この映画はイタリアで作成され、1973年12月に公開された。監督はトニーノ・ヴァレリ、監修はセルジオ・レオーネであり、分類としては西部劇(マカロニウエスタン)である。
この映画は原題:Il mio nome è Nessuno、英題:My Name is Nobodyである。
あらすじ
西部一の凄腕ガンマンと言われていたジャック・ボーレガードであったが、西部では自分を腕試しに倒そうとするものが多いため、穏やかな老後のためにヨーロッパへ移り住もうと考え始める。
しかし、ニューオリンズへ行く途中で弟のネヴァダ・キットの友人であったレッドが殺された。
とある金山の経営者のサリバンと暴力集団のワイルドバンチが「自身の金山の金は他から盗んでいた金を細工した物である事」を隠すための口封じであり、ボーレガードもその標的となった。
時を同じくしてボーレガードは謎の風来坊「ノーボディ」と出会った。
彼は、ボーレガードに憧れておりボーレガードがワイルドバンチ集団150人を相手に勝つ事を望んでいる。
ボーレガード、ノーボディ、ワイルドバンチを軸に物語が動こうとしていた。
日本語吹替について
過去に放送された時にヘンリー・フォンダを柳生博が、テレンス・ヒルを広川太一郎が吹き替えたゴールデン洋画劇場で放送されたものと、瑳川哲郎と津嘉山正種が吹き替えた日曜洋画劇場で放送されたものがあり今売られているDVDとBlu-rayに収録されている。
登場人物
吹替は左がゴールデン洋画劇場版、右が日曜洋画劇場版
ジャック・ボーレガード
ノーボディ(だれでもないもの、日本語吹替版では名無しと訳していた)
演 テレンス・ヒル
サリバン
演 ジャン・マルタン
ワイルドバンチの頭目
そのほか
- 原題に関してはギリシャ神話におけるオデュッセウスのエピソードよりとられている。この辺りイタリアっぽい。
- 音楽はエンニオ・モリコーネ、特にセルジオ・レオーネ監督のマカロニウエスタンの音楽で知られ、現在においては映画音楽などで有名な巨匠である。なお、実は流血ものが嫌いである。
- この作品が作成された1970年代のマカロニウエスタンは衰退期に入っていた。しかし、この映画をはじめとするセルフパロディにより一時期息を吹き返した。この映画はその最終期の映画であり、事実上最後のマカロニ・ウエスタンとまで言われる。
- この作品の続編は1975年に公開されたUn genio, due compari, un pollo(A Genius, Two Partners and a Dupe、Nobody's the Greatest(邦題:ミスター・ノーボディ2)といわることがある)である。
- 撮影を行ったのはスペインおよびアメリカ合衆国のニューオリンズ、コロラドで行われた。
- この作品の監督であるトニーノ・ヴァレリは、夕陽のガンマンで助監督を務めた人物であり、代表作として怒りの荒野(1967年イタリア公開、昭和43年日本公開、ガンマン十戒が出てくる作品)などが存在する。
- ヘンリー・フォンダはもともと「アメリカの良心」を表すような役が多かったものの、マカロニウエスタンにおいては悪役としてのイメージが強い。また、この作品は彼の西部劇最後の作品である。
- テレンス・ヒルはイタリア人俳優であり、この種の喜劇にて名前を売った。ほかの作品としてはLo chiamavano Trinità(邦題:風来坊/花と夕日とライフルと…)などが存在する。
- 紛らわしいことに『ミスター・ノーバディ』Mr. Nobodyという映画が存在する。検索妨害をかましてくれる。邦題くらい変えてくれよと思う。
- ネヴァダ・キットを探すため彼が滞在していた村の墓地に刻まれていた名前で、サム・ペキンパーという人物がいるが、これは実在した映画監督の名前である。
関連項目
参照
wikipedia英語版のMy Name is Nobodyや日本語版のマカロニウエスタン