「 皆さん! 一緒に……南極に行きましょう!! 」
CV:花澤香菜
概要
多々良西高校に通う高校二年生。祖母の家で暮らしている。
3年前に観測隊員として向かった南極で行方不明となった母・貴子の面影を追い、南極に行くことに青春を懸けている変わり者。南極行きのための軍資金として、いくつものアルバイトを掛け持ちして稼ぎ出した100万円という現金を、封筒に入れてお守りのように持ち歩いている危なっかしい女子高生。
ある日の帰り道にその封筒を落っことし、現場を目撃して封筒を拾ったマリが接触してくる直前には、学校のトイレに篭もってドアに当たり散らしながらすすり泣くという残念っぷりを見せつけた。
熱意が仇となって、校内では陰口を叩かれながら敬遠されており、「南極」というあだ名を付けられいる。何が何でも南極へ行くという強固な意志を称賛されたこともあるようだが、同行できるかを問うては去られる、ということを一度ならず経験しており、旅に出るきっかけを探していたマリの覚悟を試すように、砕氷艦の下見をするという広島までの道を示す(※ 地元は群馬)。
劇中でもモデルとしてスカウトされるほどの美貌を持ち、不敵な笑みを湛えながら強情を張る姿は、知性派で頼りがいのある風格を備えているかのように視聴者に錯覚させるには十分――だったが、その実態はかなりのうっかり者。
一大決心を嗤った周囲に対する復讐心混じりの気炎を吐き、自信に満ちた態度を見せたかと思えば、その生き様は出たとこ勝負もいいところで、観測隊に取り入るためにマリや日向をあてにして雑な「作戦」を立てたり、「敵」と認識していない人々の前では人見知り全開でアガってしまったり、船に乗り組む名目であるはずのリポート番組「南極チャレンジ」の撮影ではまるで使い物にならなかったりと、得手不得手が極端で脇が甘い。
意地だけは人一倍強く、観測隊の面々に顔を覚えられるまで食い下がってきた。どれだけ馬鹿にされても挫けない精神力と、これと決めたことは曲げない思いの強さだけは本物である。「性格の悪さ」については自認しており、友人が相手でも歯に衣着せない物言いをするため、気遣い屋の日向とは何度もぶつかることになる。
女子高生4人組の南極行きを牽引する中心人物ではあるものの、有り余る行動力に比して致命的に周到さが欠けているため、第2話にして日向(と賛同したマリ)からリーダー解任を言い渡されており、「南極チャレンジ」でもカメラの前では役立たず同然になってしまうことから、とうとう「ポンコツ」扱いされ、「台本が無いほうがマシ」とも評されている。
大のペンギン好きで、南極に到達してからは目と鼻の先に接近したペンギンを相手に我を忘れることも多い。昔から母の相手をしていた麻雀に関しては、年長の隊員たちをも蹴散らす実力者。
せっかく貯めた100万円を紛失して計画が狂いかける、色仕掛け(※自分以外の)で南極観測隊に潜り込もうとする、日向のパスポートを預かっていたことを忘れて騒動になる、自分で決めておきながら洗濯当番を忘れる――などなど、主役同然の立ち位置のわりには人間としての株が下がる話題に事欠かない。
こんな体たらく故、一部の視聴者からクールビューティをもじってフールビューティと呼ばれている。
しかし性根は(やや捻くれているものの)真っ直ぐであり、周囲の嘲笑を受け流しつつ、いつか見返そうと努力を続ける根気、100万円を投げ出してでも「4人での南極到達」を最優先にするお金の使いどころ、見知らぬ相手に対して友達のために啖呵を切る情の厚さなど、強い気概を見せる場面も多い。
特に正義感に関しては人一倍強く、人の気持ちを傷つけた相手に対しては許したくないという思いを強く持っている。
南極のブリザードの中で消息を絶つことが何を意味するのかは理解しているものの、気持ちは母を送り出した時のまま、帰ってくるのを待っているかのような宙ぶらりんな状態が続いており、気持ちに決着をつけるために南極を目指してきた。
観測隊のリーダーである吟とは幼い頃から面識があり、距離感は微妙なもの。「報瀬には吟の魂を継いでもらいたい」と言う貴子が意図して二人きりにすることも少なくなかったせいか、傍から見ればよく似たところがあり、視聴者からも「不器用な父と娘を見ているようだ」との声が挙がっている。
関連イラスト
関連項目
小渕沢報瀬…誤表記