※注意
この記事は本誌『呪術廻戦』261話に関する重大なネタバレを含みます。
本誌既読後の閲覧を強く推奨します。
概要
人外魔境新宿決戦の最中、虎杖悠仁と東堂葵は再びタッグを組み、呪いの王・両面宿儺を追い詰めていく。
宿儺の心臓に手を掛け、握り潰そうとする虎杖。
しかし、呪力効率の高い宿儺であれば乙骨憂太並に呪力が萎んでも、術式さえ回復すれば何度でも領域は展開できる。
宿儺「領域展開」
その時……
宿儺は見た
手ずから葬った
宿儺「すまんな!! ナメてたよ!!」
「そこまで出来る奴とは思わなんだ!!」
乙骨憂太!!
その正体は、五条悟の肉体を貰い受けた乙骨憂太。
御所湖結界で羂索を殺し、「呪霊操術」の暴走を食い止めた後、乙骨は「リカ」に彼(?)の死体を捕食させて「肉体を渡る術式」を模倣(コピー)していたのだ。
五条の死後、彼の肉体を使って乙骨が戦うために。
しかしこれは乙骨自身も最終手段だと理解しており、伏黒恵救出のためにもまずは領域で戦い、それで駄目ならこの策に出ると決めていた。
先の宿儺戦で「リカ」を完全顕現させなかったのも、羂索の術式を利用するために取っていたのだと推測できる。
そして宿儺に敗れ、憂憂に回収された乙骨は家入硝子ら医療班の治療を受けるも、負ったダメージはあまりに深く、もはや反転術式で一命を取り留める事すら不可能な状態だった。
「家入さん やります」
「というより やるしかないです」
五条の遺体は既に憂憂が回収し、家入によって縫合が済んでいる。
あとは乙骨が「リカ」を完全顕現させ、模倣した羂索の術式を使うだけだった。
「右手でゴメンね」
あらかじめ五条本人や家入からは了承を貰っており、乙骨の身を案じていた禪院真希・狗巻棘・パンダの三人も、乙骨の覚悟を聞いて最終的に折れた模様。
「僕たちはみんな!! ずっと怪物になることを
五条先生一人に押し付けて来たんじゃないか!!」
「五条先生がいなくなったら
誰かが怪物にならなきゃいけないんだ!!」
「誰もなる気がないなら 僕がなる!!」
相手は史上最強の術師、呪いの王・両面宿儺。
そして自分達の肩には、日本中の人間の命が懸かっている。
これ以上、五条悟を独りにさせないために。
もう彼だけに全ての責任を背負わせないために。
最後の特級呪術師・乙骨憂太は怪物になった。
かつて羂索は渋谷事変で、五条に「残念だけど 乙骨憂太は君(五条悟)になれないよ」と告げたが、それが比喩ではなく言葉通りの形で回収される事になった。
能力
五条の肉体を貰い受けたことで同時に六眼も得て、「無下限呪術」の使用も可能となった。
ただ五条と乙骨には体格や筋肉量に大きな差異があり(乙骨自身も「五条先生 変に手足長いんだよ!!」と心の中で愚痴を漏らしていた)、無下限呪術のピーキーさも相まって、一度の入れ替え修行だけでは五条の肉体と能力を完全に扱うことはまだ出来ない模様。
実際に宿儺との戦闘でも距離感を間違えて自身の攻撃を上手く当てられず、術式を逆に利用され弱体化し宿儺からのカウンターを受けたりしている。
ちなみに「リカ」は、五条の身体の乙骨にはついてこなかったがそれにも理由があった(後述)。
反転術式
負のエネルギーである呪力同士を掛け合わせ、正のエネルギーを生み出して肉体を再生する技術。五条も乙骨も既に習得しているため、もちろん使用可能。
五条の肉体は事前に家入が縫合していたが、あくまでもくっ付けただけで失った血や機能停止した臓器諸々を直した訳ではない。
それを回復するために乙骨は、五条の肉体へ移動した瞬間に反転術式を全開に回し、甘井凛の補助を受けながら仕上げを行った。
術式
- 肉体を渡る術式:羂索
羂索が加茂憲倫や夏油傑の肉体を乗っ取る際に用いていた術式。自身の脳を他者に移植することで、その者の肉体を操る。
