概要
THE MOVIE2とあるが実質的には『HiGH&LOW THE RED RAIN』の直接的な続編にあたり、THE MOVIE・『THE RED RAIN』の後日譚とSWORDに迫る新たな脅威との戦いを描いている。
今作は前作では比較できないアクションシーンと初のカーアクション。
本作ではWhiteRascalsとDOUBTがメインとなっており、二者の関係が掘り下げられている。
おなじみのキャストのほか、新キャストとして関口メンディー・NAOTO・小林直己・佐野岳・西川俊介・中村蒼・高嶋政宏・岸谷五朗らが加わり、映画を彩っている。
なお、今作からはアニメイトで限定特典付き映画チケットが販売されイベントも行われた。
また、上映期間に前後してタイアップイベントとしてよみうりランドにハイローランドが建立され、
質・量ともにそこらのコラボカフェを上回る多彩なフードメニューやグッズ、景品が多すぎてコンプが非常に困難な屋台のゲームなどを楽しむことができた。
あらすじ
さらば、SWORD、この空の下願う希望。その想いが、俺たちをひとつにした。
コンテナ抗争から数ヶ月後。
コンテナ街の戦いに勝利してから、SWORD地区は束の間の平和を取り戻していた。だが、カジノ建設計画の影響で街の外から来た余所者達に各々が手を焼いていた。
そこでコブラはSWORDの各チームのリーダー達を緊急招集し、極道組織九龍グループ・海外マフィア張城を含めた外部勢力からSWORD地区を守るべくSWORD同士で協力し合うために、SWORD協定を結ぶことを提案する。それだけではなく、コブラはSWORD協定を結ぶ1つの理由として九龍グループがもうすぐ崩壊することを口にして各チームで動揺が走る。しかし、スモーキーを病気で欠いたRUDE BOYSは「SWORD協定よりも俺たちは明日を生きる方が重要だ」と判断を保留。達磨一家の日向は「九龍グループ崩壊は話を聞いただけでは信用できない。そもそも山王連合会とつるむ気はない」と拒否。White RascalsのROCKYも「余所者の話はうちは関係ない。女を守れればそれでいい」と協定を拒否し、SWORD協定は実現せす、交渉は決裂した。 (ちなみに鬼邪高校は賛成する)
山王連合会内部でも九龍グループと戦う姿勢を見せるコブラ・ヤマト達徹底抗戦派とカジノ建設による経済効果によって寂れていく街が救われるかもしれないと考えていたダン・テッツ達開発賛成派に意見が割れていた。徹底抗戦派は「九龍グループを受け入れたら俺たち諸共飲み込まれる」と主張するだけでなくこれまでの悪事から九龍グループを完全に否定する構えだが、開発賛成派は"経済効果があることだけではなく九龍グループに仲間や街を潰されるのは見たくない、いや九龍グループにはもう関わりたくない"と経済効果の町の復興の期待だけではなく、九龍グループそのものを恐れていた。 それでも、意見は1つになることはなかった。
コブラはSWORD協定のことだけでなくSWORDとしてチームのことを気にかけてクラブheavenに何度も出向くがそこでWhite RascalsのメンバーがROCKYに追放される場面に遭遇してしまう。そこでKIZZYは当初SWORD協定に肯定寄りの考えだったがROCKYは何があってもSWORD協定として協力し合う気は無い真実を語り出した。 ROCKYがSWORD協定を断ったのは、White Rascalsと敵対する黒ずくめのスカウト集団・DOUBTの創始者林蘭丸はやしらんまるが羅千刑務所から釈放されるとの情報を掴んでいたからだった。数年前巨大抗争を巻き起こしてチーム同士だけでなく抗争を止めに入った警察・巻き込まれた一般人のことや蘭丸自体の誰もが躊躇する境界線を簡単に踏み越える正常とは言えない狂気じみた人格を考慮し過去による闘いが再燃して仮にSWORD協定を結ぶことになった際に他のチームやSWORD地区全体に被害が及ぶことを何よりも恐れていたのだ。その懸念は的中し、蘭丸の出所直後にDOUBTはWhite Rascalsを襲撃する。それだけではなく蘭丸はSWORD地区近郊の治安悪化地区である外人街リトルアジア地区のジェシーを筆頭とする羅千刑務所の元囚人達で構成された極悪集団プリズンギャングを金で呼び寄せ、暴力と恐怖・力と金によるSWORD地区支配を目論んでいた。それだけでなく表向きはバックに付いている九龍グループの壊滅も目論んでおり、SWORDと九龍グループの武力壊滅を目論んでいたかつて刑務所内で知り合った達磨一家の日向に手を組むよう要請した。九龍グループに復讐の念を持っていた日向も満更ではない態度を見せていた。
