概要
チョイノリは、日本の自動車・バイクメーカーであるスズキが2003年に発売した原付スクーター。
長距離移動をせず、毎日の通勤・通学に文字通り「ちょい乗り」できればそれでいいという客層を狙って、徹底的な低価格・軽量化・簡素化を突き詰めたスクーター。
外装は無塗装、リアサスペンション無し、燃料計無し、スクーターなのに手動チョークなど、良くも悪くも当時の原付の常識を覆す設計で生まれた。
その結果、100%国産部品かつ国内製造で¥59,800-(税抜)という、ムチャクチャな低価格の実現に成功した。この価格は同時期の中国製スクーターより安く、発売時は各方面で大きな話題となった。
長距離移動を全く想定していないコンセプトが逆にバイク野郎の心をくすぐったのであろう、発売当時には相棒のチョイノリとともに全国一周の旅に出た猛者も現れた。道中で浜松市のスズキ本社に聖地巡礼に立ち寄った際、企画を聞き知っていた会社側から無料整備を受ける一コマもあった。
しかし、非力なエンジン故に加速・最高速が低い、リアサスペンションが無いため乗り心地が悪い、収納スペースが無いなど欠点も多く、割り切りすぎたパッケージングが次第に日本のユーザーには受けなくなり、2007年で日本での生産は終了した。
台湾ではまだ生産されているが、現在入手したければ中古車を狙うのが手っ取り早い。
但し、国産車としては信頼性が低いことも有名であり、故障したら修理せず乗り換えるユーザーが多かったため稼働状態の現存台数は少ない。
まあなんだ、これは見事な鈴菌車両。チョイノリホスィ…