マカロニウエスタン
まかろにうぇすたん
1960~70年代にかけてイタリア映画産業が生み出した西部劇映画。
マカロニウェスタンとは
イタリアで制作された傑作西部劇「荒野の用心棒」が日本に輸入された際に、淀川長治が呼称した造語。
イタリアやアメリカではスパゲッティ・ウェスタンと呼ばれているので、この呼び方は日本でしか通用しないが、どっちらにしろイタリア料理に引っ掛けた言葉である。
アメリカの西部劇との作風の違いは、その暴力性にある。
往々にしてアメリカ西部劇はドラマ性や抒情性を持たせたうえで、正義然とした主人公が悪を屠るという内容の作品が大半である。
それに対しマカロニウェスタンは正義などカケラも持っていないアウトローや一匹狼を主人公にしたハードボイルドな作風を前面に押し出しているのが特徴である。
激しい銃撃戦と血で血を洗う抗争、善悪では割り切れない男の世界、ある種のすがすがしさすら感じさせる暴力性こそがマカロニウェスタンの魅力なのである(逆にその暴力性から「銃で蜂の巣だからマカロニ」と勘違いされる事も多かった)。
70年代までに多種多様な作品が作られ続けたが、観客に飽きられたためブームの終焉とともに銀幕から姿を消した。
マカロニウェスタンシリーズにてスターになった役者や監督は数多く、クリント・イーストウッドやフランコ・ネロなどがその代表例である。