CV:平田絵里子
イラストは、霧の民時代。
概要
闘蛇村では非常に珍しい女性の獣ノ医術師。
元は霧の民で、16歳の時に一族の掟を破り、闘蛇衆の頭領の息子であったアッソンと結婚したことで一族から追放された。その後17歳の時にエリンを産んでいる。
その直後、夫であるアッソンに先立たれてしまうが、十年以上経っても彼に対する愛情は薄れておらず、娘のエリンが彼の顔立ちや明朗な性格を受け継いだ事を心底喜んでいる。
医術師として非常に優れた腕を持っており、その腕を買われて<牙>の世話を一任されていたが、霧の民である事から村人達とは幾ばくかの距離を置いていた。
作中での活躍
ある日、彼女が世話をしていた<牙>が全滅した事で罪に問われ、監察官らの責任逃れからスケープゴートとして処刑される事になる。自分はもう助からないと気付いていたが、助けに来てくれたエリンに感激し、娘だけは助けようと大罪とされる<操者ノ技>を使ってしまう。そして自身は闘蛇に引きずり込まれ、二度と上がって来なかった。没年齢は27歳。アニメではエリンに形見の腕輪を託している。
（ちなみに本来過失で闘蛇を死なせた場合は、利き腕を切り落とされるだけだった）
『探求編』では彼女の日記が発見され、「<残った人々の谷間>へ行ってみたい」との記述を残していた。また、<牙>大量死の原因が判明した時、同時に生前の彼女の真意も知ってしまったエリンは大いに苦悩することになる。
闘蛇衆に嫁ぎ、霧の民を追放されてもなお、一族の掟を守り生きてきた。その心情は外伝『刹那』にて描かれる。
好きでもない許嫁と添い、子や孫も同じ道を歩き続けるあり方に息苦しさを覚えたこと、アッソンに惹かれたこと、また、自身がアッソンと添うことを打ち明けた際に、娘の身を案じず戒律を説くばかりの母に反発したことを回想する。
ただし、動揺して戒律にすがる他なかった当時の母の心情を慮っており、一族から離れても戒律を守り続けるつもりでいた。
実際、その後彼女が掟を破ったのは、エリンを救うため闘蛇を操る指笛を吹いた一度きりである。
アニメでは原作より若干男勝りの印象を受ける。エリンやサジュ同様アケ村でのシーンが長くなり活躍が増えた事や、キャラクターデザインもあって、非常に人気が上がったキャラの一人である。
容姿・性格等
瞳は霧の民の証である緑色。髪の色については原作では言及されていないものの、エリンの髪が麦わら色と言う事は、恐らくほぼ金髪だと思われる（ちなみにアニメでは灰緑色）。
また、純血の霧の民だけに長身である。作中では「アケ村の他の女性より頭一つ分背が高い」と表記されている。
聡明で好奇心や探究心が高い一方で、我慢強く、優しい性格の持ち主でもある。
その為、幼い頃から一族の中でも「賢く、辛抱強く心良き子」と評判だった。嫁いでからも瞳の色に慣れた村人達から、その人柄も大いに評価されていた事が『探求編』で明らかになっている。
余談
アニメ版にて平田絵里子氏は、ソヨン役に加えナレーターも担当している。
またアマゾンaudible版『獣の奏者』の朗読も同氏が担当。
<残った人々>のソヨン
『完結編』にて、エリンとセィミヤが送った文を読み、<残った人々の谷間>からリョザ神王国にやってきた中年の女性。右が緑、左が金色の目を持つ。
カザルムに現れ、ジェシやエサルに災いについて語り、決戦後にエリンやセィミヤとも語らう。
ソヨンという名は、霧の民(戒律ノ民)や<残った人々>には多い名であるという。
