あやちさ
あやちさ
概要
スマートフォン向けアプリゲーム『BanG_Dream!ガールズバンドパーティ』に登場する丸山彩×白鷺千聖の百合カップリング。
このふたりは共にガールズバンドパーティ(以下ガルパ)内に登場するアイドルバンド『Pastel*Palettes(以下パスパレ)』のメンバーである。
パスパレ内では、丸山彩がボーカル、白鷺千聖はベースを担当している。
二人は同じ事務所に所属しており、また花咲川女子学園の同級生でもある。
「丸山“彩”」と「“白”鷺千聖」という名前で表現されるように、それぞれのキャラクターにおいても「人に彩(いろどり)を与える彩」と「これから歩み始めるまっさらな千聖」という部分がストーリーの中でたびたびフィーチャーされる。
幼い頃から子役として活動しており芸能界の大先輩でリアリストな千聖、はたまた幼い頃からずっとアイドルを夢見てアイドル研究生を続けなんとか夢のアイドルデビューにこぎ着けた彩。
千聖はお披露目ライブが(本人たちの責任ではないとはいえ)失敗したこともあり、自分だけを信じて行動していた。
そんな彼女が、目の前の事にがむしゃらに全力でぶつかっていく彩にだんだんと心惹かれ、最終的には千聖も彩を認めた事で一緒にバンドとしての一歩を踏み出していく。
当初一見正反対に見えた二人が紆余曲折を経て認め合う関係になっていく、それがあやちさなのである。
また、バンドストーリーやイベントストーリー、果てにはカードエピソードなど様々な場面で、「彩の言葉に救われる千聖」という構図がなされている。
彩の言葉はそのどれもが単純で一見すると拍子抜けするもののようにも思えるかもしれないが、難しく考えすぎていた千聖の心のしこりを優しく解きほぐすような、まっすぐで強い言葉なのだ。
対して千聖から彩へのメッセージ性も強く、「等身大、ありのままの彩が素敵」だと至る所で口にしている。
前だけを見て努力し続ける、そんな彩に救われた千聖だからこその言葉である。
そのような千聖の想いを彩は素直に受け止めており、2章では千聖が「努力する自分」を肯定してくれたからだ、と顔を赤らめて発言している。
まさにお互いを尊敬し合いつつもお互いの足りないところを補強し合う、彩から千聖へ、そして千聖から彩への矢印が強いカップリングである。
ちなみに彩の方が千聖よりも背が高い(というより千聖はパスパレ内で一番背が低い)
※以下の項目の内容にはネタバレが含まれています※
バンドストーリー第1章~Pastel*Palettes、はじまりの物語~
アプリ内のバンドストーリーにあるパスパレストーリー第1章は、『あやちさ運命の出会い編』と言っても過言でないほど濃密に出会い~これからを描いている。
ストーリー選択で見ることのできるあらすじにて、『彩』もしくは『千聖』の入っているあらすじは17/20にも及び、さらに『彩』『千聖』の両方のワードが入ったあらすじも6/20ある。
この正反対な二人の性質がいかにストーリーを通じて重要なのかが分かるだろう。
第1話にて
まずパスパレ内において最初に顔を合わせ会話するのはこの二人である。
この時彩は千聖に対して『普段はほとんど事務所にこないのに、今日はどうしたんだろう?』と内心で語っている。
このことから、パスパレ結成以前は同じ事務所に居ながら二人の交流は殆ど無かったものと考えられる。
自己紹介において、彩は不慣れながらも自分の夢を吐露し元気よく挨拶するのに対し、千聖は手慣れた様子で芸歴アピールをしつつ当たり障りのない挨拶をする。
また、「お披露目ライブは楽器を弾いているフリをして欲しい」というスタッフの意見を聞いた際にも、彩はイヴに賛同する形でお客さんを騙したくない、本当の演奏をしたいと反論するのに対し、千聖は「楽器の練習をするよりも自分自身を魅力的に見せることに時間を割いた方が良い」とスタッフの意見に賛同する。
この事から分かるように、この時点で彩と千聖は大きく考え方に差があると言えるだろう。
第4話にて
「彩ちゃん落ち着いて。今日からあなたは研究生だった彩ちゃんではなく、Pastel*Palettesの彩ちゃんになるのよ。生まれ変わるの」
