概要
スラヴ神話に登場する。とされている善神で日本ではベロボグとも表記される。
「白い神」という意味の名を持つ太陽神で、昼と幸運、生を司り、「黒の神」と呼ばれるチェルノボーグと対立する存在であるという。ただし、対として位置づけられることの多いチェルノボグと異なり、古い資料における出典は確認されていない。
12世紀のサクソン人キリスト教司祭、ボーザウのヘルモールトは当時の西スラヴの民の文化について自著『クロニカ・スラヴォルム(スラヴ人年代記)』に記録した。
そこでスラヴ人の独特な慣習として、円陣を組み、その中でゴブレットを渡していく、という作法があげられている。全ての良い事を善の神に対して褒め称え、全ての悪い事を悪の神に対して呪うためであるという。
この箇所において、悪の神についてZherneboh(チェルノボグ)の名があげられる。が、善の神のほうの名については記されていない。ベロボーグとはチェルノボグの語義(「黒い神」)から対なる神の名称として想定されたものである。
チェコのBělbožice、ウクライナのBilobozhnytsia、ポーランドのBialobozeといった地名はこの神名が実際に存在していた傍証とされた。ドイツ東部のラウジッツにはBilebohやCzornebohという地名があり、こちらはチェルノボグに対応するものとみなされた。