その肉体で生きてきた元の人間の記憶も持つが、どうやら自然と全ての記憶が流れてくる訳ではなく、まるで検索をかけるかのように自分から読み込んでいく必要がある模様。
現在は乙骨本来の術式「模倣(コピー)」から効果を引き出して五条の肉体を操っているため、仙台結界や先の宿儺戦のように他の術式を使用することは出来ない(他の術式へ切り換えた瞬間に死亡するおそれがあるため)。
しかし、そもそも乙骨が「模倣術式」を使用できるのは、領域を除くと「リカ」の完全顕現中のみであり、さらに5分という時間制限が存在する。
それは同時に、五条の肉体を動かせるのも5分だけということになるが、これについて冥冥が三つの予測を立てている。
- 羂索の術式が常時または断続運転タイプ(常に術式を回し続ける形式)なら、5分経った瞬間に肉体と魂のどちらかが維持できず死ぬ。
- 術式が間欠的に運転するタイプ(定期的に術式をかけ直す形式)なら5分過ぎても即死することはない。が、術式効果を引き出す大元の「模倣」が切れるからいずれ死ぬ。
- 術式が単発一度きりタイプ(肉体を渡る時にだけ術式を発動する形式)の場合、5分経っても無下限呪術を使える。肉体の移動が完了した時点で、乙骨の本来の術式は破棄され、五条悟の肉体のまま生きていく可能性もありえる。
概念の無限を具現化させる、五条家相伝の術式。
原子レベルの緻密な呪力操作が必要なため、乙骨が模倣したところで扱えないものだったが、六眼ごと五条の肉体を得たことで使用可能となった。
しかし上述にも記載されている通り、たった一度の入れ替えを経験しただけで使いこなせるはずもなく、比較的一番シンプルな技である「蒼」でさえ満足に扱えず、肉弾戦と並行して発動すると不発に終わることも。
領域「無量空処」は、これまで乙骨自身が培ってきた結界術の才能が活きるのか、問題なく展開可能。
九十九戦にて、羂索が状況に合わせて「呪霊操術」と「反重力機構」を使い分けていたこと(どれほど優れた術師でも複数の術式を同時使用することはできない)。領域終了後、特に問題なく夏油の肉体で戦闘続行していたこと(複数の術式を所持していても、一度領域を展開すれば全ての術式が焼き切れる)の2点から、2か3のタイプが固いと思われていた。
が、宿儺との領域対決後、なんと制限時間5分も待たずに五条の肉体を動かせなくなってしまった。
乙骨は羂索が前の肉体の術式も使えたことも含めて何らかの種があると推測したが、残念ながら模倣した「肉体を渡る術式」からはそれを読み取れなかった。しかし術式が焼き切れて、五条の肉体を動かせなくなった乙骨の思考はまだ止まっておらず、東堂の「不義遊戯」を活かすために砕けた領域の結界の欠片を消さずに維持していた。
宿儺との決着後、エピローグにて乙骨自身の身体に戻れたことが判明。乙骨(の脳)が羂索の術式を使って五条の身体に移動した後も完全顕現した「リカ」は乙骨の身体を反転術式で治癒し続けており、術式が焼き切れて行動不能になった「乙骨五条」の回収後、(おそらくは新田新の術式で)仮死状態にしたまま術式の回復を待って、羂索の術式を使って乙骨自身の身体に再移動したということのようである。
これにより冥冥の予測は3番目が正解だったということになったが、肝心の「羂索が領域展開後も行動できていた理由」については日下部による「たぶん結界術の応用だろう」という予測に留まった(脳を小さな結界で守るなどの技術があるのかもしれない)。元の身体に戻れたとはいえ、最終話時点での乙骨は羂索の術式を使って「自分の身体を乗っ取って動かしている」状態であると考えられるため、少なくとも羂索レベルの結界術の使い手になるまでは(宿儺戦同様、術式が焼き切れて身体を動かせなくなるリスクがあるため)自身の領域展開「真贋相愛」も使えなくなった可能性が高い。
余談
今のところファンからの呼称は「ゴジョータ」や「ごっこつ」や「乙骨五条」など様々のようである。