SWORD地区を付け狙う九龍グループでは、上園会がデータ破損により情報漏洩の危険性はないと報告を受けていた組織崩壊の鍵となる機密データの入ったUSBが完全に死んでいなかったことを知り、その行方を掴んでおりそのことの対策会議を兼ねた定例会合が開かれていた。 情報公開されることを焦る会長達だが、何故か所持者が判明しているのにも関わらず動こうとしないという不気味な牽制状態だった。それだけではなく、九龍グループも現状一枚岩という訳ではなく内部では跡目争いを巡る覇権争いが続いている状況だった。
一方、雅貴と広斗は死んだ尊龍が命と引き換えに奪い取った九龍グループ崩壊の鍵となる機密データの入ったUSBをかつてのライバル・琥珀に託していた。上園会に尊龍が殺された後・上園会を襲撃する前に一度琥珀と九十九がいたムゲンのアジトに来て、かつて九龍グループに復讐を目論んでいた琥珀に敢えて託したのだ。
「どうして俺なんだ?" ムゲンとやり合った時からの付き合いだろ?」
ライバルだった自分を信じた雅貴のためにも、自分を復讐の念から救ってくれた九十九、そしてコブラとヤマトのためにも琥珀はもう二度と間違えを犯したくないと決意を固め、九十九と共に告発の準備を始める。そして告発自体は「お前らの兄貴が命懸けでお前らに託したものだ。お前らが公表するんだ」と雅貴に託して自分はサポートに回ることにする。しかし九龍グループ側も告発を阻止・USBを強奪もしくは破壊すべく遂に行動を開始し、九龍グループの一角黒崎会・会長黒崎君龍は部下であり屈指の暗殺者でもある黒崎会若頭九鬼源治を、九龍グループ本家も源龍海会率いる暗殺者集団を送り込む。源治の猛攻を振り切り、USBのデータは各報道機関へと送信され、九龍グループ総裁九世龍心くぜりゅうしんが逮捕されるまでに追い詰めた。琥珀は龍也のケジメをつけることができたことをナオミに報告し、全てカタがついたと喜ぶ琥珀・九十九・雨宮兄弟。
だが事は良い結果だけでは終わらなかった。皮肉にもこれが山王連合会の仲間割れの決定打となり、周囲のどっちつかずな意見も加わってダンを筆頭とする再開発賛成派とコブラ達九龍グループとの徹底抗戦派の意見がぶつかり合う形でチームが分裂してしまう。
「今は苦しくても九龍グループを受け入れたら弱みを付け込まれて飲み込まれる。今はきつくても未来を見据えて動くべきだ。俺を信じろ」
ダン達の心中を察しつつも、九龍グループの有害性を考慮していることと龍也の死の恨みから目先の利益に捉われないよう心を鬼にして必死に諭すコブラだったが、SWORD協定も実現していない・衰退の一途を辿る街の現状という根本的な問題に向き合わずに何一つ打開策も立てられていないだけでなく、何を聞かれてもその場しのぎの返答しか出来ず抗争のことしか考えていないコブラの態度に不安と我慢が限界に達している上に、今を生きることに気持ちをすり減らしている彼らに理屈が通じるはずもなかった。
「今がなければ未来もないだろう。もう限界だ。コブラ、お前には着いてけない」
ダンを筆頭に多くの仲間がチームから離れていってしまう。
White RascalsとDOUBTの因縁の地・羅千らせん地区・黒白堂駅跡地では、White RascalsとDOUBT・プリズンギャング連合軍がこれ以上の膠着状態が続くことを良しとせず、決着を付けるべく結集・対峙していた。
「女は金を生むための道具に過ぎない」、「女は守る為のものだ。お前は女を分かってない」
