概要
1928年7月30日、東京都出身。 本名は荒井安雄。
ザ・ドリフターズでは、ふてぶてしい不良っぽいキャラで人気を博した。禿というところもいじられており「ハゲ注」という愛称もある。
しかし実際は晩年までそこまで目に見えてハゲたわけではなく、むしろ番組内でいじっていたいかりやの方が毛が薄くなってドリフメンバーからいじられるという逆転現象が起きている。
実はいかりやよりも3歳年上だったが、リーダとなるいかりやよりも年上というのは具合が悪いということで6歳も年齢をサバ読みしていた。このことはドリフメンバーも知らなかったという。
加藤茶が交通事故で休演した際は、仲本工事らと並んで番組の華となった。
しかし1974年の3月、方針の違い(いかりや長介との確執、番組の方向転換など多説ある)からドリフからの脱退を決意した。ただし番組での紹介上では「老骨に鞭を打って頑張ってきたが体力の限界のためしばらくお休みを頂く」という扱いであり、厳密には今でもドリフターズのメンバー、ということになっている(コントでは永久追放と大袈裟に語られていたが)。
3ヶ月の見習い期間のうちは、志村けんが芸人として売れる道を作った。特に志村が『全員集合』で最初にデビューしたコントで絡んでいたのも、荒井注である。
脱退後も義絶したわけではなく、「全員集合」の時ですら脱退後も何度かゲストに来ている。「ドリフ大爆笑」でも新体制の5人と共演しており(荒井没後、その映像の一つで故人が偲ばれた)、加えて没する直前にはドリフターズのメンバーとして七福神の一柱に扮した。
90年代にはハドソンのCMに度々出演し、お馴染みのネタを披露した。
また、嘉門達夫の「替え唄メドレー」でもネタにされ、「替え唄メドレー3」で往年のギャグを披露している。
2000年2月9日、肝不全の為永眠。享年、71歳。
ギャグ
- 「なんだバカヤロウ」「何見てんだよ」「文句あるかい」
ふてぶてしい顔で言い放す切れ芸で、特に「なんだバカヤロウ」は荒井注と言えば真っ先に出てくるギャグの一つ。怒鳴り散らす、というよりは開き直ったような言い方が多く、そこが魅力となっている。特に「なんだバカヤロウ」は元々加藤からピアノを弾けないことをからかわれた時に出た台詞だという。
- 「This is a pen!」
大ヒットネタの一つ。日本人でも意味がわかる簡単な英語を、場にそぐわないタイミングで真顔で言い放つというギャグ。ペンを実際に持って言ったり、人差し指を指してペンに見立てたりしながら言ったりもする。国際会議の議場を題材としたコントで、日本としての発言を求められた際、最終的に荒井がこのフレーズだけで参加者をずっこけさせたそれが特に有名だが、外国人がコントにでてくる作品でよくこのギャグが使われていた。