作品解説
2002年にフジテレビ系で放送されたTVアニメ『ラーゼフォン』の劇場版。2003年4月19日に公開された。
TVシリーズの映像に新作シーンを加えて編集して纏めたいわゆる劇場版総集編作品であり、基本設定やストーリーの大筋はTVシリーズと同じだが、再構成するにあたってTVシリーズ本編のわかりにくさの原因であった複雑怪奇な人間関係や難解な設定をバッサリと整理し、物語本来の主軸たる『神名綾人と美嶋遙のラブストーリー』としてシンプルに一本化しているのが特徴である。
特に結末はほぼ別物と言っても過言ではなく、TVシリーズとは全く印象の異なる作品となっている。
物語
西暦2012年12月、東京。
夕日が差し込む教室で、美嶋遙と神名綾人は2人だけで話をしていた。そこに、1人の女生徒、朝比奈浩子が入ってくる。彼女は手に持った手紙を隠し、去っていった。
その直後、帰省するため家族と東京を離れた遙の目の前で、信じられない光景が展開していた。東京が、絶対障壁の半球に覆われていく。予期せぬ綾人との別れに、遙は絶叫する。
その3年後、東京。綾人が、そして全く変わらない何もかもがそこにあった。そこでは東京以外の地球全土が滅亡したことになっていた。綾人は遙のことを忘れられずにいたが、その記憶も薄れつつあった。そんなある日、東京が謎の敵の空襲を受ける。
破壊されていく街をさまよう綾人は、その中で遙の幻を見た。それに導かれるように、彼は1人の女性、紫東遙と出会う。そこから何かが再び動き出す。
関連タグ
- 鏡の国のアリス:本作で紫東遙が本作の一節を朗読するシーンがあり、その一節の解釈の仕方が本作のキーポイントの一つになっている。