概要
例えばアメリカ海軍のシーウルフ級潜水艦は純粋に性能だけを求めた結果、非常に高価な代物になってしまった。この反省を活かし、次級ではコストと性能の両立を目指してコストダウンを試みた結果、性能はそれほどではないが格段に安価なバージニア級潜水艦が誕生した。
これにより性能は2割落ちるものの、費用は5割以上を削減することに成功した。これだけ費用を削ればその分数を増産できるわけで、これより大幅な戦力の増強を可能とした。
逆に日産自動車はバブル期から「技術で世界一を目指す」とブチ上げて、様々な技術を盛り込んだ自動車を世に送り込んだが、開発費ばかりかかる割に販売台数は伸びず(=コスパが悪い)、採算が取れないままバブル崩壊が直撃、結果フランス企業に買収されてしまうという憂き目にあった。
このようにコスパを求めるのは現代においてはとても重要な思考であるが、コスパばかりを求めると痩せた考え方に陥り、選択肢を減らして変化に対する適応力を下げてしまうことに繋がる。例えば最近話題のミニマリストは典型的な例で、彼らはコスパを徹底的に追求し持ち物を極限まで削ぎ落とすことでストレスフリーな人生を謳歌しているかに見えたが、COVID-19騒ぎでは物資の不足に苦しんだ。
また趣味や学業、仕事など好きなものや情熱をかけるべきに対してもコスパという概念を導入し、奮発すれば手に入れられそうなものでも「コスパが悪いから」などと言って我慢していると、後々精神衛生に甚大な悪影響を及ぼすレベルで後悔に苛まれることもある。
コスパは万能な考え方でもなければ幸せを約束する思想でもなく、あくまでコストを節約するための考え方にすぎないということだけは覚えておこう。
一般的にはゲームの技などで、得られる結果に対してもリソース(技ポイント、兵力、金、時間など)の消費量が少ない場合に使われる。
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