白鷺千聖にとっての丸山彩というアイドル、ひいてはあやちさというカップリングを形成付ける台詞が飛び出したのはこの第4話である。
1万人のお客さんという、これまで経験したことのない舞台で緊張している彩に対して放ったこの台詞は非常に心強いものとなり、彩は自分に対してしっかりと自信を持つことが出来た。
その後彼女達はどうしようもない事態に陥りライブは失敗してしまうが、そのトラブルまでのMCは完璧にやり切っている。
第5~9話にて
前述の失敗により千聖は自分の信条、つまり『見込みの無いものに時間を費やすより、同じ時間をかけて確実なものを手に入れる』という考えに則り、皆で集まって練習をしている時間を割き、無能なスタッフに変わって自分の足でパスパレの仕事を取ろうとするようになる。
4話以降の言動で、千聖がパスパレを抜けて個人で活動を始めようとしているのではないか?と思った人も多かったかもしれないが、千聖はこのパスパレというバンドに自分なりの将来性を見出していた。
第10話にて
千聖が珍しくレッスン室に入ってきた際、彩は「千聖ちゃん!」と非常に嬉しそうにするシーンがある。
千聖はこのエピソードにおいて「努力は結構。夢を見るのも結構。だけど努力が必ず夢を叶えてくれるわけじゃないのよ」と厳しい台詞を彩に放つ。
久しぶりに千聖に会えてウキウキしていた矢先にこの仕打ち。
また自分の今までの考えを否定されたことで彩は大きく動揺しショックを受ける。
おそらく千聖は自分が一人で苦労して取って来た仕事を『私達が努力して練習してきたおかげ』と内情を知らない彩に言われたことで、このような厳しい発言をするに至ったのだと思われる。
第11,12話にて
千聖の言葉により大きなダメージを負った彩だったが、メンバーの励ましにより再起し今度は自分に何が出来るかを考え始めるようになる。
そして『パスパレのメンバーでライブイベントのチケットを手売りしたい』という旨をスタッフに提案するのだが、この練習しているだけより行動して多くの人に認知してもらうという考え方と行動は今まで千聖が一人で行っていたものと酷似している。
彩は千聖が何をしているかを知らずとも、無意識のうちに同じ行動をしてしまっていたのだ。
なんだお前ら、相性バッチリか。
第13話にて
このストーリーを見てあやちさ沼にハマってしまった人も多いだろう。まさに最大のあやちさ回である。
雨が降りしきる中、メンバーの静止も振り切りひたすら街頭でのチケット販売を続ける彩。
そんな中、事務所に戻った3人の元へ千聖が遅れてやってくる。
ずぶ濡れの3人に驚く千聖だったが、すぐに彩がこの場に居ない事に気付く。
そしてまだ彼女が一人で土砂降りの中、チケット販売を続けているという事実を聞く。
千聖は「こういう時はスタッフさんにお任せしたほうがいいわ。この話は私からスタッフさんに伝えておくから」と残してどこか焦ったように早々と事務所を後にした。
(どうして…どうしてそこまで、あなたは…)
そんな中、彩はまだ一人でずっとチケット販売を続けていた。
ここで辞めれば、自分がずっと描いていた想い、夢…それらを本当に失ってしまうかもしれない。
それが怖くて、恐ろしい。だから、彩は一人で呼び続けていた。
「どうか……私達の歌を……」
「聞いてください!」
自分ではない声がして振り返れば、そこには千聖がいた。
千聖は彩を真っ直ぐ見つめて言う。
「雨で声がよく聞こえないわ。もっと大きい声を出さないと、誰にも届かないわよ」
「…うんっ!」
「Pastel*Palettes、よろしくお願いします!」
「お願いします!」
「「どうか、私達の歌を聞いてください!」」
二人が通じ合い、想いが重なったところで13話のストーリーは終了する。この話を見た後、あまりの衝撃に14話の解放を急いだ人も多いのではないだろうか。
まさに、本当の意味であやちさの想いが通じ合い、始まってゆくといった最高のストーリーであった。
第14話にて
いつも他の仕事で忙しそうで、さらにこの間は『努力が夢を叶えるわけじゃない』と言ったばかりである千聖が、なぜこんなただ目の前しか見えていない自分の場所に来てくれたのか?
