概要
香木とは、樹木から採れる香料全般のことだが、一般には伽羅・沈香・白檀の三木を指す。それぞれの香木は異なる特性と香りを持ち、用途や好みに応じて使い分けられる。
日本では、推古天皇3年(595年)4月に淡路島に香木が漂着したのが最古の記録といわれる。
その木片を火の中にくべたところ、よい香りがしたので、朝廷に献上したところ重宝されたという伝説が『日本書紀』にあり、東大寺正倉院宝物には「黄熟香」(おうじゅくこう)が納められている。
1992年4月、全国薫物線香組合協議会が、日本書紀の記述に基づいて沈水香木が伝来した4月と「香」の字を分解した「一十八日」をあわせて4月18日を「お香の日」として制定。
種類
- 沈香(じんこう):東南アジアでのみ産出される。ジンチョウゲ科ジンコウ属の数種に原木由来の樹脂が生成されたもの。沈香の中にもさまざまな種類がある(後述の伽羅も沈香)。白檀とは異なり、熱を加え焚くことで放香する。
- 白檀(びゃくだん):インド原産のビャクダン科の常緑樹。爽やかな甘い芳香が特徴。線香以外にも多くの工芸品に使用されている。熱を加えずとも放香する特徴がある。
- 伽羅(きゃら):沈香の中でも特に高品質な最高級品。五味(甘・酸・辛・苦・鹹(しおからい))に通ずる。