White Rascalsは圧倒的な戦力差を前に窮地に立たされるが、彼らのピンチに現れたのは仲間のために、街のために覚悟を決めたSWORDの仲間達だった。山王連合会は分裂し少数だがROCKY達のピンチに駆けつけ、鬼邪高校もSWORDのために、RUDE BOYSもWhite Rascalsの元メンバーたちからの救援要請で駆けつけ、さらに日向も仲間を仲間とせず平気で見捨てるような蘭丸を信用するに値しないとし達磨一家と共に全員がSWORDとしてDOUBTに宣戦布告する。SWORD協定は実現はしないかと思われたが山王連合会を始め、White Rascalsや鬼邪高校・RUDE BOYS・達磨一家らの心の中に何らかの変化をもたらしていたのだろう。これで形勢はSWORDに傾くように見えたが、ジェシーのピンチにコンテナ街の戦いの後行方を絡ませていたジェシーの盟友・ICE率いるMIGHTY WARRIORSが援軍として突如襲来し、無情なまでの圧倒的実力差・戦力差でSWORDを追い詰める。
黒白堂駅の戦いは、ROCKYが蘭丸を破ったことで一時収束するがその最中、プリズンギャング・MIGHTY WARRIORSが戦いを放棄して逃げ出した。状況が全く飲み込めないSWORDとDOUBTの前に、突如九龍グループ最大勢力を誇る善信会を率いて、会長善信吉龍が抗争の場に乱入してきた。
「九龍グループは全勢力を以ってSWORDを潰す。この場から逃げ出すのか、九龍グループに屈するのか、どちらか選べ」
善信はSWORDとDOUBTを相手に高圧的に攻め立てる。だがDOUBTは誰1人として九龍グループと戦う意思も覚悟もなく、SWORDよりも遥かに数が多いDOUBTは1人残らず抗争の場から逃亡を始めた中、コブラが善信を蹴り飛ばす。
「これがSWORDおれたちの答えだ」
SWORDは、九龍グループに徹底抗戦・宣戦布告の構えを見せつけたのだった
登場人物
SWORDの「S」。別名“山王街二代目喧嘩屋”。元MUGENのコブラをリーダーとして、商店街を守る自警団的組織である。九龍グループのカジノ誘致による再開発計画を巡って亀裂が生じてしまう。
◆コブラ
演:岩田剛典
山王連合会の総長。
迫り来る脅威に対抗するためSWORD協定を持ちかけているが、決裂してしまう。
それでも実現のため粘り強く交渉を続けるが……。
◆ヤマト
演:鈴木伸之
コブラの幼馴染。プリズンギャングのブラウンと対決する。
本作では、英語が全く分からないことが判明する。
◆ダン
演:山下健二郎
関西弁を喋る商店の息子。
再開発計画を巡りコブラと対立、チハル・テッツとともに喧嘩別れしてしまう。
◆ノボル
演:町田啓太
暴行事件で逮捕され、九龍グループに拾われていたコブラの幼馴染。
後遺症から復帰し、本作ではなんとバイクに乗り激しい殴り合いを繰り広げる。
SWORDの「W」。別名“誘惑の白き悪魔”。傷付いた女性を守ることがモットー。そのため女性を食い物にするDOUBTとは対立関係にある。
◆ROCKEY
演:黒木啓治
ホワイトラスカルズのリーダー。本作のメインキャラ
幼い頃に母と姉を失ったトラウマから、女性を守るために戦い続けている。
「女は金を稼ぐ道具」としか思っていない蘭丸とは不倶戴天の仇であり、彼との決着に他のチームを巻き込みたくないということから共闘を拒むが……。
ちなみにブス専である。
SWORDの「O」。別名“漆黒の凶悪高校”。定時制と全日制の2コースがある。唯一SWORD協定に最初から賛同しており、協定締結のため動くことになる。
◆村山
演:山田裕貴
鬼邪高校定時制の番長。鬼邪高の不良に100発殴られる荒行を耐え抜いて番長になった。
唯一最初からコブラに賛同しており、協定実現のため日向の元へ向かう。
寝てないと強いらしい。
SWORDの「R」。別名“無慈悲なる街の亡霊”。スラム街・無名街を本拠地とする戦闘集団。
スモーキーが床に臥せっているため、タケシがリーダーを代行している。
◆スモーキー
演:窪田正孝
RUDE BOYSのリーダー。
持病の進行で髪の毛が銀色になっている。
スケジュールとかの都合で本作も出番は少な目。
◆タケシ
演:佐野玲央
リーダーを代行している青年。
街を焼かれたりスモーキーの容態が悪化したりなど協力どころではないため共闘を断るが……。
◆ユウ
演:佐野岳
新たに無名街に流れ着いた宇宙の神様青年。
ニチアサでおなじみのとんでもない身体能力を武器に、狂喜しながら戦いを繰り広げる。
SWORDの「D」。別名“復讐の壊し屋一家”。祭や賭場の運営で稼いでいる。頭および古参は赤の法被、新参の達磨ベイビーズは白法被を着ている。
◆日向紀久
演:林遣都