彩の問いに千聖は「あなたのことが分からないから来たのよ。同じことをすれば、あなたが分かると思って」と返答する。
そして、千聖から見た彩という人間はどのように映ったのか問うと…
「夢に向かって、どこまでも愚直に突き進んでいく。愚直なのは、『自分にはそれしかない』と思っているから」
「それを心のどこかで自覚した上で、夢を叶えようともがき続けている……本当に、不器用な人ね」
千聖は優しく微笑みながら、それを彩らしさと評した。
事務所に戻った彩と千聖は、先程の雨の中で行ったチケット販売が功を奏したことを知り、二人の考えは間違っていなかった事が証明されたのだった。
その後日菜と千聖の会話にて、千聖がどうのような心境の変化があったのか尋ねられると「彩ちゃんが心配だった」と素直に答えている。
第15話にて
千聖が必死に動き回りパスパレの信頼回復に努めていたこと、そしてあの雨の日のチケット販売等が重なりパスパレの評判はどんどんと上がっていく。
そんな中、スタッフはそれら全てを千聖の手柄だと言う。
しかしそれに対し千聖は「Pastel*Palettesのメンバーは私だけじゃありませんから」と蔑むような眼で冷たく言い放ち、その場を後にした。その時千聖の脳裏に浮かんだのは、メンバーが言っていた彩の頑張りがファンの皆に届いたという言葉であった。
そして千聖がとうとうレッスンルームに顔を出し皆と練習していくと決めた際、彩との会話で
「私も千聖ちゃんがどんなことを考えてるのか、まだ、全部はわからないよ。でもそれは、これから知って行けばいいことだと思うから。……千聖ちゃんが、私という人間を知ってくれたように」
「彩ちゃん……」
というものがある。なんだこの空気 君たち付き合ってるの?
第16話にて
千聖は麻弥から『努力が嫌いなのではないか』と聞かれるが、千聖にとって“努力は当たり前のもの”、“それだけを信じていたらそれが裏切られた時、何も信じられなくなる”と答える。
しかしあのチケット販売での出来事やその後付いてきた結果、そして彩のひたむきな姿を見て、
「彩ちゃんを見ているうちに、信じて見たくなったのかもしれない。『努力』をね」
と千聖の心境が『あんなに何もできなくて、本番にも弱くて、すぐ泣くようなあの子』によって当初とは大きく変えられているという事が分かる。
メンバー全員でのレッスンが本格的に始まり、変わったことは彩と千聖の口論であった。
彩も千聖も少しずつお互いに意識を変えられたとはいえ、元々考え方に違いがあった二人なのだから意見も合わなくて当然なのだが、この口論は日菜の口ぶりからしてほぼ毎回のように行っていると考えられる。
しかし少し話し合った後、彩がすぐに折れていることからおそらく口喧嘩での勝率は千聖の方が高いようだ。
彩は千聖と話すようになって、自分と千聖の目指すものは一緒だったのではないかと感じるようになる。
それに対し、千聖も「……ようやく気付いたのか、と思って」と返し、また彩がその事に気付いてくれたことが嬉しいとも話す。
ようやく彩に対し素直になる千聖であった。
第17話にて
メンバー同士の距離が縮まり、さあこれからという中、スタッフから『楽器演奏は任せるがボーカルは録音したものを流す』と告げられる。
それに対し千聖は、
『またスタッフ側のミスで音声が止まったら一体どうするのか』
『彩を動揺させない為の策が彼女を一番動揺させている』
…と明らかに攻撃的な態度と言葉を返す。
これに関しても、当初スタッフの意見に素直に従っていた千聖とはかけ離れていることが分かる。
千聖は『彩ちゃんは一人にする時間が必要。今はそっとしておいた方がいい』と何故か突然彩の事を誰よりも知っているような口ぶりで皆に注意を促した。
第18,19話にて
レッスンルームにて一人『ステージで歌えない』と告げられたことに対し、悩む彩。
そんな折、先程彩を一人にさせようと言っていた当の本人が、突然部屋に入ってくる。
何故この場所が分かったのかという彩の問いに、
「あなたなら、絶対ここにいると思ったの。……努力と練習が好きなあなたなら」
