概要
白銀御行×四宮かぐやのカップリングタグ。『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』というラブコメの根幹を担うCPである。
ちなみに、主人公×主人公であり、本作のヒロインは(一応)藤原千花である。
どこからどう見ても所謂「両片想い」であり、互いに「初恋」である。
告白させようとしている割には相手への好意を認めないという状態が長く続いていた。かと思えば、作中で垣間見せる相手への感情(と執着)が初恋とは思えない重さで殴りかかってくる。愛が重い。
「いかに相手から告らせるか」という体で行われる恋愛頭脳戦(笑)を繰り広げつつ、3歩進んで2歩下がるような関係……であった。ウルトラロマンティックまでは(14巻を読めばわかる)。
庶民の男×生粋のお嬢様、というありがちな設定ではあるものの、如何にして身分諸々の壁を乗り越えていくか、も見どころの一つ。
事件簿(単行本1~5巻:アニメ1期)
以下ネタバレです。
単行本1巻
かぐや様はよく知らない(3話)
映画デート回。作中ではこれが(一応)初デートである。
なお、デート内容は一緒の映画館の一緒のスクリーンの違う席で映画を見ただけである。
かぐや様は歩きたい(9話)
自転車に二人乗りする回。
遅刻しそうでも、二人乗りは立派な道路交通法違反なので、良い子はマネしないように。
単行本2巻
かぐや様はこなしたい(16話)
恋愛相談(柏木さん)回。
かぐや様が柏木さんの相談を受けつつ、会長の好きなところを無意識に羅列していくがばがばセキュリティと、浮気(想像)に激おこするところ、そして最後の手話(ILY)が見どころ。それで「これは恋じゃない」ってよく言えるものです。
かぐや様は愛でたい(17話)
奇跡的相性(マリアージュ)回。
ネコミミ!可愛い!!!説明不要!!!!!!!
フランス交流会編(18~20話)
買い出しで大雨暴風の中、「中止連絡がこない」だけを理由に、絶対来ないだろう状況なのにびしょ濡れになりながらも律儀に待ち合わせ場所で待つ会長と、早坂に止められなければ多分待ち合わせ場所まで行っていたであろう かぐや様。
会長がフランス語で罵られているのを看過できずに相手を言葉でボコボコにした後、昔の自分を思い出して自己嫌悪でへこむ かぐや様と、それを見て「俺は何も聞いてない(事実)けど」と感謝の意に留める会長。
という、重さとパーフェクトコミュニケーションを堪能できる。
アニメのCパートは単行本描きおろし部分なので、ぜひ単行本でどうぞ。
単行本3巻
かぐや様は差されたい(21話)
相合傘回。
いかに相手から「傘貸そうか?」という言質を取るか、という頭脳戦をしていたが、対象Fにより無に帰した。しかし白銀の「半分借りる」という大正解の回答によって無事相合傘と相成った。
雨が上がっても気づかず傘を差し続け、それを他生徒に目撃されている(※付き合ってません)。
白銀御行は負けられない(30話)
第1回テスト回。
白銀が、なぜ四宮に「負けられないか」という根本的な部分が初めて見える回でもあり、それを成すために行きついた先がどれほどの努力なのかが垣間見える回。
この男が秘めている覚悟と執着と、背負うプレッシャーは全て愛ゆえである。重い。
単行本4巻
藤原千花はテストしたい(31話)
心理テスト回。
子供は9人、愛はトラック一杯。
かぐや様と会長との愛の量の差に読者は戦慄した。
単行本おまけイラストも突っ込みどころ満載である。
かぐや様は嫌われたい(32話)
迷走神経反射(ワゴトニー)回。
「押して駄目なら引いてみろ」を実践しようとかぐや様に冷たく当たろうとする会長(全然冷たく当たり切れてないのに良心の呵責に苦しむ)と、会長に「嫌い」と言われてとてつもない精神負荷を受けるくらいショックを受けるかぐや様(もうそれ好きって言ってるとか言ってはいけない)の2人の恋愛偏差値低めなやり取りを楽しむ回。
「讎」
お見舞い編(34~38話)
かぐや様が風邪をひくところから始まるお見舞いイベント。
初めて好きな女の子の家に行き、部屋に入って、風邪をひいて弱ってる無防備な姿を見、ベッドの横で話した後、そのまま……というラブコメあるあるな話、のはずだった。
いっしょに寝てしまった結果(本当にただただ添い寝しただけ、しかし「同衾」ではある)、修羅場(という名の痴話喧嘩)に発展する。ケーキをどっちが食べるかで言い争った結果、何故か「あーん」にまで行きつくあたり、ただの痴話喧嘩です。ありがとうございました。
(※付き合ってません)
仲直り回(38話)も、これでなんでお互い「恋じゃない」と言い合ってるのか分からない甘さである。
単行本5巻
白銀御行は出会いたい(41話)
夏休みシリーズ第一話。
連絡手段が発達した現代において、「恥ずかしくて連絡できない」ために、偶然会えることを期待して行動するもすれ違ってしまう、という切ない一幕となっている。
