竜涎香
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りゅうぜんこう
竜の涎(よだれ)が原料であるといわれる貴重な香。
寝ている竜の涎(よだれ)が固まったものであるといわれる大理石のような模様を持つ蝋状の香で、7世紀頃からアラビアで用いられるようになったといわれており、エタノールに溶かしチンキとした高級香水として使用された。
中国では上記の竜が棲むボルネオの一島で採取されるといわれ、神経や心臓に効く貴重な漢方薬ともされた。日本では室町時代の書物に記録があるため、そのころに伝来したものであると考えられている。
アラビアではアシボビュックというアフリカ南部の諸島部に棲む怪鳥の糞が日光と空気にさらされたものであると信じられており、その希少性から一攫千金を求めその鳥が棲む島に危険だと知りながら旅立つものが絶えなかったという。
フランス語でambre gris (アンブル・グリ 英語ではアンバーグリス)と呼び、これは「灰色の琥珀」という意味であるため伝聞において本当の琥珀と誤解されることもあった。
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