と返す千聖。本当に彩ちゃんのことよく知ってますね。
彩の努力と夢の話、そして挫折しかけている今の素直な気持ちを聞いた千聖は、自分と彩の考え方の違いを告げる。
しかしそれは『白鷺千聖』の考え方であり、自分の知っている『丸山彩』はそんな考え方はしない、と。
第4話にて『研究生だった彩ではなく、Pastel*Palettesの彩になる』と告げた言葉は、『どんなことがあっても自分らしくいて欲しい』という言葉に変わってまた彩の心を突き動かすのだ。
その後千聖の言葉で再び自信を取り戻した彩は、スタッフに「やっぱり歌わせて欲しい」という想いをぶつける。
メンバー全員、そして当然千聖もそれを承諾し、見事彩はステージでマイクを握ることを叶えたのであった。
窮地に陥った丸山彩に発破を掛け奮起させる時、そこにはいつも千聖がいる。
第20話にて
本番前の舞台裏、ここまできてまた緊張し出す彩に対して「彩ちゃんらしい」と評する千聖。
しかし千聖はこの『らしさ』を彼女の強みと見ている。
そしてライブ本番。
1曲目が終った後のMCで自分の想いを観客に伝え、暖かい声援とイジりを受けたじろぐ彩だったが、そこにすかさず千聖が割って入る。
その後ライブは大成功を収め、楽屋で彩は千聖に向き合い話し始める。
「千聖ちゃんの……みんなのおかげで……私は最後まで私でいることができたよ。……本当に、ありがとう」
最初に名指しで『千聖ちゃん』と言ってしまっている辺り、彩にとってフォローしてくれた千聖の存在は隠しきれない程大きなものになっているという事が見て取れる。
「私は何もしてないわよ。私は、最後まであなたを……『丸山彩』を信じてよかったと思ってる」
「……ありがとう」
白鷺千聖という女が、完全にデレた瞬間である。
二人の間で重要なキーワードである『自分らしく』を最後まで貫いた故の大成功であり、それをお互い信じ続けていたことに対しての「ありがとう」……このシーンが非常に胸に刺さった人も多かったのではないだろうか。
こちらこそ、こんな最高のシナリオをありがとうございました。
そしてメンバー全員はしっかりと抱き合いながら、この様々な想いの詰まったパスパレのライブに、幕を下ろしたのであった――。
あやちさ、推せるな!!!
イベントストーリー
あゆみ続けた道、彩られる未来(2017年5月31日~)
・エンディング~私が目指すもの~
何がきっかけとなって子役の仕事を始めたのか、あまりに昔のことすぎて忘れてしまったという千聖。
だから彩のように原点があったり、それを大切にしている人がうらやましくもある、と少し寂しそうな千聖へ、彩は…
「それなら、PastelPalettesを千聖ちゃんの原点にしようよっ!」
「いつか千聖ちゃんが、胸をはってここが自分の原点だって言えるような場所にしていこうよ!」
明るく提案する彩の言葉に、「…そうね。ありがとう、彩ちゃん」とにっこり笑顔を浮かべる千聖であった。
つぼみ開く時(2017年7月21日~)
・第1話~嵐のはじまり~ ・第3話~できること、できないこと~
千聖の舞台稽古の現場を見学しにやってきたメンバー。
いつもとは違う、役に入り切った千聖の姿に感心する面々の中、すぐに彩はいつもと違う千聖の様子に気づいた。
その後千聖を除くパスパレメンバーで話し合っている場面でも、千聖の様子について話題にあげており、彩一人だけが千聖の異変に気づいていた(他3人は彩の言葉を受けて「そういえば…」というふうに思い返している)ともとれる描写がされている。
パスパレ探検隊~無人島を征くアイドル~(2017年9月21日~)
・第2話~ミッションスタート!~
「食料を探しに行く班」と「待機班」の二つに分かれることになり、日菜の言葉によっていつの間にか待機決定となってしまった彩。
その際率先して「私は彩ちゃんと一緒に残ろうかしら。彩ちゃんに何かあったら心配だから」と言ったのは千聖であった。
(その後のイベントにおけるエピソードにて千聖が運動嫌いであることが示唆されるため、この時の言葉はもっともらしい理由をつけてなんとか待機班へと潜り込むためであった可能性も高い)