会いたくても会えない。それでも、お互いにお互いのことをずっと思っている。
なお、会長はこれが「初恋」だと作者にバラされる。
花火の音は聞こえない(44・45話)
二年生前半での最エモ回と呼び声高い花火回。
これはもう、本編の演出が最高に素晴らしいので、ぜひとも単行本で読むか、アニメ1期の11,12話を見てほしい。
かぐや様の為に頑張る生徒会メンバー、「みんなと花火が見たい」と屋敷を抜け出し浴衣姿で走ってまで向かおうとするかぐや様、そして、
――だったら俺が見せてやる
と路地裏の隅で泣くかぐや様を見つけ出し、引っ張りだしていく会長。
そして、願った先で待ち受けるのは……
タイトルがダブルミーニングになっているのもポイント。
実写化の際に発売された「傑作選」にて花火回後編のその後の話が描きおろしで掲載されている。
事件簿(単行本6~10巻)
以下ネタバレです。
恐らく、アニメ2期はこの範囲。
単行本6巻
白銀誕生日編(50(5巻),52~54話)
会長の誕生日(9月9日)をめぐる一連の騒動シリーズ。
会長の誕生日を祝いたいのに言い出せなくて、なんやかんやあって一人で挙行することに(勝手に)決定し、超でかい誕生日ケーキ(≒ウェディングケーキ)とプレゼントを準備して……と一人でじたばたドタバタするかぐや様が見どころ。
かぐや様の脳内会議にて、彼女が恋を恋と認められない所以を知ることが出来る。
柏木渚は見てられない(51話)
犬猫回。
被害者:柏木さん 視点にて送られる(犬・猫に対する)愛の告白合戦。
猫好きの会長(犬)と犬好きのかぐや様(猫)による客観性の喪失から生まれる恥ずかしいセリフの応酬を第三者視点で浴びられる。
白銀御行は見上げたい(56話)
月見回。
天体が好きな会長の思考回路が、“かぐや様のアプローチ<十五夜の満月”になった結果、黒歴史製造機と化す話。
あの手この手で会長の意識を自分に向けようと奮闘するかぐや様と、そのすべてを高火力で跳ね返す会長の噛み合っているようですれ違っているやり取りが見られる。
果てはプロポーズ紛いの事まで言い出したり、名前を呼び捨てしたりとかぐや様と一緒に読者も焼き払われること必然である。
「かぐや様は告らせたい」という作品の一番根幹になるであろう見解が出てくる。
かぐや様は結婚したい(57話)
双六回。
(ゲームの中で)結婚する。
アニメ2期PVや、インタビュー記事などにこの回の結婚シーン(実際は数秒)が頻繁に使われており、アニメスタッフの有能さと詐欺師っぷりが露見した。
単行本7巻
選挙編(59~61,63~69話)
生徒会解散からの、第二期当選に向けた一連のシリーズ。
かぐや様から会長に向けての「一生のお願い」。
それを受けて激務ともいえる生徒会長2期目に向けて覚悟を決める会長。
新キャラ伊井野ミコの登場に、疑惑の告白タイム、
寝不足が解消され目つきが緩和された会長に対して思い悩んだり(激熱ワード:本物の愛)、会長を当選させるべく暗躍するかぐや様や、
自分への不利益とも分かっていながら伊井野を手助けする会長と、それを見て「もう!仕方のない人ですね(意訳)」となるかぐや様 などなど。
見どころは沢山。
なお、まだ付き合っていないし、「好き」とも認めていない。……なんで?
白銀御行は描きたい(62話)
美術回。
かぐや様と会長が選択授業(美術)でペアになってお互いの似顔絵を描く話。
四宮かぐやを一番可愛く描けるのは白銀御行なのである。
単行本8巻
恋の病編(78,79話)
体育倉庫とヤブ医者回。
かぐや様は怯えない(78話)では、ラブコメあるある「体育倉庫に閉じ込められる」というイベントを軸に、互いに自分を嵌めていると勘違いしたうえで頭脳戦が展開される。
なお、未遂で終わっているため、特に何もなかった。が、雰囲気だけはとても「神って」いる。
この回は先頭カラーで掲載されたのだが、そのカラー部分が「どう見ても情事」にしか見えないので、アプリにてカラー版を1度は見ることをお勧めする。
診られたい(79話)では、ヤブ医者こと田沼先生に「恋」を指摘されるも認めない。口から出るセリフ全てがブーメランなことに気が付かない。天才とは。
単行本9巻
かぐや様は触りたい(81話)
ルーティン回。
恋の病編にて、会長の事を意識しすぎるようになってしまったので、心を冷静に保つ術を会得しよう!という話。
「ほーら、未来の旦那様ですよ」というセリフに一切のツッコミが入らないあたりが、もう重症である。とにかく大量にかぐや様の赤面が拝める。
この話以後、ルーティンは重労働を強いられることとなる。使いすぎると効果が切れる、とのことだが……。
白銀父は聞き出したい(86話)
体育祭編の一幕。
会長の父と遭遇したかぐや様が、どうして会長の事が「気になる」ようになったのか、という話を“させられる”。
