蒸気のもつエネルギーを、タービン(羽根車)と軸を介して回転運動へと変換する外燃機関。
利用
着想はかなり古くからあったが、実用化されたのは19世紀後期になってから、船舶用機関としての普及は20世紀以降である。
蒸気タービン機関はタービンにエネルギー発生源は無く、機関の駆動に必要な蒸気を得る為のボイラー(或いは原子炉や熱交換器など)が必要である(つまり外燃機関である)一方で、ガスタービンは自ら空気を取り込んで圧縮し、圧縮した空気に燃料を吹き込んで燃焼させてその燃焼ガスの力でタービンを回して出力を得る(エネルギー発生源たる燃焼機構と出力装置が一つの装置に収まる)内燃機関である。
つまり、蒸気タービン機関とガスタービン機関は全くの別物だが、20世紀末以降の発電設備などではガスタービンと組み合わせたコンパインドサイクル機関の採用も広がっている。蒸気タービンの熱効率は高く、35%に達する。ガスタービンの排気熱で蒸気タービンを回すコンパインドサイクルの場合、トータルの熱効率は60%程度まで上がる。
船舶用蒸気機関は20世紀後期になると民間用船舶は高効率でコンパクトなディーゼルエンジンに、軍艦(駆逐艦などの戦闘艦)は多くがガスタービン機関に取って代わる形で姿を消したが、発電用蒸気機関、つまり火力発電所や原子力発電所では現在でも基本的にタービン機関である。