概要
ハイエンターによって監獄島に封じられていた巨人族の男。
モナドについて詳しく知っており、シュルクの持つモナドの「枷」を外し、モナドⅡへと進化させるが……
以下、ネタバレ注意!!
その正体は、物語の舞台である巨神界とそこに暮らす生命(ホムス、ハイエンター、巨人族など)を創造した張本人であり、遥か昔、モナドを手にし機神と戦った巨神そのものである。
だが、その実態は慈悲深い機神とは対照的に自分の生み出した生命を己の糧(垢とも)としか見なさない極めて冷酷かつ傲慢な性格の持ち主で、生命を創り出したのも彼らが死んだ際に発生するエーテルを取り込んで自分を不滅の存在とするためであった。
その巨神界の種族が機神界の種族との交流で文化的、精神的に進化していくことを心良く思わず、たまたまモナドを手にしたアガレスという巨人族の肉体を乗っ取り、テレシアと呼ばれる生命体を率いて機神界に対して戦いを挑んだが、やがて戦いの末に疲弊し、その隙を突かれハイエンターの始祖らに監獄島に封印されていた。しかし、そこに封じられていたのはあくまでもアガレスの身体を依り代にした分身であり、彼の本来の魂はモナドと共にヴァラク雪山のオセの塔にあった。14年前、シュルクを含むコロニー9のモナド探索隊がモナドを手に入れようと塔に侵入した際、彼らの命を吸い目覚める。その時、同行していたシュルクを自らの新たな依り代に選び、彼の体に宿っていた(つまり、物語開始前からシュルクは既に死んでいたことになる。ザンザが命の代わりになっていたお陰で生き延びることとなった)。
真の姿はシュルクに瓜二つであり、声も彼と同じである。
シュルクがモナドを使えたのも、ザンザがその体の内に宿っていたからである。シュルクの視る未来視はザンザが起こるべくして起こる出来事に導いていたもので、シュルクがモナドを使いこなせる器として成熟するまで潜伏していた。やがてシュルクの体から姿を現した彼は、今までシュルクが使っていたモナドを手にし対なる存在である機神メイナスを滅すると、世界の破壊と再生を行うべく本来の身体である巨神を目覚めさせようとする。そして、物語最後の敵としてシュルク達の前に立ちはだかることになる。
実は神となる以前はクラウスという、一人の人間だった。同じく人間だった頃のメイナスと共に新たな宇宙を創造する実験に携わっていた。まだ確証の取れていない実験を純粋な探究心で彼は実行してしまう。その結果、元の世界(地球らしき星)が消え、新たな世界―――巨神と機神の存在する世界が創り上げられた。そこでクラウスも巨神ザンザとして新たに生を受けることになったのである(人間だった頃の記憶は失っており、最期まで自分の正体を知ることはなかった)。
更なるネタバレ
相転移実験によって巨神と機神がいるゼノブレイドの世界を生み出してしまったクラウスであるが、ザンザはその半身にすぎなかった。クラウスの右半身は元の世界に留まり、壊滅した世界を再生するため雲海と呼ばれる物質を世界に充し、アルストと呼ばれる世界を創生することとなった。以降、実験で生まれた閉じた宇宙に飛ばされ巨神となったザンザ=左半身と元の世界でアルストを創生した神クラウス=右半身はパラレルワールドをまたぐ存在となり、ザンザがシュルクに敗れると同時にアルスト側のクラウスも消滅した。
もっとも、傲慢が過ぎてシュルクに否定され討ち滅されたザンザ、純粋に世界の未来を考えてレックスから感謝されたクラウス、両者とも元は同じでありながらその在り方は極めて対照的なものであった。