概要
上橋菜穂子のファンタジー小説『獣の奏者』及びそれを元にしたアニメ「獣の奏者エリン」に登場する架空の生物。爬虫類に似た特性を持つ。作中では軍用として使役されている。
外見
蛇の名を持つが容姿は巨大な竜やトカゲ(コミカライズ版ではワニ)に近い。
水中に棲息しており、二本の長い角と鋭い爪の生えた四肢を持つ獣。
体は鱗と粘液で覆われており、繁殖期になると粘質が変化する。
牙と粘液に毒を持ち、鱗のふちが非常に鋭利であるため、触れる際は鱗で手を切らぬよう細心の注意が必要。
生態
非常に獰猛な性格であり、足の速さも力も強いため、音無し笛なしでは人は近づくことすら困難であり、食い殺される可能性もある。
装備品の装着や世話、獣ノ医術師による診療など、人が触れる際には音無し笛で硬直させなければならない。
野生のものは飼育されているものより小さい上、比較的おとなしい。また、野生の闘蛇の耳には耳膜と呼ばれる蓋のようなものが付いており、切り落とさないと音無し笛で調教出来ない。
気温に体温が左右されるため、夜明け前など、気温が下がる時は動きが鈍ると言われる。
仲間が死ぬと、弔い笛と呼ばれる鳴き声を発する。
食性は肉食。王獣とは互いに天敵同士で、闘蛇が王獣の幼獣を狙うことがあるほか、「探求編」での闘蛇衆の言葉から、野生では魚も食べているようである。
人による使役
主に大公軍が軍用として使用し、「探求編」「完結編」では、敵であるラーザ・オマ・カルダも使用していた。
背にまたがり角を持つ事で操ることができ、地上をかける速さはどんな駿馬にも勝る。
飼育下では主にヤギ肉を餌として与えられるが、闘蛇村によっては魚を餌としている場所もある。
また、<牙>に対しては「特滋水」と呼ばれる薬品が与えられ、その他の<胴>や<尾>に対しては、特滋水を薄めた「薄滋水」が与えられる。
<牙>の他、<胴>や<尾>と呼ばれる種類が存在し、違いは以下の通り。上のものほどランクが高い。
ランク | 特滋水の使用 | 能力 |
---|---|---|
牙 | 特滋水を投与 | 戦闘力、体格ともに最高 |
胴 | 薄滋水を投与 | 牙に次ぐナンバー2 |
尾 | 薄滋水を投与 | 最底辺 |
飼育下での繁殖は行われておらず、数を増やす際は野生の卵を採集して孵化させていたが、「探求編」「完結編」において、人工繁殖に成功したことが語られている。