概要
プロトケラス科とは、ラクダ科の姉妹群と考えられている。ほぼ同時代(始新世中期)に出現し、鮮新世前期に絶滅するまで、北アメリカの中だけで進化し、他の大陸に進出することはなかった。森林性の暖かい環境を好み、草原の広がる乾燥気候に適応出来なかったことが絶滅の原因の一つと考えられる。何れもシカ類の大きさの中型の偶蹄目で、歯や体骨格は保守的である。多くの種類は低歯冠の4咬頭性セレノドントの臼歯を持ち(主に木の葉食)、末期のいくつかの種類である程度高歯冠化した。初期の種類には角は全く見られないが、漸新世のプロトケラス類(亜科)以降、吻部の上に前頭部に角が発達し、この科の動物を有名にしている。この角はシカ類のようなアントラーでも、ウシ類のようなホーンでもなく、恐らくキリン類のようなオッシコーンで皮膚が被っていたと思われる。プロトケラスでは角は小さく低いが、シンテトケラス類(亜科)では大きく長い角が発達し、吻部の角は、一対、基部で二分岐、先端部で二分岐と、色々な形態を示す。これらの角は雄で特に発達し、雌では小さいかまたはない。