詳細はミシャグジ様を参照。
発音について
民俗学者・柳田國男の著作『石神問答』において、柳田自身が地元である武蔵野の祠・摂社等に祀られた石棒や石皿を神体とする神が“シャグジ”“シャクジン”“シュクジ”等の類似する名で呼ばれ、さらに全国各地にも同音の地名や神が点在することを取り上げている。
柳田國男はシャグジの名を音韻に分解して、「サ行音」と「カ行音(ク)」または「ガ行音」の組み合わせで構成されているという共通点を見出している。
地形や先端・境界線を表現する言葉に頻出する「サ行音」に「カ行音」が結合すると遮る、塞ぐという“境界性”を持つ言葉になり、シャグジは空間や境界に霊威を表す言葉と解釈している。例を上げれば、「さえのかみ」も“さえぎる”という言葉からきており、さえぎるの語根は遡れば「さききる(先切る)」に至る。
幸神・妻神・歳神・才神などの字をあてて「さえ(さい)のかみ」とも読むが、読みが“さい”に転化する幸は言うに及ばず、“才(ざえ)”の字を含む才神の読みでも発音に濁点がつくことはない。そして諏訪大社の縁起や各地の“シャグジ”神の読みも最初のサ行音が「ザ」に変化することはなく、本項の「ミジャグジ」表記は適当ではない。