概要
更新世前期~後期のアルゼンチンやブラジルなどに棲息していた。化石はトクソドンなどと同様、チャールズ・ダーウィンによって最初に発見された。
体長約3m、肩高約1.6m、体重1トン程と大型のラクダやバイソンに匹敵する巨体を誇る。最大の特徴は頭蓋骨の鼻孔が頭頂部近辺にあることで、似たような特徴を持つバクやゾウのように長い鼻を持っており、餌となる草や木の葉を絡めとって食べていたと推測されている。
また、四肢の構造は早く走るのには適していなかったが、方向転換など横からの圧力に強い構造となっていた。共存した捕食者であるスミロドンが長距離追跡に適していなかったことから、襲われた際は自在に方向転換をしながら逃げ回ることで対処していたと思われる。
化石がラクダ科の哺乳類によく似ていたことから、「大きなラマ」を意味するマクラウケニアと命名されたが、実際は南米独自の進化を遂げた滑距類というグループに属する。北米大陸から進出してきた哺乳類との生存競争で多くの近縁種が絶滅していったが、本種は約2万年前まで生き延び、滑距類としては最後まで生き残った種となった。だが同時期、気候変動や人類の狩猟などで、同時期の多くの大型動物と同様に絶滅してしまった。