達磨一家の頭。以前はMUGENへの復讐の一念だけで生きていたが、数々の戦いを経て戦う目的に変化が生じる。
蘭丸とは面識があり、SWORD・ダウト双方から協力を持ちかけられる。
前作での衝撃的な登場が話題となったが、本作でも負けず劣らずの登場を果たす。
湾岸地区で着実に勢力を伸ばしているチーム。巨大クラブ「FUNK JUNGLE」を拠点とし、いずれ自分たちの理想郷を建設することを目標にしている。
金のためなら結託する相手を選ばない。
◆ICE
演:ELLY
マイティウォリアーズのリーダー。
前作でめちゃくちゃにされたクラブを再建することに成功する。
ジェシーとは親しい仲であり、再会を喜んでいた。
プリズンギャング
ジェシーに率いられたサンキングス刑務所の囚人集団。
ダウトと結託してホワイトラスカルズを襲撃する。
テーマソングは「要!」。
◆ジェシー
演:NAOTO
サンキングス刑務所最強を誇る囚人。
口癖は「神に感謝しろよ?」。
九龍グループの差し金で脱獄し、金のためダウトと協力する。
リトルアジア地区の出身であり、ICEやフォーとは同郷の友である。
◆フォー
演:関口メンディー
サンキングス刑務所の囚人。同郷のジェシーとともに行動している。
大柄な体格とは裏腹に、誘拐されそうになった子供達を救出するなど心優しい青年。
◆ブラウン
演:岩永ジョーイ
リーゼントがトレードマークのサンキングス刑務所の囚人。
好戦的な性格であり、戦闘においては華麗なナイフさばきと旋風のような動きで敵を翻弄する。
愛称は「トルネードリーゼント」。
羅千・阿来エリアをを支配していた林蘭丸が、高野・平井とともに立ち上げた極悪スカウト集団。
女性を「金を生む道具」としか見なさず、ホワイトラスカルズと対立している。
◆林蘭丸
演:中村蒼
DOUBTの創始者。誰からも愛されずに育ち、凄まじく凶暴かつ仲間のことすら平然と切り捨てる男。
ロッキーと似たような過去を持ちながらも彼とは真逆の人生を歩んでおり、そのような意味では「ロッキーのIFの姿」と言える。
九龍グループの差し金で脱獄し、仇敵のロッキーを追い詰めていくが……。
かつて圧倒的勢力を誇ったMUGENとたった2人で渡り合った、最強の兄弟。
銃を持った大軍勢すら寄せ付けない実戦格闘術「ゼロレンジコンバット」の凄まじい使い手である。
◆雨宮雅貴
演:TAKAHIRO
雨宮兄弟の次男。おちゃらけた性格で女性好きだが、キレると手を付けられなくなる。
死んだ長男の遺志を継ぎ、USBを守るためにかつての仇敵であるMUGENと手を組む。
◆雨宮広斗
演:登坂広臣
雨宮兄弟の三男。クールな性格だが、心の内には仲間を思いやる優しさを秘めている。
琥珀・九十九・雅貴とともに源治と戦うが……。
とある人物の死がきっかけで解散した伝説のチーム。
九龍グループと結託してSWORDの支配を目論んでいたが、SWORD連合の前に敗れ改心する。
◆琥珀
演:AKIRA
前作でSWORD壊滅を首謀した元MUGENのリーダー。
髪がめちゃくちゃ伸びている。
雨宮兄弟から託されたUSBを公表すべく、雨宮兄弟・九十九とともに動く。
◆九十九
演:青柳翔
琥珀の相棒。
琥珀とともにUSB争奪戦に身を投じる。
今回妙に九龍グループのメインウエポン車絡みの災難に巻き込まれるが、念願の車対策を習得する。
総裁・九世龍心を頂点とする、9つの会で構成された巨大なヤクザ軍団。
政府に取り入って、SWORD地区の再開発を目論んでいる。
これまでは襲撃手段が何故かもっぱら車・重火器を装備しておきながら雨宮兄弟に惨敗を喫するなどポンコツ集団だと思われていたが……。
◆源治
演:小林直己
黒崎会の若頭。無表情で容赦なく敵を追い詰める様はターミネーターと呼ばれている。
日本刀による剣術で雨宮兄弟・琥珀らと互角に戦う。
走行する車や立体駐車場から落とされても無表情で平然と起き上がり執念深く追いかけてくるシーンはとても恐ろしい。
ティンティンティンティンティンティン
◆善信吉龍
演:岸谷五朗
二大派閥のひとつ「善信会」の会長。ダウトのケツモチをしている。
好戦的で、刃向かうものは容赦なく潰す性格。
ガリガリくんが好き。
主題歌
オープニング、エンディング
『HIGHER GROUND』
挿入歌
『Break into the Dark』