お前達、これで終わったと思うなよぉ!!
CV:大友龍三郎
概要
『モンタナ・ジョーンズ』における悪役。
世界の考古学的遺産全てをコレクションしようと企む、トレジャーハンターの伊達男。
そのため、遺産を護ろうとするモンタナ一行とは常に火花を散らし、先を争い合う仲であり、同時に、彼らに命令伝達を行っているオリバー・ギルト博士に対しても、仕事(無論、財宝の奪取)の邪魔をする目障りな存在と認識している。
手下としてスリムとスラム、科学者のニトロ博士を引き連れている。
執念深いうえに強引な手段を用いることが多く、目当ての秘宝さえ手に入れば遺跡や遺構が壊滅しようがお構いなし。
その為、エジプトにおけるクフ王のピラミッドの回では、自称ガイドの子どもアーメッドに
「あんたら友達じゃないの?」
とモンタナへ問いかけた際には、
「こいつと友達になるくらいなら、ゴキブリと兄弟になった方がマシだぜ!」
と言われたこともあるほど。
長年秘宝を追いかけているためか、それなりに謎解きもできるが的外れなことが多く、しばしばモンタナ一行に出し抜かれた。基本的には、自身の推察が正しいと考えているが、モンタナ一行が別の行動をしているのを見かけると、直ちに彼らの追跡に切り替えるなど、柔軟性がない訳ではない。
服装
容貌は、普段は白いマントに黒のスーツと蝶ネクタイを着こなし、シルクハットを被っている他、右目にモノクルをしているのが通例である。
ただし、舞台となる地域によっては
- 白いスーツに白い帽子、蝶ネクタイ
- 極寒の地ではモコモコした厚手のコート、帽子
- アラビアン調やエジプト調のターバン姿
- 探検隊の定番サファリジャケット
などなど、メリッサ程でないにしろ、伊達男っぷりを見せつけていた。
またステッキを愛用しており、何かしらの機能を備えた仕込み杖である場合が多い。
例としては
- ロケット弾
- 望遠鏡
- マイク
- 小型プロペラ
- ライター
等々。
ステッキの装飾がその回に登場するメカローバーと対応していることも多く、クフ王の回を見るに、一度の冒険に複数本持参しているのが確認できる。
また、時として変装する事もある。ハロウィンの時期においては、律儀に牙を点けたり、眼もとに赤いラインを入れるなどして、ドラキュラの成りをしている。また、ギルト博士(この時点では本人を見たことが無いので、逸れっぽい格好と話し方をしていたが)に扮することもあった。
性格
気性が荒いうえに非常に短気な性格で、失敗ばかりのスリムとスラムにはステッキを振り回していつも八つ当たりしている。しかし劇中の描写からみるに、2人がちゃんと避けられることは想定済みでやっている模様(回避→頭を軽く叩くのパターンが殆ど)。
一度アルフレッドを利用して宝を見つけ出そうとした時に、「努力と忍耐ですよ」と言われてブチギレ寸前になったことがある。
そのため、スラムには「ああいう性格にだけはならないでおこう」と陰口をたたかれたこともある。
ほかには自他ともに認める寝起きの悪さはもちろん、いびきの騒々しさは筋金入り(しかもいびきは自覚無し)。金持ちのわりにかなりのケチでもあり、ニトロ博士は開発費不足に、スラムはパシリの対価がほぼ無いことに不満を抱いている。
また、躍起になると無茶な命令を出すことが頻繁にあり、ニトロ博士やスラムに無理難題を命じてはメカローバーを損傷、または大破させる原因になっている。
典型例として恐竜型メカローバー『ゴグ』が挙げられる。
飛べもしないのに飛行するケティ号に追い付けと無茶な命令を下したため、ニトロ博士は自棄になって機関部を爆発させる反動で飛ぶと言う暴挙に出た(見事飛ばして追いつかせることは成功させたが制御できずに激突、結局大破した)。
友人関係
スリムとスラムは手下として、ニトロ博士は雇い科学者(所謂スポンサー)の様な立場でいる。
また以外にも、顔が広いようで、ロシアではチェロニコフ大佐というロシア人将校の友人がいる。これについて、ゼロ卿は「世界のどこにでも、友人はいるのだ」と公言していた。
身体能力
ゼロ卿は見た目からしておそらく壮年の男性だが、そんな年齢を吹き飛ばすような身体能力の持ち主でもある。
例えば階段から推定6mの高さを飛び降りて何ともなかったり、剣術も相当達者なもの。エクスカリバーを振るうモンタナ相手にステッキ1本で打ち合ったり、後述する自分と瓜二つな容貌で剣士としても誉れ高い領主とサーベルを使って勝負を繰り広げた事もある(後者はさすがに押し負けた)。
また、アニメならではとも言えるが、メカローバーの爆発や爆弾等で吹き飛ばされてもススだらけで済む程度にはタフ。中には急降下したまま地面に激突しても無事だったこともある。
お約束
モンタナ一向の前に登場する時や標的の宝物を前にした時、奪取失敗時の台詞はシリーズの代名詞と言っても過言ではない。
「世界の考古学的遺産は、全てこの(我が)ゼロ卿のコレクションに・・・」
「ニトロ博士、事情を説明してもらおうか」
「弁解は罪悪と知りたまえ!」
「お前たち、これで終わったと思うなよォ!!」
そっくりさん?
マント・帽子・ステッキを愛用していること、大掛かりなメカを多用すること、自分が価値を見出したお宝に執着すること、似たような部下がいること(スリム&スラム、トッド&スマイリー)、そして主人公サイドに何度負けても諦めないことなど、『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授とは共通点が多い。
まあ、キャラクターデザインが同じ人なので、当然っちゃ当然だが。
また、劇中でもゼロ卿のソックリさんが登場している。
ルーマニアのとある領主はゼロ卿と本当に瓜二つの容貌をしており、モンタナ一行が初めて本物の領主と会った時は、本気で彼をゼロ卿と勘違いした(実際は本当に入れ替わっていたゼロ卿)。
領主のほうが圧倒的に穏健でフレンドリーな性格をした善良な人物で、語尾が「~だよね」になる、ゆったりした喋り方をする。
こと機械類が好きなのか、たくさんの飛行機模型をコレクションしていたり、「構造が気になるからメカローバーを分解してみたい」と目を輝かしたりするなど、好奇心旺盛で子供のような純真な性格でもある。
そのせいか、次期領主の座を狙う臣下のルべスク将軍に政治は任せっきりで、ゼロ卿を撃退するまで領民からの評価は陰っていた。
最後に
手下であるスリムとスラムの絶妙なボケ、ニトロ博士のトンデモ科学者っぷり、ゼロ卿の名言など、彼らの人気もまた作品をより面白くしていたと言えるだろう。