士郎正宗
大阪芸術大学在学中の1980年ごろから同人誌活動を行い、1985年に大阪府の出版社青心社が目をつけ、雑誌掲載の経験がないまま「単行本いきなり書き下ろし」という当時としては異例の方法でデビュー、熱狂的な人気を呼んだ。
同世代の多くの漫画家と同じく大友克洋の影響を濃厚に受けているが、その大友が、士郎の漫画を発見、講談社の編集者との雑談中名前を出したところ、講談社で連載を開始(さすがに海賊版で)、というすさまじいエピソードを持つ。
「攻殻機動隊」や「アップルシード」など、サイバーパンク調の作品で知られる。1980年代はサイバーパンクがSF界を風靡した時代なのだが、本人はサイバーパンクというジャンルを結構後になってから知ったそうである。
ファンからの愛称は「シロマサ」。
また、描き込みの緻密な作家にままあることだが、寡作・遅筆である。
阪神淡路大震災での被災による生活の激変と、父親の介護などが原因で近年まで創作活動がままならなかった。
現在は成人向け雑誌などでイラストを手がける傍ら、『紅殻のパンドラ』のように原案という形で創作に携わっている。