎の翼を広げはためかせる少女が背負ってきた歴史がひと時垣間見られる。
表記について
本怪ラストワードについてのpixivのタグとしては、本記事題名の通り名称を挟むアスタリスク及び語尾のエクスクラメーションマークが半角となっているが、原作では<*こんな世は燃え尽きてしまえ!*>と、いずれも全角アスタリスクと全角エクスクラメーションマークである。
これはpixivのタグとして全角英数字が使用できないという仕様があるため、これに対処した表記となっていることに由来する。