概要
2017年29号から、2018年7号まで連載されたラブコメ漫画。全4巻。
伊達氏の連載作品にとっては現状、最長の連載である。
内容
SNSを題材にした恋愛漫画で、主人公である玉梨大地はSNSを通じて親友を作るが、その相手こそ、自身の憧れの女優である皐月菜乃花だった、と言うストーリー。
細かい評価は置いて総評を言うのなら、『少年ジャンプよりも少年マガジンっぽい内容』と言う感じの作品であり、ラブコメでは主にライトファンタジーやライトなSFなどの非日常系をメインに扱う少年ジャンプの中では、SNSと言う現実に即した内容を扱うのは、かなり意欲的な作品であると言える。
特徴
目立つ点を言うのなら、SNSや恋愛云々以前にまずネーミングセンスが無いと言う点が目立つ。
主人公の名前は玉梨大地であり、現実での彼のあだ名は無害君。
この段階で察する人は察するが、作中で一番重要となる主人公の名前が下ネタである。
また、メインヒロインも同様にSNS上ではくそみそ男と名乗っており、正直に言ってこの名前では、コメディとして盛り上がる事はあっても恋愛要素としてプラスになるとは言い難い。
そこは置いておくとしても、基本的には人気芸能人と一般的な男子高校生とその幼なじみとの三角関係に重点を置いた作品であり、『現実的な内容を取り扱っている』『メインヒロインがトップ芸能人』と言う題材も凡庸で、一年少し続くだけの人気はあった作品と言うくらいしか語れない。
しかしそれだけなら、ごくありきたりのラブコメ漫画と言うだけでしか無かった。
タイムパラドクスゴーストライターとの関連
2020年。伊達氏は原作者に市真ケンジ氏を迎え、再び新たな連載を週刊少年ジャンプにて掲載し始め、それにより、今作の再評価が行われる様になった。ただし悪い意味で。
それが「タイムパラドクスゴーストライター」であったが、この作品は2020年でも屈指の酷評を受ける問題作品となってしまった。
同作についての詳細は当該記事を見てもらうとして、この作品が低評価を受けたのは、一重に主人公の人間性の問題であり、そのキャラクター造形を担当したのが実は作画の伊達氏では無いのか?と言う推測が読者の間から持ち上がった。そして、その論拠として挙げられたのが、本作「クロスアカウント」なのである。
詳細は省くが、主人公の倫理観が崩壊している点と、ヒロインの思考が主人公にとって都合の良いものにねじ曲がる点の二点が、「タイム~」の大まかな構成と一致する為、実は「タイム~」の真の戦犯は原作者ではなく伊達氏ではないかと、同作の考察では頻繁に取り上げられている。
関連タグ
リアルアカウント 少年マガジンで連載されていた漫画。
電車男『ネットを通じての恋』をテーマにした最初のヒット作。