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LCAC

えるきゃっく

エア・クッション型揚陸艇(Landing Craft Air Cushion)の略。特にその中の一種「LCAC-1級」を指す事が多い。
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エア・クッション型揚陸艇とは

端的に言えば、ホバークラフト型の上陸用舟艇である。
通常の上陸用舟艇よりも高速であり、かつある程度なら陸地でも活動できるため上陸可能地点が増え、揚陸作戦に大きな柔軟性をもたらした。
ただし、ホバークラフト故の弱点も存在する。

  • 被弾に弱い(船底のゴム部分に被弾したらすぐ動けなくなる)ので、上陸部隊の先陣を切るのには向かない。
  • とにかくうるさい(航行中乗員が外へ出るのはもっての他、船室にいても耳栓をしなければならないほど)ので、気付かれやすく隠密作戦にも向かない。
といった感じである。
以上の点から、LCACは上陸作戦において、専ら橋頭保が確保された後の迅速な輸送に活用されている。

LCACはこのエア・クッション型揚陸艇全般を指す言葉であるが、現在LCACといえばアメリカ製の「LCAC-1級」(メイン画像)を指すことが多くなっている。

LCAC-1級

1970年代から本格的な開発が開始され、1984年から就役したエア・クッション型揚陸艇。
中央部が全通式の車両甲板となっており、積載量は通常時で60トン、過積載状態で75トン。M1エイブラムスなどの主力戦車1両や、軽装甲車4台などを搭載できる。人員輸送モジュールと呼ばれるコンテナを装備すれば、180名の人員を輸送する事もできる。
ランプが前後にあるため、揚陸艦のウェルドック内で並べても両側を開けば電車で連結したように車両を自由に行き来させることができ、車両を積む際は手前のLCACの中を通り抜けて後ろのLCACに積む、ということも可能。
操縦席は車両甲板の右側にあり、左側には見張所や16名の人員を乗せられる船室がある。

最高速度は最大で50ノット、積載時でも40ノットと通常の上陸用舟艇よりも遥かに速い(ちなみに旧日本軍で使われていた大発の最高速度は7~8ノット。現在海上自衛隊で使用されている輸送艇1号型でさえも12ノットである)。
さらにアメリカ海兵隊によると、従来の上陸用舟艇では世界の海岸線の15%にしか上陸できないのに対し、LCACでなら70%に上陸可能だという。遠浅だったりサンゴ礁があったりすると、上陸用舟艇は引っかかって進めなくなるが、ホバークラフトには関係ないのだ。
ただし荒波に弱く、2メートル以上の波が出ると最高速度が制限され、比例して燃費も悪くなる。

また、通常の上陸用舟艇より大型な分高価・複雑なので、アメリカ以外で運用している国は日本と韓国しかいない。
日本はおおすみ型輸送艦の搭載艦として、1999年から6隻を「エアクッション艇1号型」の名称で配備している。韓国はライセンス生産権を購入し「ソルゲ型」として製造・配備しているが、こちらは細部の仕様が一部異なる。

その他のLCAC

イギリスが開発した2000TD型ホバークラフトは、「LCAC(L)型」としてイギリス海兵隊に採用されているが、こちらは車両輸送能力を持たず、普通のホバークラフトとほとんど変わらない。

旧ソ連はエア・クッション型揚陸艇のパイオニアともいうべき存在で、1970年代から既にエア・クッション型揚陸艇を運用していた。上陸用舟艇タイプだけでなく、ちょっとしたコルベット程度の大きさを持ち単独で揚陸輸送が可能な高速揚陸艦タイプも黒海などで運用しており、こちらは火砲やロケット弾などで重武装までしている。

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