譲れない想い、燃えるブシドー(2018年4月10日~)
・第2話~怪しい雲行き~
ライブのMCにて、練習を頑張ったにもかかわらず話題の順番を間違えた彩は、とっさに千聖に助けを求めている。
このような困った時「千聖ちゃ~ん!」と泣きつく彩というのは、もはやいつもの光景である。
・第4話~大切なもの~
先日の失敗を踏まえてこの日もMCの練習に励む彩だが、なんと千聖がその練習相手として2時間も付き合っていた。
何度も延々と同じ話を聞く千聖…出会ったころ(第1章参照)では絶対に考えられない行動である。
夢に続くプロムナード(2018年9月20日~)
このイベントは千聖と花音の友情を描いたイベントなのだが、なぜか直接関係のないはずの彩までちゃっかり登場している。
千聖と花音を心配しながらこっそり尾行する彩を見ることができる。
ふゆぞらマルシェ(2018年12月10日~)
こちらのイベントでははぐみ、ひまり、りみ、イヴと共にフリーマーケットへの出品を行う千聖の姿が見られる。
千聖は後輩4人の様子を見ている際、「いつもパスパレで彩ちゃんを見ているときの気持ちに近かったかもしれない」といきなり彩の話題を出してくる。
「彩さんっていつもこんな感じなんですか?」と質問するひまりに対し、「みんなと同じくらい危なっかしくて目が離せないの」とまるで恋バナのようなトークが繰り広げられる。
バンドストーリー第2章~もういちどルミナス~
第1章ではパスパレ結成時の彩と千聖の衝突・心の交流がメインに描かれていた。
そして続く第2章ではさらにこの二人の関係性が丁寧に描かれており、あまりに濃厚な“あやちさ”ストーリーを目の当たりにしたことで「これは公式なのか?」と現実を疑うあやちさファンもいた。
ストーリーそのもののネタバレを最小限に抑えるため、本項目では第2章からあやちさの部分のみかいつまんで紹介する。
詳しいストーリーはぜひご自身の目で確かめていただきたい。
あらすじ(公式サイトより)
アイドルとして順調に活動を続けるPastel*Palettes。
大きなアイドル合同ライブへの出演が決まっていた一同だったが、突然事務所の活動方針が大きく変わり、ソロ活動が中心になってしまう。
それぞれがパスパレでいたいと思う理由。彼女たちの夢…。
5人はバンド存続のため、その答えを探す。
第9話~千聖の見る夢~
「あゆみさんを超えるアイドルになる」
まっすぐで変わらない夢を幼いころから追い続け、走り続けてきた彩。
そんな彼女とは対照的に、ずっと夢を見ることを無意識ながらに避け、叶える道筋が見えそうな目標しか持ってこなかった千聖。
そうやって生きてきた千聖はパスパレのメンバーとして活動していく中で、いつの間にか「私も夢を見たい」と考えるようになっていた。
そんな千聖は、彩に問いかける。
「結局、安全で確実な道をいつも探してる。私なんか、夢も持てないつまらない人間なのよ。ねえ、彩ちゃん」
「夢って、どうしたら持てるようになるのかしら?」
その問いへの返答として、彩は何とも彼女らしい、そして優しく希望に満ちた言葉を千聖に贈るのであった。
力強い彩の言葉に、思わず千聖は涙を流した。
そして…
「ありがとう、彩ちゃん。…最後に、もう1つ聞いてもいい?」
「うん。何?」
「あなたの夢は、どうやったら叶えられるの?」
「努力!努力すれば、夢は叶うからっ!」
第1章のころからずっと変わらない“丸山彩”のスタンス。
そんな彼女の生き方に、白鷺千聖という人間は救われたのである。
彩もまた、「そんな私でいろって最初に言ってくれたのは、千聖ちゃんだよ」と嬉しそうに言葉をこぼす。
そしてその直後に出現するスチルでは、日々の疲れの影響と安心したことで気が緩んだのか、なんと千聖が彩に寄りかかって眠るという破壊力抜群のツーショットが描かれている。
このイラストはパスパレ2章追加時にガチャに実装された恒常カード『白鷺千聖/星4/夢に続く道』の特訓前イラストとして使用されているため、あやちさファンにとっては必ず手に入れておきたいカードとなっている。
