概要
アイヌ民族に伝わる疫病を司るカムイで、姿を見せず弓で矢を射り、その音を聞いたものを疱瘡(天然痘)などの疫病に罹らせる。
人の姿では唐草模様の服を着ており、アヒルなどの歩く白い鳥は化身であるといわれていた。
パイカイカムイやパコロカムイという呼び名もある。
あるコタンの外れにユーカラはうまいが、狩りが苦手で貧しいアイヌの一家がおり、父親がユーカラを語っていると家の外にパヨカカムイがいることに気付いたために捧げものをした。
すると夢枕にパヨカカムイが現れて礼を言い、病を防ぐ方法を教えてくれたので、そのコタンでは疫病は流行らなかったという。
またパヨカカムイには半神半人のカスンテという子がおり、殺されてもすぐに生まれ変わるので厚岸のアイヌたちが顎の上下を引き離して埋葬すると生き返らなかった。
しかしそのアイヌたちは疱瘡に罹り、津波で滅びてしまったという。