ストーリー
丁寧系無気力少年が異世界で転生したのは、吸血鬼の美少女だった。
剣も魔法もある異世界に、チート能力盛りだくさんで転生した主人公が求めるもの、それは――!
「三食昼寝おやつ付きで養ってくれる生活ですかね」
お前本当に主人公かよ!
理想のヒモ生活を目指す異世界ファンタジーコメディ、開幕……?
登場人物
- アルジェント・ヴァンピール
「玖音 銀士(くおん ぎんじ)」という青年が転生した吸血鬼の美少女。銀髪。性格は前期の通り、丁寧系無気力。
半分寝ながら今日もいつでもごろごろ。
初対面の相手に変なあだ名をつける癖がある(後述を参照)。
- フェルノート・ライリア
「オッドアイの聖騎士」の異名を持つ元騎士。性格は真面目。
魔物との戦闘で傷を負って盲目になり引退していたが、アルジェに治癒してもらい、別の意味で盲目に「目覚めて」しまった。
アルジェ曰く「オッドアイボイン」
- サマカー・スワロ
アレルシャの町の領主。正しく女好き。
一方で有能で人柄もよく、市民からもバカにされ‥‥もとい慕われている。
アルジェ曰く「エロキノコ」
- クロム・クライム
謎の少女。強い。
「呪い風のクロム」の二つ名を持つ傭兵だが、アルジェ曰く「つるぺたチョップ」。
自分の実力、特に速さには自信を持っていたが、アルジェに完敗。雪辱を誓っていたが、後に意外な形で再会する。
- ネグセオー
アルジェが国境の森で出会った野生馬。名前の由来はタテガミが寝癖のように見えたことから。
アルジェから「血の契約」という強化術を施されたため非常に能力が高い。
- エルシィ
強大な力を持つ吸血姫。アルジェを嫁にしようと狙っている。
昼間行動できないことを除けば能力はアルジェ以上で、さすがのアルジェも何度も苦戦しているが、現在はある事情で休戦中。
- クズハ
狐少女。
悪徳領主に騙されて母親を殺されたが、アルジェに救われる。
アルジェ曰く「首輪ノーパン」
- リシェル
ダークエルフの女当主。弓の使い手。
「古代精霊言語」という言葉しか喋れないため、普段はアルジェが通訳している。
出版
アース・スターノベル
関連項目
関連イラスト
余談(6巻以降のネタバレあり、注意!!)
実はこの作品のテーマは、
「『報われなかった人間が転生した世界で好き勝手やって報われてバンザイ』ではなく、『報われなかった人間が転生した世界で得たもので報われなかった過去と向き合う』というお話」
であることが、原作者であるちょきんぎょ。氏が「小説家になろう」連載時(外部リンク参照)及び、書籍6巻あとがきにて語っている。
事実、アルジェ達の前に、彼女の前世の「玖音家」の転生者が関わりだし、戦争の危機にまでなり、「三食お昼寝」どころではなくなっていく‥‥。
- 玖音家
様々な分野で数多くの天才を生み出した名門。
‥‥と言えば聞こえはいいが、その教育方針は歪んでいるどころではなく、才能がないと見なされれば、「家の恥」扱いして、座敷牢に死ぬまで幽閉する(銀士=アルジェもそうして死んだ一人)。しかも、大半がそれを当然としており、後述のクロガネのような人間性の欠片もない者が「普通」な極端なまでの才能至上主義な一族。
また、書籍7巻の記述によれば、玖音家の存在している世界は我々の現代日本とは違い、玖音家が世界を牛耳っている模様。
現在確認できる転生者は、銀士=アルジェを含めて以下の三人。
- アルジェ(玖音 銀士)
自分が死ぬまで幽閉されていた件は受け入れている‥‥というか、ごろごろ寝て過ごすのが大好きだったので、最低限の衣食住が保障されている座敷牢生活はむしろ悪くなかったと思っている模様。
しかし、玖音家の危険性はしっかり理解しており、玖音の転生者が世界の裏で暗躍していることに気付くにつれ、のんびりとした面は次第に見られなくなっている。
世界中に宣戦布告し、無差別に殺戮を始めた帝国とクロガネを止めるため(本人曰く「何故転生したのに玖音の生き方を続けるのか知りたい」)にアオバやフェルノートたちと共に帝国に旅立つ。
- アオバ(玖音 青葉)
シャーウッドという小国の女王をしているアルラウネ。前世では華道の天才であった。
前世では銀士=前世のアルジェに思いを寄せており、孤立していた銀士の数少ない味方であった。銀士が「出来そこない」として幽閉され、後に死亡したことを知ると後追い自殺し、転生した(本人は銀士を失った絶望から転生を断ったが、おそらく事情を知っていた転生担当の神に強引に転生させられた)。
こういった経緯から、才能を認められながらも玖音家を憎んでいる「変わり者」。
性別は変わってもアルジェのことは好きで、再会した彼女と共に脅威に立ち向かっていく。
- クロガネ・クオン
世界中に戦争を起こした帝国に所属する玖音家の転生者。
転生した経緯は不明。
天才的な技術者ではあるが、自分の価値以外に興味はなく、自分の技術により敵味方共にどれだけ死のうと気にも留めない。それどころか、自分を証明するために様々な超兵器を作り出して世界に殺戮を巻き散らかそうとしている。。
アルジェ曰く「生まれながらにして一番になることを当たり前だとして育てられた、玖音の一員として正しい生き方」。