概要
Windows XP (ウィンドウズ エクスピー)とはMicrosoftが2001年に発表したWindowsシリーズのOS。Windows2000/WindowsMeの後継。
先代のOSであるWindows2000は安定性が高いが、マルチメディア機能や9x系との互換性が不十分であるということで一般ユーザーへの提供は先送りされていた。WindowsMeは9x系専用ソフトとの互換性が高いが、カーネルに問題があり極めて不安定であった。
これら両者の問題を解決すべく、Windows2000をベースにMeの機能を取り込む形で拡張されたのがWindowsXPである。このOSの登場によりWindows9x系と、WindowsNT系との統合がなされ、マイクロソフトは長年の懸案であった 9x系の終息をなすことができた。
本バージョンの登場時期は、ブロードバンドインターネットの普及期に当たる。そのため、インターネットを通じてコンピュータウイルスなどの悪意のあるソフトウェアや、不正アクセスもかつてない規模で蔓延し、その多くがWindows固有の脆弱性を標的にしていた。当時のWindowsにはセキュリティソフトの導入は必須と言われ、「Macにはコンピュータウイルスが(ほとんど)無い」ことを理由にMacintoshに乗り換える法人や個人ユーザーが出てくる始末だった。その結果、マイクロソフトはセキュリティ機能の強化に追われ、後継OSのリリースは遅れてしまった。
2006年にようやく登場した後継のWindowsVistaも、高機能なGPUを要求し当時のローエンドのパソコンでは満足に動かなかったため、2世代後のWindows7が普及するまで、実に10年近くもの間XPがWindows系OSの事実上の主力として君臨。Home Edition および Media Center Edition のサポートは2014年4月9日まで継続された。一般消費者のPC向けOSのサポートが12年も続くのはきわめて異例のことであった。
Microsoftの公式サポート終了後も、スタンドアローン(ネットに接続しない)で使用されていることがある。ただし、たとえネット接続していなくとも、USBメモリ経由などであっという間に感染するので注意(これはウィルス防護の仕組みが後発のOSよりも根本的に劣るのが大きな理由)。用途によっては、Linuxをインストールすることでマシン自体を再利用することもできる(必要なデータは事前に別のマシンへ必ず移しておくこと)。
XP は「経験、体験」を意味する eXPerience に由来する。開発時のコードネームは Whistler(ウィスラー)と呼ばれていた。
Pixivでは「OSたん」、「OS娘」、「擬人化」タグなどと一緒に付けられることが多い。
種類
主に以下の3種類が日本国内では広く使われた。
Home Edition
一般家庭での使用を前提とした物で基本的な機能を使用可能。イメージカラーはグリーン。
Professional
上級ユーザーあるいはビジネスでの利用を想定したHome Editionの上位に位置するタイプ。ファイルシステムの暗号化など高度なセキュリティ機能を備えている他、リモートデスクトップのホスト機能などを備える。イメージカラーはブルー。
Embedded
組み込み用途向けエディション。専用の構築ツールを利用することで必要なOSの機能をカスタマイズでき、搭載製品の構成や用途に応じたOSパッケージの作成が可能。なお通常のパソコンにインストールすることも出来ないわけではないが、非常に手間がかかる上、入手も難しいので個人用パソコンで使うことはまず無い。ただしOSのファイルサイズは非常に小さい。
Home、Professionalのサポートは既に終了しているが、こちらEmbeddedはサポートが継続されているのでアーケードゲームの基板、POSシステム、ワンマン運転用運賃表示モニターなどで今も広く使われている。
余談
実は64bit版(Windows XP Professional x64 Edition)もあったが、OEMとDSP版だけで一般向けには販売されず、当時のパソコンの性能では32bit版でもこと足りたことと、互換性にも問題があったため、あまり広くは使われなかった。
関連タグ
WindowsVista Windows7 Windows2000
関連イラスト
ありがとうXP