概要
帝国軍参謀本部人事局人事課長。階級は少佐(初登場時)。
真面目で実直な軍人。漫画版とアニメ版では眼鏡を掛けているが、容貌が異なる。
ターニャ・デグレチャフとは、彼女が士官学校時代に顔を合わせているが、とある事件で彼女の常軌を逸した狂人ぶりを目の当たりにして以降、彼女を「幼女の皮を被ったバケモノ」と評し、恐怖と危惧を抱いている。
作中屈指の苦労人であり、ターニャを上記の通り危険視しているが、そのために行っている行動がすべて表面上はターニャ自身が望んでいることであるため、当の本人から「自分を後方に下がらせようとして努力してくれる数少ない味方」と好意を持たれてしまい、そのためか関わり合いになる回数が増加していく運命にある(そしてその度に彼のネガティブ的行動をポジティブに受け取ったターニャの表情、行動、言動を見聞きして、また危険視するという悪循環が成立していることも)。
劇場版では作戦局に移動し大佐に昇進、エスカレートするターニャの独断専行に神経性の胃炎を発症、ストレスの増大とともに症状を悪化させている。
書籍版での動向(12巻までのネタバレを含む)
7巻において、名前だけの存在のレルゲン戦闘団の指揮官となりターニャ率いるサラマンダー戦闘団を(名目上のみ)指揮下に置く。
これは、講和の可能性を探るべくレルゲンをはじめとした参謀本部の実務家を仲介者たるイルドア王国に秘密裏に送り込むための参謀本部の欺瞞工作であった。
ちなみに、この件をターニャに直々に伝達しに行った際のレルゲンは、名目上とは言えサラマンダー戦闘団の軍功を横取りすることになりかねない取り決めであるがだけに、「戦闘狂」と認識する彼女から撃たれるのではないかと危惧していた。
ターニャからすれば、責任を被せられる上司ができた上に参謀本部にも恩を売れるうまい話でしかなかったのだが・・・
結局、この時の講和への模索は国内世論の反発などの影響により頓挫することとなる。
11巻においては、総力戦の果てに疲弊しきった帝国を憂慮し改めて講和の可能性を探るべくイルドア王国へ赴く。
しかし、窓口担当のカランドロ大佐から、敵対する諸列強はもはや帝国有利の講和条件を許容するどころか、帝国の降伏または滅亡しか望んでいないという厳しい現実を(やんわりと)突き付けられ茫然自失となる。
なお、この11巻2章は退役軍人レルゲンの回顧録となっており、少なくとも彼は大戦を無事に生き延びたようである。
また、上司であるハンス・フォン・ゼートゥーア大将の意向によって、この後イルドア王国へ侵攻することになったがために、この回顧録の中ではレルゲンという人物が戦後もイルドアで忌み嫌われていることを納得しつつも嘆いている。
12巻ではイルドア攻勢の現地指揮官として辣腕をふるい、ターニャすらもこき使ってみせている。
この頃になると、ターニャのことも独断専行が過ぎる戦闘狂というよりは、必要の求めに応じ共に戦う属僚として見なす傾向が強くなってきている。
もともと頭脳明晰であるために、総力戦が長引く中で結局はターニャと同様の価値観を持つに至ったのかもしれない。