ラクダ科
らくだか
ラクダ科とは、哺乳綱偶蹄目に属する植物食動物の分類の一種。漢字では駱駝と書く。草たく(草の袋の意であるが、コレが駱駝のどの部位を指すのか不明)を担いだ駄獣の意の「たくだ」が訛ってタクラタあるいはタクダとなり、タクダのさらに訛ったラクダが現在の呼称となった。なお、タクラタの方はいわゆるアホ・バカ表現として(キャメルさんはおバカなので)使われている他、南方熊楠によれば「人を見ると寄ってくるもふもふ(鼠のような小さなものから熊のような大型のものまでいるらしい)」を指す語として使われていたという。
ウマやバクやサイといった奇蹄目と同じく、北米で生まれたが現地では絶滅してしまった。ラクダとその近縁種はかつては多様な種がいたものの、他の偶蹄類に押されるように衰退し、現在では砂漠や高山などの過酷な環境に棲む数種が生き残るのみである。
ちなみにラクダは時速65kmで走れる。キリン、ダチョウ、アメリカバイソン等と同じ速度である。
古代に生息していた種類には巨大な種類が見られ、キリンやゾウと比べても謙遜無い程の種類もいた。
現生でラクダと呼ばれるのは、主に北アフリカや中東に生息するヒトコブラクダ(メイン画像)1種と、中央アジアの砂漠地帯に生息するフタコブラクダ2種で知られている。
「砂漠の舟」とも呼ばれ、現在でも砂漠での移動手段として使われている。ただ、歩行が側対歩と呼ばれる、「右の前後足を動かす>>左の前後足を動かす」という歩き方なので、左右に大きく揺れ、初めて乗ると酔う(その意味でも舟と言える)。
最近の人気者であるアルパカ等もラクダの仲間。こちらはコブを持たない代わりに南米での高原の生活に適応したグループである。
背中に最大の特徴である「皮下脂肪のこぶ」をもっており、ここに養分や水分を溜めこむことで最大一週間近くは飲まず食わずで活動可能。海水よりも塩辛い水を取り入れる事ができる唯一の哺乳動物でもある。
またびっくりしたり、相手を威嚇する際に胃袋を口から出すという独特の習性を持つ。
コブを持たない者は羊に匹敵する上質な毛並みを持ち、特にラマ(リャマ)、グアナコ、アルパカ、ビクーニャの毛皮や体毛は絨毯などの調度品に用いられ、高価で取引される。コブを持つラクダ(主にフタコブラクダ)の毛も織物に使われる。
モンゴルの昔話で十二支メンバーに立候補し、最後の一枠を賭けてネズミと争うも、例によってずる賢いネズミが勝利。ネズミが最後の一体に君臨するとあまりにもラクダが悔しがったため、十二支の優れた部分を分け与えられた末に現在の姿になったとされる。(ちなみに龍からは屈強なボディを授かったとあるが、逆に龍の伝承によると龍はラクダの頭を持つ幻獣という設定があったりする。わけがわからないよ。)