概要
エリンとは、上橋菜穂子のファンタジー小説『獣の奏者』及びそれを元にしたアニメ『獣の奏者エリン』に登場するキャラクターであり主人公。
物語前半
CV:星井七瀬
アニメ版10歳時
大公領のアケ村出身。初登場時は10歳。ちなみに名前の「エリン」は山リンゴ(山に自生するリンゴ。寒さに強い)から取られている。
闘蛇衆の頭領の長男アッソンと、元霧の民の獣ノ医術師ソヨンとの間に一人娘として生まれた為、母と同じく緑色の瞳を持つ。
その為、ごく一部から<アクン・メ・チャイ(魔が差した子)>と睨まれ、自身も自分達母娘の容姿に違和感を覚えつつも、将来は母の様になりたいと言う夢を持ちながら、それなりに幸せな日々を送っていた。
しかしある日、闘蛇の一種である<牙>を大量に死なせた罪で処刑される母を助けようとするも失敗。自身も流されて真王領の東端サンノル郡の湖の畔で気を失っていた所を偶然通りかかったジョウンに救われる。
始めは母を失ったショックから心を閉ざしていたが、彼の温かい人柄のおかげで笑顔を取り戻し、蜂飼いの仕事を手伝いながら一緒に暮らす事となる。その際彼女が非常に聡明で優れた観察眼と卓越した聴力、そして絶対音感を持っている事に気付いたジョウンから様々な知識や技術を学び、取得するが、中でも竪琴はかなりの腕前を持つ迄になる。そしてある夏の夜、崖に落ちたジョウンを発見し付き添っていた時に、自分の子供を助ける野生の王獣を見て感動し、かつての夢を取り戻す。
アニメ版14歳時
4年後、決して美人ではないものの清楚で爽やかな娘に成長し、蜂飼いとしても自活できる迄になるが、ジョウンの息子アサンが父を迎えに来た事で、実の親子同然の二人の生活は終焉を迎える。その際お互いに自身の秘密を打ち明けた所、ジョウンの推薦でカザルム学舍の入舎ノ試しを受けられる事となり、無事入学を果たす。
しかしそれまで育った環境のせいで集団生活等が苦手で、入舎した当初は不慣れな生活に四苦八苦する。その上一部の教導師の偏見や恩人ジョウンの死に打ちのめされるも、女性の教導師長エサルや親友ユーヤンに励まされて立ち直り、人一倍努力を続けた事で次第に周囲に認められていく。
ある日死にかけていた王獣の仔リランを救い、以後面倒を見る事になる。途中成行きから王獣に対する<操者ノ技>を独自に編み出して学舍中で騒ぎになったり、不慮の事故が何度か起きたりするも、次第に親子の様な不思議な絆で結ばれていく。一方その頃から闘蛇と王獣の在り方、人の在り方への疑問を抱く様になる。
リランの為もあって19歳で教導師になるが、先述の<操者ノ技>を知られた為に国の権力闘争に引きずり込まれてしまう。
しかし混乱の中でお互いの想いが通じ合ったイアルやリランと共に、毅然とした態度で運命に立ち向かう。
アニメ版19歳時
外見
大公領民と霧の民とのハーフの為、髪は麦わら色(アニメでは青緑、青い鳥文庫の挿絵と漫画版では黒っぽい色)で 瞳は緑色。
また、子供の頃から他の子に比べるとやや背が高く、思春期を過ぎると更に背が伸び、母親程ではないがかなりの長身となる。
但し、その顔立ちは大公領民だった父親似で、一重瞼でややつり目である。
性格
性格は両親ともにそうだった様に基本的に優しい。
加えて母からは非常に聡明で好奇心と探究心が旺盛な所と、我慢強く努力家な所を受け継いだ。
但しアニメでは幼い頃その好奇心故に時折失敗をやらかしたり、学生時代も努力家である事を強調する為にあわや落第しかけたりするエピソードがあった。
また、生物全般に強い関心を示す一方でお洒落にはほとんど無関心で、結果同年代の女子と比べて少々地味な印象を受ける事になる。
一方、父からは明朗快活で暖かい笑顔と(特にアニメにおいて)正義感が強い所を譲り受けている。
その事が夫を最後迄愛し続けたソヨンを心から喜ばせ、積極的に霧の民を蔑視する者以外との対人面で大いに役立っている。
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物語後半~(ネタバレ注意!)
『王獸編』終盤より11年後から始まる『探求編』ではイアルと結婚して息子ジェシを授かり、カザルムで引き続き教導師として過ごしているたが、再び<牙>が大量死した事をきっかけに過酷な運命を辿る事になってしまう。
そして『完結編』では、暴走した闘蛇と王獣の暴走を食い止めるため、上空で音なし笛を使用しそのまま落下、足のケガが元で4日後に息を引き取る。
死後は、カザルム王獣施設の土地に埋葬され、夫であるイアルも22年後、そこに埋葬された。
しかし最後の4日間に、真王やジェシに自分が今迄学び・習得した獣に関する知識を伝え、結果としてリョザの発展に大きく貢献する事になる。
なお、アニメでは最終話の終盤でジェシの母親になっている所迄は同じだが、後は視聴者の想像に任せる形で終わっている。
また、原作にほぼ忠実な漫画も『王獣編』のラストで終わっている。