第13話~それでもパスパレが好き~
彩と千聖二人での帰り道、千聖は彩に向かってこんなことを言う。
「夢を与えるアイドル…あゆみさんを目指して、そうなりたいって言っていたわよね」
「案外、もう近くまで来ているかもしれないわよ」
「えっ!?そ、そんなこと…」
「あなたは、私に夢をくれたもの」
「———ありがとう、彩ちゃん」
千聖にとって彩とは、“自分に夢を与えてくれた存在”なのである。
その後、千聖の「あなたが夢を見て、私が道筋を作る…そんな風に、パスパレを進めていくのもいいかもしれない」というモノローグが入る。
まさに彩と千聖は、パスパレにおける“熱血主人公”と“冷静なライバル”ポジションなのではないだろうか。
正反対ながらお互いを認め合い、支え合い、そして互いの生き方に大きな影響を及ぼしているのである。
カードエピソード
彩
星2『全力応援』
・エピソード「嬉しいファンレター」
「頂いたファンレターには基本的に返信するのが自分のポリシー」と言った千聖。
普段から顔を合わせているにもかかわらず、彩は千聖からの返事がほしいとファンレターを書くことにノリノリである。(あまりにも彩がグイグイ行くので千聖は若干引き気味である)
しかし、その後は千聖へ届いた一般の人からのファンレターを、二人で仲睦まじく読んでいる。
・メモリアルエピソード「千聖に送ったエール」
千聖の舞台稽古を見学した感想を新人スタッフに語る彩。
彼女は「千聖ちゃんには内緒にしていてくださいね」と念を押したうえで、“目の前のことに全力で、諦めないで頑張る姿”が自分と重なり、周りから見た自分もあんな感じだったのかなと思った、と語る。
千聖の頑張りを間近で見たことで彼女の“努力”を改めて感じることができた彩は、「もっともっと頑張らないと」と決意を新たにする。
正反対のように見える彩と千聖だが、根本的なところはとても似た二人であることを再度丁寧に描写したエピソードと言えるだろう。
星2『本気・待機……』
・エピソード「人生相談」
無人島ロケ中、食料を探しに行ったイヴ・麻弥・日菜の帰りを待つ彩と千聖の一幕。
そわそわと不安がる彩に落ち着くよう優しく諭す千聖は、「なんの役にも立てていない」という彩の相談にも親身に乗ってあげている。その様子はまるで幼い子供と母親のようである。
「私の得意なところは私が、彩ちゃんの得意なところは彩ちゃんに、そうやってお互いに協力すればいいのよ」
「だって、今の私達は一人じゃなくて、パスパレっていう、1つのグループなんだから」
星2『煌めくステージへ』
・エピソード「認めてくれてる……?」
新衣装の完成品を一足先に確認する彩と千聖。
二人は新しい衣装を眺めながら、色々あった今までのことに思いを馳せる。
彩の「最初のころより頼りになるようになったかな?」といった問いに苦笑いで黙り込む千聖であったが、「どうしても困った状況になったら私に話を振るように」と彩に手を差し伸べる。
以前のすべて一人で解決しようとしていた千聖ならば言わなかったであろうセリフ、そして彩と千聖の距離があきらかに縮まったことを知ることができるエピソードとなっている。
星2『初めてのラテアート』
・エピソード「オーラを出すには?」
「オーラがすごい薫さんのように人目を引くにはどうすればいいか」と悩む彩へ、千聖は「そんなに気にする必要はない、彩ちゃんは十分人を惹きつける魅力を持っている」と説得をする。
千聖は彩のどのようなところが魅力となっているかを、懇切丁寧に教えてくれる。
千聖の言葉を受けて元気を取り戻した彩の様子を眺め、千聖は「その意気よ、頑張って」と優しく応援するのであった。
・メモリアルエピソード「100点を目指して!」
花音と千聖のお出かけにこっそりついていったことで、千聖におとずれた変化を実感した彩。
「千聖ちゃんは、確実な方法をちゃんと見つけて進んでいける人なんです。それが、千聖ちゃんのカッコいいところだって思うんですけど」
