概要
元はヨーム戦士団に所属し、4人の大隊長の1人だった人並外れた巨躯を誇るデーン軍の武将。得物には二挺の斧を使う。「のっぽのトルケル」の異名を持ち、デーン人の戦士の間では、その恐るべき強さから、「雷神トールの生まれ変わり」と噂されるほどの生きる伝説として語られている。
戦士であることに強い誇りを持っており、手応えのある戦いを常に追い求めている生粋の戦闘狂で、そのためには裏切ることも辞さないほどであり、己が認めた相手なら年端もゆかぬ少年であろうと彼なりに敬意を払い戦う。その実力は作中でも随一で、自分より巨大な岩を軽々と持ち上げ、太い丸太を難なく扱って投擲するほどの怪力を誇る。そして己が身体を欠損しようと全く気にする事も無い並外れた精神力も持つ。その一方で、裏表のない気さくな性格であり、部下たちからは慕われている。また、部下たちもトルケルほどではないが、かなりの実力を持つ手練れ揃いであり、同時に多かれ少なかれトルケル同様の戦闘狂で、故に彼に付き従っているともいえる。事実、部下の一人はトルケルと戦って死ねば、ヴァルハラで最期の相手がトルケルだったと自慢できると嘯いており、トルケル隊の副将的なアスゲートもトルケルが死ねば、獣のような彼の部下500名を束ねる者が居なくなると危惧する程である。
登場当初はデーン軍にいたが、敵のイングランド軍のあまりの弱さに呆れ、強い敵と戦うべくあえて部下たちとともにイングランド軍に寝返り、ロンドンの砦の守将になっていた。攻め寄せるデーン軍とヨーム戦士団を次々と撃退していたが、自分を狙いに来たトルフィンと対峙し、自分の指数本を切り落とした彼に興味を抱く。
実はヨーム戦士団首領シグヴァルディの弟である。つまりシグヴァルディの娘ヘルガを母に持つトルフィンから見ると、トルケルは大叔父にあたる。
ちなみに、実在の人物であり、そのまま「Þorke(ti)ll inn hávi(のっぽのトルケル)」という名前で記録されている。