今後も事あるごとに2人の間に絡んでくる中年オヤジとかぐや様との初遭遇である。
事件簿(単行本11~14巻)
以下ネタバレです。
単行本11巻
生徒会は進みたい(111話)
進路相談回
中年オヤジ(白銀父)に振り回されるかぐや様の裏で、覚悟を決める会長。
ここから、長くて短い波乱の文化祭編が幕を開ける。
単行本12~14巻
文化祭編
3巻にまたがって展開された、かぐ告最長編にして運命の分岐点。
その結末(14巻:二つの告白)は、ぜひ前情報なしに見てほしい。
白かぐの魅力とは……その答えの一部がここにある。
以下、ざっくりとした見どころを記載する。
白銀御行は告らせたい①~③(112~114話:12巻)
111話を経て、イケイケモードになった会長がかぐや様に強めにアタックを掛けていく。
コスプレしたかぐや様に独占欲を見せたり、デートに誘ってみたりと今までのモダモダはなんだったのか、というイケイケっぷりである(尚、デートは……)。
白銀御行は膨らませたい(118話:12巻)
バルーンアート特訓回。
会長がかぐや様の前で初めて弱みを見せる回。
藤原が巻き込まれ事故をおこす(自業自得)
四宮かぐやについて②(120話:12巻)
「奉心祭」の基となった「奉心伝説」を知ったかぐや様が、自身の気持ちに整理をつける。
読者としては「知ってた」「やっとか」という気持ちでいっぱいであるが、かぐや様がただただ可愛いのでそんなことはどうでもよくなる。
1年生・春(121話:12巻)
過去編その①。
かぐや様と会長との「本当の」出会いが描かれている。
なぜ白銀御行は四宮かぐやに惚れたのか、なぜ白銀御行は生徒会長になろうと思ったのか、なぜ白銀御行はあれほどまでの努力中毒ともいえるほどの人物になったのか。
全てはここから始まった。
かぐや様の文化祭(123話:13巻)
コスプレ喫茶で大正娘姿のかぐや様が拝める。大変良くお似合いです。
かぐや様が淹れる紅茶は恋の味。
かぐや様は撃ち抜きたい(128話:13巻)
ハートをどうしても会長に渡したいかぐや様がたこ焼きを使って策略する。
疑似「あーん」が見れる。以上。
白銀御行は告らせたい⑤(131話:13巻)
堂々文化祭デート!!!!
周りの一般生徒から冷やかされつつも、占いでセクハラされたり、一緒に食べ歩きをしたりと普通に高校生らしいデートが拝める。これがちゃんとした初めてのデート……多分。
かぐや様は告りたい①(132話:14巻)
告白予行練習。
かぐや様が会長の「どこを」好きなのか、その胸の内の吐露がただただ切ない。
そしてここから、文化祭編最後の頭脳戦が始まる。
「二つの告白」+秀知院は後夜祭(135~137話:14巻)
ウルトラロマンティック!!!!!!
ネタバレなんて野暮なことはできないので、絶対本編を読んで欲しい。
クライマックスはぜひその目で、直接見届けて下さい。
ここから後日譚、揺り戻しギャグパート
かぐや様は教えたい(138話:14巻)
UR(ウルロマ)の裏で、実は……という種明かし話。
40秒の女(柏木)
白銀御行は語り合いたい(139話:14巻)
かぐやちゃん(SR)とみゆきくん(脳みそ:みかん1個分)。
あくまで、デフォルメは漫画的表現にすぎない、という話。
四宮かぐやについて③(141話:14巻)
かぐや様の第二回脳内裁判。
今後の進退について、悩み揺らぎ、そして彼女が再び白銀の前に姿を現す……。
事件簿(単行本15巻~)
以下、最新巻までのネタバレです。
単行本15巻
ファーストキッスは終わらない編
1巻丸々全部、白かぐという大盤振る舞いな15巻。
URを経て、1歩前へ進んだはずの2人であったが、「普通」の「恋人」になるにはお互いに隠しているものが多すぎる……そして、やってくるクリスマス。
2人の“社交性仮面(ペルソナ)について”と“歩み寄り”のお話。
脳内裁判から分かるように、かぐや様には4つの仮面(ペルソナ)があるが、では会長は?
2人が強固な仮面を被るようになった理由は?
好意を明確な言葉にしていない2人の関係性はどうなるのか?
そしてなぜ、かぐや様の氷の仮面が前面に出て来たのか。
すれ違って、傷付けて、許容して、そして漸く近づける。
2人の初恋ゆえの不器用さがとてももどかしい一巻となっている。
前半は過去話(ネイル回、恋愛相談回、お見舞い回、弁当回、恋の病編)を踏襲した話になっており、過去と現在とで関係性が変化したことによる展開の違いも見どころ。
後半では、会長の過去の話や部屋の全容が明らかになったり(色々と重い)、藤原家の異教徒の奇祭(クリスマスパーティー)に参加したり、そして――曝け出した先に見えるものとは。
本巻クライマックスでもある150話は紙での演出が素晴らしいので、ぜひ紙の単行本で読むことをお勧めする。
余談ではあるが、会長の部屋は本誌掲載時より単行本の方が紙の量が増えて強化されており、さらに覚悟の重さが増している。