劇場版ナデシコとは、アニメ映画作品「劇場版・機動戦艦ナデシコ The Prince of Darkness」の通称である。
本項では、この「劇場版・機動戦艦ナデシコ The Prince of Darkness」について述べる。
作品解説
1998年8月1日、角川系にて公開。タイトルが示す通り、TVアニメ作品「機動戦艦ナデシコ」(以下「原作」)のシリーズ作品である。同時上映作品は「スレイヤーズごぅじゃす」。
物語としては後述する通り、原作の物語の数年後の物語を描いている。原作からの最大の変更点として、主人公がホシノ・ルリに変更になっている点が挙げられる。原作の登場人物も概ね登場し、16歳になって可憐に成長したルリを始め、数年を経ての彼らの変化についても注目すべき点…である、とも言えるかも知れない。
純粋にそう言い切れないのは、ラブ・コメディを中心に据え、シリアスなシーンやホロリとくるシーンも少なからずあったものの、全体的にはコメディタッチで描かれていた原作の作風に比べ、本作はむしろ物語は若干のコメディシーンもあるものの、全体的にシリアスタッチで描かれているという点にある。前作の主人公であるテンカワ・アキトとヒロインであるミスマル・ユリカが眠る、ミスマル家の墓の前から物語が始まる、というオープニングシーンが、それを如実に物語っている。
詳細は伏せるが結末としてもハッピーエンドとは言い難い内容であり、この「祭りの後」あるいは「同窓会」や「法事」などを思わせる作風と、全体に漂う寂寥感は、本作の大きな特徴と言える。
ストーリー
木星蜥蜴…木蓮との戦争が終結し、彼らの協力によってボソンジャンプの研究が進むようになった。やがてボソンジャンプを利用したワープ航路システムである「ヒサゴプラン」が立案され、実験用コロニーが建造されて研究が進むようになる。
そんなある日、ヒサゴプラン所属のコロニーが謎の人型兵器によって立て続けに襲撃、撃破されるという事件が発生する。コロニー側に襲撃されうる要素が何かあるのではないかと睨んだ地球連合軍は、弱冠16歳の天才艦長・ホシノ・ルリ率いる機動戦艦「ナデシコB」をプラン所属コロニーの一つ、アマテラスに派遣する。
そして事件は起きる。臨検(とは名ばかりの観光ルートゲスト扱い)に臨むルリ達の眼前で、アマテラスのメインシステムは「OTIKA」という謎のメッセージを発してダウンしてしまった。「まるでシステムが勝手に騒いでいるようだ」というマキビ・ハリの報告に、ある直感に至ったルリ。直後にアマテラスは、ルリの予言通り、件の人型兵器の襲撃を受ける。
同時に発生する、「火星の後継者」を名乗る一団による武装蜂起。
謎の人型兵器は何者なのか。
アマテラスの、ヒサゴプランの秘密とは。
──キミノオモイデニ、サヨナラ──
登場人物
「機動戦艦ナデシコ」の項を参照されたし。
関連作品
機動戦艦ナデシコ - 原作