概要
幼女戦記の主人公ターニャ・デグレチャフは、赫々たる戦果を上げる優秀な軍人であるが、当人の本心の望みは「安全な後方勤務ができる官僚」になる事であり、普段の勇敢な軍人としての行動は、他者から「自分は後方勤務の参謀に向いている」と思わせるためのアピールである。
しかし、ターニャは自分の行動が、周囲からどのように解釈されるか察する能力にも疎く、関わったほぼ全ての者から「最前線に相応しい勇者」と見なされてしまっている。
エーリッヒ・フォン・レルゲン中佐もその一人であり、かつ士官学校時代に「ターニャを侮った下級生が、命令不服従を理由にターニャから殺されかける」場面を目にしているため、ターニャを危険人物と見なし、嫌悪している。そのため、レルゲンは、ターニャが(戦果を上げて、これ以上昇進されないように)危険地帯に赴くことに反対している。
しかし、ターニャの方は、自身の派兵に反対するレルゲンの行動を「幼女を戦場に送ることに良心を痛めている」と誤解し、好意的に見ている。
このようにいろいろと食い違った認識を抱えているにもかかわらず、ターニャとレルゲンのやり取りは殺伐としていながらも奇妙に噛みあっていることが多く、ことに戦略論においては齟齬が少ない。これは双方ともに合理主義者であり(ターニャの方は幾分突き抜けすぎているが)、また秀才のインテリであるという内面的な共通性のためと思われる。
ターニャの前世は男性で、かつ同性愛者でもなかったため、作中では親愛の情はあっても、恋愛感情は一切ない。レルゲンの方も、ターニャを危険人物と見なしているため、好意的な感情は一切ない。
しかしながらターニャのレルゲンに対する信頼は(誤解含みではあるが)本物であり、レルゲンの側もターニャを(畏怖しながらもある意味で)信頼している。pixivに投稿されている二次創作では、この信頼関係を愛情に読み替えて内面的BL(外面的NL、もしくはおにロリ)を描く作品が多い。