概要
生物の消化管から排泄される固体状の排泄物である。俗称として「うんこ」「大便」などがある。医学的には便の名称を使う。
よみがなはふん或いはクソと読む。
詳細
主成分は腸から出た垢と腸内細菌とその分泌物。人間の消化酵素では消化できなかったものは食べた時のまま出てくるが、食物の残りカスは比率としては1割程度と少ない。排泄される際に排泄が楽になるように潤滑性のある腸液が分泌される。腸液はアルカリ性なので糞も苦い。
消化された食物によっても臭いが変わる。野菜や穀物、果物しか摂取しない人の糞便はそれほど臭くなく、肉(とくに牛肉)を多く摂取する人は臭くなる。
草食獣(ウサギとか)は草を主に食すので悪臭は比較的少なく、コアラの糞などはユーカリのよい香りがする。とはいえ牛などを飼う牧場では悪臭も馬鹿にならず、公害問題として取り上げられることもしばしば。
用途
昔、尿と混ざったもの(屎尿)が農業用の肥料として使われていた。ただしそれは糞尿を数ヶ月かけて発酵させた下肥を水で薄めたもので、糞尿を直接農地へ撒くわけではない。十分に熟成させた下肥は悪臭がなくなり、寄生虫卵なども死滅するという。直接糞尿を田畑に撒くと強烈な悪臭はもとより害虫を呼び寄せ、病気(作物と人間の両方)の原因になると思われる。また下肥だけだと窒素分が多すぎて栄養バランスが悪いため、必ず堆肥と組み合わせなければならない。
下水道に流入した有機物(糞尿など)は微生物とその代謝物の塊(活性汚泥)に食わせて処理するが、余剰の汚泥が厄介者で、かつてはそのまま埋め立てるか、焼却した後埋め立てるかしかなかった。現在は汚泥の焼却灰は主に土壌改良材やセメント原料、路盤材に用いられるほか、燃料に使われることもある。汚泥の焼却に使う燃料には、処理過程で発生するガスが用いられる。
馬や牛など、草食性の家畜の糞を燃料とする場合がある。例えばインドの一部地域では牛糞を円盤状にして乾燥させ、かまどの燃料にする。
養豚においては人間の大便が飼料として使われる例がある。中世の中国では豚小屋の上に人間の便所があり、用を足すと便が豚小屋に落ちる豚便所というものがあった。豚は人間の大便をエサにする習性があり、これは豚にとっては異常なことではない。ただ、人間がサナダムシなどの寄生虫を持っていると、それが豚に移る場合があり、それが人間に再感染することが問題になる。
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