「でも、最近の千聖ちゃんは、遠回りすることも楽しんでそうだなって」
「はぁ~…千聖ちゃんって本当にすごいなあ」
千聖のことをよく見ており、さらに千聖を心から尊敬している彩だからこそ漏れた心の声といえよう。
星3『オーエス?オーエス!』
・エピソード「盛り上げ担当」
帰り道が偶然一緒になった彩と千聖。
彩は千聖へ進んで「一緒に帰ろう」と言ったり、「来年は一緒にチアに立候補しよう」、「一緒に応援しよう」と、やけに“千聖と一緒にすること”を強調する。
星3『SNS映え?』
・エピソード「いざゆけ日本全国!」
「日本中の人がパスパレを好きになってほしい」という夢は大きすぎるか、と言う彩に対し、「やるからにはそのくらいの意気込みが必要」、「どうせなら世界中の人にファンになってもらうくらいの気持ちでいきましょう」と彩の夢を肯定する言葉を述べる。
現実主義者である千聖が彩の大きな夢を認めたことで、彼女から受けた影響の大きさがわかる。
「頑張りましょうね、彩ちゃん」「うん、これからもよろしくね、千聖ちゃん」と笑顔で言葉を交わす二人によって、このエピソードは締めくくられている。
千聖
星2『ステージ』
・エピソード「衣装について」
千聖のアイドル衣装を着たがる彩が描かれたエピソードである。
星2『アイドルのルール』
・エピソード「価値のあるサイン」
千聖は日菜との会話中、「壊したり、傷つけたり」というワードから日菜と共に同じ人物を連想してしまう。
「彩ちゃん、大丈夫かしら?どんなに気をつけていても、失敗する子だから…」
「彩ちゃん、勝手に物に触ってはダメよ!」
…お母さんですか?
星2『煌めくステージへ』
・エピソード「パスパレの自分」
日菜から「何か面白いことないの?」と半ば無茶ぶりのような話題の提供を要求された千聖は、最初は悩んでいたものの、彩の起こした事件について話し始める。
ことあるごとに彩のことを思い出してしまう千聖、良い意味でも悪い意味でも彩から影響されているのでは…。
星3『目指す道のり』
・エピソード「みんなと一緒に上へ」
考え方の相違があらわになるたびに、毎度のように遠慮なく口論する(主張し合う)彩と千聖。
第三者である麻弥は「それもお互いを信用している証拠」だとみているようである。
また、彩と話しているときの千聖は“すごく活き活きしている”と話す。
麻弥は彩と千聖の関係性を“同じ目標を見る仲間”、また“切磋琢磨しているいいライバル”と表現し、そういうことを千聖は嬉しく感じているように見えたと言う。
千聖も自覚こそしていなかったものの、麻弥に指摘されたことで「今まで一人で取り組むことが多かったから、その通りなのかもしれない」と肯定している。
しかしながら、最後に…
「もし、本当に彩ちゃんが私のライバルなのだとしたら、もっと上に登ってきてもらわないとね」
と、なんとも余裕そうな笑みを見せるのであった。
・メモリアルエピソード「努力が報われるとき」
初期のあやちさについて千聖視点から分かりやすくまとめたような、かなり重要度の高いエピソード。
千聖は、パスパレ結成当初、彩に対して辛らつな言葉を放ってしまったことを自嘲気味に、新人スタッフへと話して聞かせる。
その言葉は現実を突きつけただけであり決して間違ったものではなかったと言いつつも、深く落ち込んでいた彩の姿をよく覚えていると語る。
それでも、努力をやめなかった彩がどれほどまでに多くの人の心を動かしたか、時折「ふふ…」と幸せそうな笑みを漏らしつつ、詳しく語ってくれるのである。
「地道な努力は誰かが見ていて、その努力が報われることもある…」
「彩ちゃんを見ていたら、そう思えるようになったんです」
「今の私があるのは、あの時の彩ちゃんの言葉と…」
「それを支えたパスパレの仲間達のおかげですね」
星3『真っ白な居場所』
・メモリアルエピソード「バタフライエフェクト」
新人スタッフは道端で偶然千聖に出会うが、その時の千聖は携帯の写真を見ながら、ひとり「ふふ…この写真の彩ちゃん、いい笑顔ね」と呟いていた。(そう言う本人もとてもいい笑顔である)
星3『本気・パニック』
