概要
アシボビュックの他アシボブクとも呼ばれる。
アフリカ南部モザンビーク近くのユシック諸島に棲むといわれる雁ほどの大きさの怪鳥で、無人島の岩礁で休憩をとる。
そのときに排泄された糞は日光で乾き、島の空気で清められた後に海に流れ、海岸に打ち上げられたものが美しい琥珀となるのだという。
欲深い者はこの鳥の棲む場所を探し出し、糞が出る瞬間にかすめ取ろうとするのだというが、それがうまくいったためしはないとされる。
その糞を魚が飲み込んで吐き出したものも琥珀になるが、重くて色が黒ずんだ質の低いものになりはてる。
この怪鳥については17世紀にJ.F.クロブによって書かれた『琥珀の歴史』に記述されており、
ロイス・ギュイオン著の『教訓』には、16世紀フランスの修道士トゥヴェの『宇宙誌』の記述として中近東およびギリシャ人、ユダヤ人の伝承であると紹介される。
この琥珀とはグアノ(鳥糞石)のことでは無いのかと考察されており、香りが良いとも伝承されることから本当の琥珀ではなく、当時はどのようにできるのかが不明であった竜涎香(フランス語でアンブル・グリ:灰色の琥珀である)のことではないかといわれている。