金閣寺の一枚天井とは、東方projectのキャラクターである蓬莱山輝夜が東方文花帖で使用するスペルカードの事である。
一枚天井とは
金閣寺の最頂部の天井は、一枚の巨大な楠の天井で出来ていると言われていた。この事は浄瑠璃等でも題材になる程の有名な逸話として語られている。
しかし1955年の再建時に、この天井は一枚板ではなく元々複数の板を組み合わせた鏡天井である事が明らかになった。
とはいえ、複数の板から構成した天井を丸ごと金箔で染めてしまえば、それはまるで一枚板の天井にしか見えなくなるであろう事から、そのような逸話が生まれ信じられてきたというのも無理からぬ事であろう
東方文花帖での一枚天井
レベル9のシーン6で挑む事が出来る。クリア枚数は7枚。
黄金の天井を思わせる横一列の黄色の丸弾を左右にポンポンと交互に出し、それに加えてランダム性と密度の高い、4方向に飛ぶ回転するバラ撒き丸弾を一緒に放ってくる。
横一列の丸弾の幅は、画面の半分に行くか行かないか程度のものである為、撮影して弾幕を消さない限り非常に狭い場所でバラ撒き弾を避ける事になる。
第一段階は緑の丸弾で、速度は中程度。時計回りに回転する。
残り4枚からが第二段階で、第一段階の状態に水色の丸弾が加わる。回転は反時計回りである。
残り2枚になると更にそこに青の丸弾が加わる。緑の丸弾よりは若干遅く、また回転は時計回り。
そして地獄の残り一枚。更に紫の丸弾まで加わる。青と緑の中間程度の速度で、回転は反時計回り。
このように残り撮影枚数が少なくなるにつれてバラ撒き弾の密度がドンドン高くなる。速度も回転方向も違うバラ撒き弾を、黄色の天井状丸弾をかわしつつ最高4パターンも避けながら撮影しなくてはならない鬼畜難易度。
フィルムのチャージが追い付かずに被弾したり、撮影の為に潜り抜けるうちに追い詰められ被弾したりと難易度の高い文花帖の中でもその難易度は群を抜いており、ルナシューター(東方の本編STGにて最高難易度であるLunaticを普通にクリア出来る者達)と言われる熟練プレイヤーと言えども、成功まで3桁費やすと言われている。
勿論、普通のプレイヤーではそれ以上費やすのは言うまでも無い。
しかしその余りの難易度に取り付かれ、このスペルに魅せられた人も少なくはない。
彼らの合言葉はただ一つ…「漢は黙って金閣寺」
尚、後にグリモワールオブマリサにおける魔理沙の記述から、実際に輝夜自身が一枚天井を両手で持ち上げて投げつけるスペルカードだと言う事が判明した。
よくまぁ連続であんなでかい板を投げられる体力があるものである、流石は蓬莱の民か。魔理沙によるとこのでかい天井を持ち上げて見せびらかすらしい。姫様パねぇ。
他のお宝については普段仕舞ってある場所をやたらと知りたがっていた魔理沙だが、この一枚天井については「邪魔だからいらない」との事。まあそりゃそうだ。
ちなみに輝夜のスペルカードは、蓬莱の玉の枝の扱いを見るに名前に「神宝」と付いたものが実際にお宝を所有しているもので、「(新)難題」とついたものが実物を持っていないもの、と思われる。
その推測から考えるとこの一枚天井も偽者かレプリカという事になるだろう。また、前述のように実際の金閣寺の天井は一枚板ではなかったので実物は存在していない事になる。
・・・まあ幻想として存在していないかどうか、は別の話だが。
余談
そんな鬼畜難易度の金閣寺だが、製作者のZUNが数回でクリアし、その後も何度か難無くクリア出来てしまった為、それ以上の調整を行わずにリリースしたという。
そんな神主曰く、攻略のコツは…
終盤テンパらない事、気負い過ぎない事
との事。だからと言ってこれを実践した所でクリアの確率が上がる保障は出来ません。
ダブルスポイラーでの一枚天井
2010年3月、文花帖の続編であるダブルスポイラーが発表された。
キャラ一新との事で、風以降の本編登場キャラが出る事が判明。
それにより、地霊殿で主人公達が過去に受けたトラウマを能力により再現する「想起」スペルを使ってきたさとりが、この金閣寺を想起させてくるのではと想像する人は少なくは無かった。
・ダブルスポイラー発売前の想像図
そして頒布当日、大方の予想通りさとりは金閣寺を想起してきた。
名称は想起「うろおぼえの金閣寺」。うろおぼえとはいえ、横一直線の丸弾の壁にバラ撒き弾を重ねてくる弾幕構成は正に金閣寺であった。
頒布前では前作の鬼畜スペルを多数想起する、又はさとりのスペルカードは全て想起なのでは・・・などとも言われていたが、想起したのはこのひとつだけである。この復活劇に狂喜する人、落ち込む人、トラウマを抉られる人、反応は様々であった。
うろ覚えだけあって、最初から最終段階、つまりバラ撒き弾が緑・水色・青・紫の全てが混ざった状態のものをいきなり撃って来るが、撮影枚数はオリジナルの半分以下の3枚。
しかし、取る枚数が減ったし簡単だろうと高を括った多くのプレイヤーがこの最初からクライマックスな難易度に悶絶した。
まず、丸弾が米粒弾になり少し見た目の密度が下がったように見える。また、天井状の黄色丸弾は横方向の密度が多少低くなり間を抜ける事がやや容易になった。
しかし天井は画面中央をコンスタントに埋めており、更に元スペルでは1枚撮るだけでよかったクライマックスな密度の弾幕を3枚も撮らなくてはいけないという嫌がらせ。
しかもこのレベルにおける被写体である古明地姉妹はダブルスポイラーの中でも屈指の高難易度スペカを揃えており、「うろおぼえの金閣寺」以外のさとりやこいしのスペル(さとり通常や『記憶「DNAの瑕」』、『「胎児の夢」』など)の前に苦戦するプレイヤーが続出。いつしか、そのLVのテーマ曲となっていた「無間の鐘 ~ Infinite Nightmare」がトラウマ曲と化していった。
フハハハ、精々頑張るんだな!(無間の鐘の神主コメントより)