概要
監督ダリオ・アルジェントと当時のアルジェントの内縁の妻で俳優のダリア・ニコロディが脚本を担当したイタリアンホラー映画。
イタリアンホラーによくある物語よりも登場人物がいかにむごたらしく死んでいくかが売りで、本作以降日本に多くのイタリアンホラーが輸入されるようになった(本作はまだストーリーがある方だが、見る人を選ぶ内容ではある)。
日本では「決して、一人では見ないでください」のキャッチコピーが有名になった。
物語
ニューヨークからドイツ・フライブルクにあるバレエの名門校に入学するためにやってきたバレリーナ志望のスージーは、到着したバレエ学院の玄関で生徒が「青いアイリスを回して」と叫んでいるのを聞く。
その夜、スージーが学園の玄関で見た少女は何者かに惨殺され、スージーの周りでは不可解な出来事が起こり始める。
余談
冒頭、雨の中スージーがタクシーに乗るシーンで幽霊が映っていると話題になったが、実際にはアルジェントが自身の顔を映した演出である(あまり作品的に功を奏した様には見えないが)。
この事は後にアルジェント自身がインタビューでばらしたにもかかわらず、未だにTVの怪奇特番では本作のアルジェントの顔が心霊映像と称して紹介されている。
リメイク版
2018年には、『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノが監督・製作に携わって再構築したリメイク版が制作され、ダコタ・ジョンソンがリメイク版のスージー役を演じ、オリジナル版でスージー役だったジェシカ・ハーパーもカメオ出演している。
舞台は米ソ冷戦真っ只中の1977年のベルリンに、スージー達が踊るダンスはバレエからモダンダンスとなり、物語の主軸はスージーよりも新たに追加された精神科医のクレンペラーに比重が置かれている。
現在ではアルジェントの著作権が切れたこともあってか、リメイク版製作の際グァダニーノが断りの一つもなく製作した上にオリジナル版を酷評したため、アルジェントは本リメイク版には辛辣である。
関連作品
サスペリアPART2/紅い深淵:PART2とあるが実際には本作の方が先に作られた。配給側がサスペリア人気に便乗してPART2なんて邦題にした。
他にもイタリアのホラー・サスペンス映画で「サスぺリア~」と付いたタイトルの映画があるが、全部配給会社が勝手につけたものですべて本作とは無関係。
インフェルノ:こちらはれっきとした続編。本作は魔女3部作の第2作目という位置づけで製作されたが、諸事情で最終作サスペリア・テルザが作られたのは本作より20数年後になった。