・エピソード「あの時、小屋の中で」
彩の星2カード『本気・待機……』と同じく、小屋の中でイヴ・麻弥・日菜を待つ彩と千聖のエピソード。
彩は唐突に千聖へ「何か悩みはないか」と問いかける。
「いつも私が、相談に乗ってもらってるから、千聖ちゃんは、相談したいことないのかなって思って」
あらゆる場面で出てくる、彩の“千聖に頼られたい”という思いも、このセリフから読み取ることができる。
この会話の後、小屋の中に虫が出てきたことで二人は一時騒然としてしまうのだが、この時パニックに陥った彩の言葉が
「わ、私が、千聖ちゃんをま、ま、守るから…っ!!」
というもの。“千聖に頼られたい”という思いが完全に空回りしている彩である。
星3『素敵なおそろい』
・エピソード「デジャヴ」
はぐみ・ひまり・りみ・イヴと共に出たフリーマーケットについて、パスパレのメンバーに話して聞かせる千聖。
「千聖ちゃんがパスパレにいる時くらいリラックスしているなんて珍しい」と言う日菜に応えるように…
彩 「え?え?ど…どうしてみんな、私の顔をじっと見てるの…?」
千聖 「きっとみんなの危なっかしさが、どこかの誰かに似ていたからかもしれないわね」
星4『お泊まり会』
・エピソード「天才とは」
いつものようにエゴサーチをする彩に話しかける千聖。
この間行われたお渡し会イベントに来たファンの反応を見て、彩は千聖の“細かいところに気づく対応”を“気配りの天才”と評する。
その言葉を受けた千聖は内心「天才というのはもっと孤独なものだろう」と思いつつも、彩へ「天才とはどういう意味なのか」「あなたにとっての天才とは」「秀才と天才の違いとは」と尋ねる。
ゆっくりと思考を巡らせながら自分なりの考えを述べる彩の返答を聴きつつ、「それじゃあ、私は…」と切なげに心の中でつぶやく。
しかしその次に彩が発した言葉は、「パスパレのみんなって、私から見ると、みんな天才だな、って思う!」というものであった。
「千聖ちゃんは気配り、というか人のことをよく見て、その人が何を求めてるのかをパって感じ取るセンスがすっごくあるんだと思う!」
「そういう部分って、積み上げてもできるものじゃないと思うし。だから、私にとって千聖ちゃんは気配りの天才!」
彩の言葉を聞いて「そういう考えもあるのか」と感心した千聖は笑みを漏らし、「ありがとうね」と素直にお礼を言う。
「さっき彩ちゃんはみんな天才だって言ってたけど」
「彩ちゃんはきっと、『一生懸命の天才』ね」
・メモリアルエピソード「凡人の考え」
自分を理解してくれる人間とだけ付き合っていても甘えのような気がする、と新人スタッフに話す千聖。
その具体例として挙げたのは、パスパレが結成された当初の自分と彩のことであった。
最初は彩のことを「なんでこんなに愚直なんだろう」と全く理解できなかったが、一緒に活動していくうちに少しずつ理解できるようになったこと。
今でも彩とは真逆の考え方だが、それでも、「そういう考え方もある」と認められるようになり、あらためて気づかされることもあったということ。
だから、理解できない人や共感できない人との対話にはきっと意味があるんだという千聖の言葉は、同カードの左エピソード「天才とは」の内容を踏襲したものとなっている。
衝突から始まった彩と千聖の歩み寄りが綺麗に描かれたエピソードと言えるだろう。
その他の供給
ショートアニメ『ぱすてるらいふ』第1話
「ぱすてるらいふ」は、パスパレのみが出演するショートアニメとなっている。
しかし実際に見ていただけると分かる通り、パスパレアニメの開幕を飾る記念すべき第1話であるにもかかわらず、出演キャラクターは彩と千聖のみ、終始二人っきり(+モブキャラクター)である。
しかもその内容も、彩と千聖が二人でショッピングをすること、そしてラストでは千聖から彩への激重感情モノローグが入るなど、なかなかにあやちさ成分の濃いストーリーであった。パスパレアニメなのに…
ちなみに第1話以外はパスパレメンバー全員が登場している。ますます「なぜ第1話だけ…?」と思わざるを得ない。