概要
元々、出典元である歌劇のオリジナル版では序曲は存在していない。
現在、序曲として一般に知られているものは1860年にウィーンでドイツ語版の初演を迎えるにあたり、作曲家カール・ビンダーが劇中の曲のいくつかを抜粋し3部構成の序曲として編曲したもので、もっとも有名なのが第3部「カンカン(ギャロップ)」である。
クラシックのコンサートで『序曲』として演奏される時は全て通して演奏されることが多いが、今日では特に知名度が高い第3部のみ『天国と地獄』のタイトルで独立した楽曲として聞く機会が多く、他にも様々なメディアでBGMとして使われている。サイレント時代の映画やカートゥーンアニメでのおいかっけこシーンにの伴奏に使われていたり、日本でもカステラの文明堂のCMや「オレたちひょうきん族」のオープニングや運動会のBGMなどで使用されたり、テレビゲームのBGMに使用されたりと非常にポピュラーな楽曲である。
また、元々劇中でダンスシーンのBGMとして作曲されていた曲であることもあり、フランスの有名な舞踏カンカンダンスのBGMとして用いられるようになって以降、天国と地獄=カンカンダンスのイメージが広く定着した。
ボカロ曲
れるりりが投稿した同名の楽曲。
言ノ葉プロジェクトの第五章二話。
【初音ミク&GUMI】天国と地獄【オリジナル】
余談
歌劇の筋は、ギリシャ神話で有名な竪琴の名手オルフェウスと、地獄におちてしまった彼の妻を巡る悲劇(地獄から妻を連れて帰る途中、決して振り返って顔を見るなとという言いつけを破ってしまったため、妻と永遠に別れる羽目になってしまうというお話)を下敷きにしているのだが、オペレッタ=喜歌劇というジャンルの通り、徹底的に茶化してパロっており、早い話「お互いの存在にうんざりし合っている夫婦が紆余曲折を経て離れ離れになることができメデタシメデタシ♪」という、見も蓋もない話になっている。