初代
1961年~1976年まで運用。
アメリカから退役した戦車揚陸艦LST-542級(LST-1級の最後期型)3隻を供与されたもの。
1962年の三宅島噴火、1965年の大島大火への人道援助・災害派遣に活躍したほか、1972年には沖縄返還に伴う通貨切替に必要な542億円もの現金輸送を行った。
退役後はアメリカに一旦返還された後フィリピン海軍へ再供与されている。
二代目
現在運用されているもので、1998年から運用中。
英語呼称こそ戦車揚陸艦だが実態はドック型輸送揚陸艦である。
空母のような全通甲板を持つので勘違いされやすいが、航空機の運用能力は限定的。
前半分は貨物積載スペースであり、後ろ半分にヘリコプター2機分の着艦スポットを有するのみ。加えて格納庫も車両専用でヘリコプター用の格納庫はないため、整備も不可能(UH-60クラスなら一応格納する事はできるが大型のCH-47となると露天係止するしかない)。
揚陸の主力は、あくまでウェルドックに搭載したLCAC 2隻。必要に応じて、陸上自衛隊のヘリコプターも搭載してそれを補助する形となる。
全通甲板となったのは、艦上での飛行作業に不慣れな陸上自衛隊のパイロットの安全を確保するため艦橋構造物を右側に除けるように配置した結果だという(結果として、後のひゅうが型やいずも型に繋がるものとなったが)。
似たような特徴を持つ揚陸艦としては、イタリアのサン・ジョルジョ級がある。
1隻で完全武装した陸自隊員330名と戦車などが相当する中隊戦闘群を輸送できる能力を持ち、被災者など民間人を輸送する際には、車両甲板などのその他スペースも活用して、最大で1,000名を収容できる。
近年はAAV7水陸両用装甲車を運用するための改修が行われ、ヘリコプター運用能力に優れるひゅうが型やいずも型と組んで上陸作戦の演習を行う事も多い。